CASE30
大阪府堺市の住宅地の一角にある「大豆塚の家」は、サッカーファンのUさまがこだわったブルーが印象的な住まい。無垢の天然木やホタテ貝の粉を使ったホタテしっくいといった、人にも環境にも優しい自然素材が用いられた温もりを感じさせる空間となっています。軒を長くのばして季節に応じて室内に入る光を調整し、室内温度を快適に保つなどの工夫がされています。
一番日当りのよい2階の南側に配置されたリビング・ダイニング。間仕切りのないワンフロアのリビング・ダイニングは、テラスと一体感を持たせることでより一層開放的な空間となっています。このテラスからの通風と採光にプラスして、天井の高さや勾配、窓の位置や形状も四季を通じてベストの採光となるように工夫がされています。「本当に気持ちのよい空間。エアコンはほとんど使わないくらい」とか。梁や柱、天井やフロアには無垢の天然木が使用されているほか、白い壁はホタテ貝の粉がはいったホタテしっくいで、高い保湿性と断熱性だけでなく、その壁の白さは建築当初のままだそうです。
建物の北側に配置された、吹き抜けとロフトのある洋室はご夫婦の寝室。北側に位置しながらも、冬でも光が差し込む、温かく居心地のいい空間となっています。2階からも行き来ができるロフトは、吹き抜け部分を塞いで、フロアを拡張することも可能。ライフスタイルにあわせて対応できる、柔軟性のあるスペースとなっています。この洋室やロフトをはじめとしたすべての扉はオーダーメイドとなっていて、一つ一つがすべて違うデザインとなっているのも、この住まいの特徴のひとつです。
この住まいのもう一つの特徴と言えるのが、玄関から階段へと導く長い廊下。建物のメインの居室である2階のリビング・ダイニングへの動線として考案されたこの廊下は、Uさまのご趣味である写真や本などを飾るギャラリースペースになっています。ディスプレイアイテムをUさまご自身で探されたというこだわりのスペースは、この住まいを訪れる来客の方にも好評なのだとか。そして廊下から2階へ上がる階段は、踊り場に大きな窓と小さな小窓からの光が白い壁に反射して明るいスペースに。訪れたお客さまを2階へと導きます。
1998年大阪市立大学大学院前期博士課程修了。設計事務所勤務後、2003年同大学大学院後期博士課程修了。同年こま設計堂設立。ファイナンシャルプランナー(AFP)、設備一級建築士。
2005年大阪市立大学大学院前期博士課程修了。住宅建材メーカー勤務後2006年こま設計堂入所。一級建築士。