CASE55
埼玉県戸田市の閑静な住宅街の一角にある「緑のカーテンのある家」はその名の通り、初夏から秋にかけて、大きなグリーンカーテンが緩やかな曲面となったファサードに掛けられる住まい。通風や採光などに考慮した自然のポテンシャルを活かした住まいです。
独特の曲線を描く形状となっている建物は、扇形となった、下から上にいくにしたがって広がっていくカタチとなっています。角地にある立地のため、道路側から奥に建物を配置し、南側に大きな開口を設けることに。そのため夏には強い日差しを遮るための日除けとして取り入れたのが、大きなグリーンカーテン。真夏の暑い日中には、日陰の中では、8℃程度温度が下がり、快適に過ごすことができます。
夏には、大きなグリーンカーテンによって、日差しが遮られ、蒸散効果によって、涼しい風がもたらされるリビング・ダイニング。このため、夏にはエアコンを使わないエコな暮らしが実現できています。建物を曲線とすることで、室内空間においては、奥行感や開放感が生まれ、つながりを持たせながら、視線をずらすことで、それぞれの空間が視覚的に分けられています。リビングには、ガス温水床暖房が設置されています。
「キッチンの背面に大きな収納を設けること」「キッチンに立つ時には、室内の様子がわかりやすいもの」という奥さまのご要望をかなえたキッチン。背面に大きな収納を設けた、アイランドキッチンは、室内と、そして庭を一望することができます。庭やリビングなどで遊ぶお子さまを見守りながら、料理ができるので、とても安心できると奥さまはおっしゃいます。
1971年生まれ。上智大学大学院卒業。
有限会社西森事務所勤務の後渡欧(2003)、5年間イギリス・ロンドンにて活動。
2004〜2005年フォスター・アンド・パートナーズ・ロンドン勤務。2006〜2007年フューチャー・システムズ・ロンドン勤務。2009年熊木英雄建築事務所株式会社 設立。