CASE42
関西有数の高級住宅地・帝塚山。その閑静な一角に建つ「K邸」は、築50年以上の旧家を建て替えた二世帯住宅。施主さまの“凜とした佇まい”に相応しい、「敷居を跨ぐと背筋が伸びるような端正な家造り」を目指されたという、旧家の持っていた和の良さを継承しながらも今風のモダンさも随所に取り入れた、モダン和風テイストの住まいになっています。
親世帯のメインルームとなるこのリビングは、ナチュラルカラーをメインとした落ち着いた空間となっており、ダイニングテーブル横壁面には、旧宅にあった、奥さまにとって思い出深いレリーフが飾られています。また廊下から通じる扉には、施主さまのお母さまが生前愛用されていた着物や帯がアクセントとして使われ、和風の飾り扉のような趣を演出しています。なお、このリビング・ダイニングとキッチンには、ガス温水床暖房が設置されています。
2階の子世帯のスペースは、シンプルで機能的な洋モダンの空間。お二人の寝室は、シンプルながらも壁面のタイルによって表情豊かな空間となっています。このタイルはお二人がとても気に入っているものだそう。
旧宅を見た飯田さんが「これは残さなければ」と思った旧宅の立派な仏間は、その大きな仏壇や床の間の竹材とともに、新宅の和室へと引き継がれました。リビング・ダイニングは全面フローリングにした施主さまも、やはり畳の上が一番落ち着くといいます。材質にこだわった土壁風の壁面に囲まれた和みの空間は、施主さまご夫婦の癒やしのスペースになっています。
1966年高知県高知市生まれ、1988年神戸大学建築学科(意匠系、建築史専攻) 卒業、設計事務所勤務を経て、2002年IMO DESIGN 設立、2010年より株式会社IMOデザイン代表取締役、1級 建築士、インテリアプランナー、1級建築施工管理技士