CASE51
手入れの行き届いた芝生敷きの中庭を持つN邸は、左右に広い扇形の敷地に建つ二世帯住宅。敷地を最大限に活用した「への字」型の住まいは、玄関を中心に、東西にバランスよく居室を配置。キッチンや洗濯場などをそれぞれの世帯用に設け、お互いが「つかず離れず」の程よい距離感を持ちながら、快適に暮らすことができるようになっています。
建物の1階の中心にある玄関エントランスは、その東西側に子世帯のダイニング・キッチン、親世帯の居室スペースが配置されています。お客さまが多いとおっしゃるNさまにとって、玄関はお客さまを一番始めに迎える大切なスペース。「図面で見ると、スペースがもったいないなあ、と感じました」と奥さまがおっしゃる坪庭ですが、「実際に出来上がると、予想以上に素晴らしい空間でした」と満足そう。季節ごとの花を生けるなど、訪れる方への「おもてなし」の心が表れる空間が創り出されています。
2階にあるリビングは、ご家族がのんびりとくつろぐ畳敷きのスペース。梁を見せた高い天井によって、より開放的な空間に創り出されています。東西にNさまご夫妻の寝室とお子さまの部屋が配置され、ご家族でくつろいだ後に、それぞれの部屋に気軽に戻ることができます。
お客さまを大勢招いてのパーティーや食事会の機会が多いという奥さまのご要望に応え、1階のダイニング・キッチンは大人数にも対応できる余裕のあるスペースに。通常サイズよりワイドサイズのシステムキッチンは、調理スペースも広めにとってあり、収納力も抜群。引き出しタイプの収納は、手軽に出し入れしやすく、調理もスムーズに行えるのだとか。
1958年広島県生まれ。1982年大阪工業大学建築学科卒業。建設会社勤務後2002年紙谷誠建築設計室設立。一級建築士。