CASE62
京都・山科区にある「山科の家」は、この住まいを設計した倉太隆さんの自邸。素材や造作家具にもこだわったビンテージテイストのこの住まいは、エネファームによる創エネ、LED照明やLOW-eガラスの採用、最新設備の導入によって消費エネルギーと創り出すエネルギーの差し引きゼロを実現した「ゼロエネ住宅」の認定を受けています。
時代を重ねたような風合いの天井や床に、重厚なタイルがアクセントとなった室内空間で使われている素材は、すべて新しいものを使っていると話す倉さんですが、「ビンテージ感を出したいからといって、古いものを使ってしまっては面白くない。いかに新しい素材で、風合いを出すのか、ということを考えました」。1段下がったリビングスペースの横にあるタタミスペースは、小さなお子さまたちの遊び場になっているのだとか。
奥さまの一番のこだわりだったキッチンは、使い勝手や動線を考慮した機能的なスペースに。壁一面に配置されたキッチン収納は、木目の美しい針葉樹合板を用いたオリジナルで、機能的でありながらも取っ手などの細部にもこだわっているのだと言います。ダイニングやリビングにいるお子さまの様子を見ながら家事をこなすことができ、ご家族との会話も楽しめるのだとか。
白を基調とした寝室から軒裏の木目を楽しみたいと、ベランダへの開口を大きくとった2階の寝室。軒はあえて長くして、素材感を楽しんでいるのだそう。シンプルながらも、素材へのこだわりを感じることのできる空間となっています。
1968年京都府生まれ。レイデザイン研究所卒業。建設会社設計部、設計事務所を経て、2002年にアトリエイハウズ建築デザイン事務所を開設。2006年株式会社アトリエイハウズ法人設立。
1982年京都府生まれ。京都建築専門学校卒業。ビルダー、設計事務所を経て、2012年に株式会社アトリエイハウズ入社、現在に至る。