CASE4
大阪府堺市の歴史ある住宅地の一角にある黒い外観に赤のアクセントが印象的なI邸は、その形状が燕の姿に似ていることから「燕城」と名付けられた住まい。施主のIさまご夫婦の新居として建てられたこの住まいは、1階からペントハウスまでをつなぐ約8mもの高い吹き抜けが特徴となっています。PH階のガラス面から差し込む光が1階まで届き、様々な表情が空間にうまれます。
1階は間仕切りのないワンフロアのリビング・ダイニング・キッチン。ペントハウスまでつづく吹き抜け部分は光が差し込む開放的なスペースに、そしてリビング部分となるソファの置かれたスペースは、落ち着いた雰囲気のスペースとなっています。縦と横に3次元に展開される空間設計はユニークで、一つのフロアにいながら、角度によっていろんな表情を見ることができます。心地よい天然木のフロアにはガス温水床暖房が設置されており、輻射熱で部屋中がとても暖かくなると奥さまもご満足の様子です。
1階フロアから屋上へとつづくペントハウスをつなぐ吹き抜け部分の階段には、暮らしを快適にする工夫がされています。1階から2階への階段は天然木を使用したステップとなっていますが、2階からPH階への階段は、上部からの採光と通風を遮らないように、FRP製のグレーチングが使われています。また階段上部の天井にはファンが取り付けられており、熱がこもりやすい天井付近の熱を階下に送ることで、冬にはガス温水床暖房で暖められた空気が循環し、フロアを通して暖かい快適空間をつくり出す手助けとなります。
デッドスペースとなりがちな階段下には、Iさんのご趣味であるDJブースが。収納スペースとしての活用が多いこの空間の大きさを活かした、ユニークなアイデアが光るスペースとなっています。
1966年大阪府生まれ。1986年大阪工業大学短期大学部卒業。設計事務所勤務を経て、1995年アトリエZERO設立。2008年よりZERO&NiS(ゼロアンドニーズ)に改組。
1960年大阪府生まれ。1884年近畿大学理工学部建築学科卒業。設計事務所勤務を経て、1997年NiS建築工房開設。2008年よりZERO&NiS(ゼロアンドニーズ)に改組。「健康住宅を考える女性建築士ネットワーク」NPO法人もく(木)の会 代表。
ZERO&NiS(ゼロアンドニーズ)
一級建築士事務所
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