CASE25
30年以上連れ添った施主のIさまご夫婦が終の棲家とするために建てられた住まい。これからのセカンドライフをより有意義なものとするため、長時間過ごしても飽きのこない多様性と、つかず離れずの距離感が保てる柔軟性を兼ね備えた「変化のある空間」がコンセプトのこの住まいは、斬新なフォルムがとても印象的です。
立地条件を最大限に活かした変形五角形の建物が特徴的な「ツイノスミカ」は内部空間もとてもユニーク。中心から両端へとねじれながら緩やかな曲線を描く天井面は、季節や時間によって変化する光と陰が様々な表情を映し出します。高い船底天井の伸びやかな開放感のある中央のリビング・ダイニングは庭からの光が白い天井や壁に反射して、明るい室内空間を創りだしています。ワンフロアでありながらも、二つのコアで仕切られた室内は、見え隠れしながらもお互いの気配が感じられるように配慮されています。
スペースを区切るコアは、水まわりのスペースとなっています。その一つが浴室・トイレ・洗面スペースとして活用されています。トップライトから光が差し込み、夜には星空を眺めながらバスタイムを愉しむことが出来ます。また、浴室とトイレの間仕切りを設けない、段差のないバリアフリーの空間にもなっています。洗面スペースには、収納が十分にそなえつけられているため、雑然としがちな水まわりの空間もすっきりとさせることができます。
京都・宇治の美しい山並みを目前にしたのどかな環境の中、旧農業用水路と山裾の道に挟まれた中州のような風通しのよい変形地という立地条件を最大限に活かした変形五角形の住まいは、斬新なフォルムが特徴的。ねじ上げられた屋根の形状はユニークで、この建物を施工した棟梁も「勉強になった」と言うほど、緻密な計算によって作り上げられています。アプローチから室内への動線は段差のないバリアフリー仕様となっています。
1979年生まれ。15歳で渡米。2003年ノースイースタン大学・ボストン卒業。手塚建築研究所、その他設計事務所を経て2011年id創立。
1974年生まれ。横浜国立大学大学院修士課程修了。手塚建築研究所を経て、2006年髙木昭良建築設計事務所創立。