CASE40
「リビングとひとつながりとなった、広々としたデッキのあるリビングがほしい」という施主さまのご要望が、家の半分をデッキにしてしまうという大胆なレイアウトによって実現。家の東西を斜めに切り取ったかのように配置された屋外のデッキと屋内のリビングが、まさにひとつの空間のように感じられます。
グリーンが印象的な外観は、擁壁を思わせるようなファサードが特徴。道路側に面した部分は開口のないファサードとすることで、外部からの視線を遮るようになっています。一見しただけでは、玄関エントランスの位置もわかりずらい外観意匠は、ご家族のプライベートを守るための配慮。
家の東西を斜めに切り取ったかのように配置された全面ガラスの扉を挟んで、屋外デッキと一体化したようなリビング・ダイニング。リビングの上部を吹き抜けにすることで、縦方向の開放感を出しながらも、2Fに設けられた開口部の開閉によって、空調設備に頼らなくても、夏は涼しく冬は暖かく快適に過ごせるという工夫がなされています。またダイニングやキッチンは、天井を低くしてリビングと差別化しながらも、壁と一体化した引き戸の開閉によって、空間に可変性を持たせることで、それぞれ独立しながらも繋がっているように感じられます。
四角形の敷地を、LDKのスペースと対角線で2つの三角形に区切ることによって生まれたデッキスペース。デッキの上部に大きな庇を設けることで、屋外でありながらも、お食事やお昼寝、読書といったリビング的活用から、キャッチボールをしたり三輪車を走らせたりなど、子どもの遊び場にもなる裏庭的な活用もできる便利な空間になりました。また、庇の一部に設けられた開口部からは陽の光が差し込み、時間帯によっては暗くなりがちなデッキスペースを明るく照らします。
1974年愛知県生まれ。1999年に近畿大学理工学部建築学科卒業。2002年に藤原さんと共に、藤原・室建築設計事務所を設立。
1974年大阪生まれ。1997年に近畿大学理工学部建築学科卒業後、1999年に近畿大学大学院工学科建築科卒業。2002年に室さんと共に、藤原・室建築設計事務所を設立。