CASE3
瀬戸内海に面した緑豊かな高台に建つK邸は、360°のパノラマの風景を楽しめる住まい。四方がガラス面となった2階のリビングは、幾重にもつらなる瀬戸内の島々を見渡すことができ、時間が経つのも忘れてしまうほど。創作活動などのアトリエとして、様々な思索の時間にあてようと考えていたKさまですが、あまりの居心地のよさに、気がつくと一日が終わってしまうこともあるそう。
パノラマの風景を眺望できるキッチンは、メンテナンスがしやすい総ステンレス製。回遊性のあるアイランドキッチンは、多くのお客さまを招いたときなどに活躍しそう。
瀬戸内の海を一望する立地条件を最大限に活かすために発想されたのが、360°のパノラマのガラス面。遮るものが何もない、この立地だからこそ実現できた眺望だと言います。時間や季節によって変化する風景を、このリビングから一日中眺めていると時間が過ぎるのを忘れてしまうのだとか。そんな眺望を空間の一部として取り込むガラス面の下は、ちょうど人が腰をかけられるスペースが設けられていて、ベンチとして利用することができます。フロアは段差のないフルフラット仕様のタイル張りとなっています。
開放的な2階を“陽”とするなら、対照的に1階部分は閉じられた“陰”のスペース。吹き抜けの中庭からの光が天井や壁に表情をもたらす落ち着いた雰囲気のある空間となっています。玄関ホールは、2階への動線ともなっているスペース。2階から取り込まれた中庭の吹き抜けからの光が、明るい2階へと訪れる人を誘っているかのようです。
1967年広島県生まれ。1990年福山大学工学部建築学科卒業。鈴木工務店設計部勤務。2000年K2-DESIGNを設立。日本建築家協会正会員。2006年に日本建築家協会優秀建築200選に選ばれ、以来2007、2008年にも連続して選出される。