CASE2
鳥のさえずりと風が響く森の中に、波打つような屋根が大きく広がる「軽井沢カウンターポイント」は、周囲の建物とは異なるインパクトのある外観でありながら、景観を取り込んで違和感のない、新たな調和をつくり出した家。東京在住のHさんの週末に利用するセカンドハウスであるこの家は、傾斜地の眺望を活かした、快適な住空間が広がっています。
フロアの最も高い位置に配置されたキッチンは、ダイニング、暖炉コーナー、リビングの3方向に開かれた森の眺望を楽しめる至福の場所。「家族や客人がどの場所に座っていても、ステージのように高い位置から広く目配りできる、司令塔のようなキッチンが欲しい。」そのような奥様たってのご希望もあり、この場所には壁の曲面形状に合わせた特注のR型アイランドキッチンがデザインされています。キッチン端部は、家族の朝食や子供のお勉強にも利用できるよう、カウンター席が設けられています。
一段下がった場所に位置するリビングは、眺望を満喫できるようテラスにつながる壁面は天井まですべてガラス張りになっており、開放的な空間。このリビングをはじめ、浴室やトイレを含むすべての居室のフロアにはガス床暖房が設置されています。これは厳しい冬を暖かく快適に過ごすためだけでなく、水道管の凍結を防止するという、寒冷地ならではのアイデア。
森の緑が美しく目に映る窓のある子ども部屋には、遊び心のある工夫がされています。それは自由にお絵描きが楽しめる壁があること。壁面の一部がホワイトボード仕様となっており、マーカーで自由にお絵描きが出来るほか、マグネット玩具にも対応した特殊なクロスを採用しています。フロアにも傷がつきにくい素材が用いられており、お子さまが自由に遊べる楽しいスペースになっています。
1967年北海道生まれ。1990年法政大学工学部建築学科卒業。同校大学院在学中に渡米、1992年コロンビア大学大学院建築学部修士課程修了。以降N.Y.に滞在し、荒川修作氏のアトリエ等を経て、1998年帰国。1999〜2001年黒川紀章建築都市設計事務所。2003年PODA一級建築士事務所を設立。法政大学、京都造形芸術大学非常勤講師。