CASE64
青空によく映える白い建物。文字通り「白亜の豪邸」と言える「3階滝庭のある家」は、元は広大な倉庫の跡地に建てられた住まい。1・2階は開放的で明るい洋風、3階は落ち着いた和風となっており、名前の由来である滝庭は、3階のホール外部に設置されています。
吹抜けとなった開放的で明るい大空間が広がるリビングは、3つの素材の異なる白色を基調としながら、壁面の一部に濃いブラウン色のタイルをアクセントとして用いることで、白で統一された空間がぼやけずに締まった印象をもたらしています。また、陰鬱になりがちな大きなコンクリート造の建物ながら、上階からもたらされる光や開口の位置や大きさなどを工夫することで、明るい室内空間を実現しています。
白で統一された清潔感あふれるダイニング・キッチン。キッチンカウンターが煩雑にならないように、壁面一面に収納が造り付けられています。油などで汚れやすいキッチン収納の扉部分は、ほかのスペースの建具や扉も同様にピアノ塗装が施されています。またキッチンの足もとは冬場でも暖かく家事ができるようにガス温水床暖房が設置されています。
この住まいの名前の由来となった滝庭を眺めることのできる3階のホールは、和風モダンな落ち着いた空間。滝庭にあるウォーターウォールは、日中に眺めても、美しい水の波紋を楽しむことができますが、夜になると下からのライティングでさらに幻想的な風景を楽しめるのだそう。
1960年兵庫県明石市生まれ。1983年神戸大学工学部環境計画学科卒業。株式会社梓設計にて意匠設計チーフとして勤務後、2004年スペースプロ一級建築士事務所開設。一級建築士、福祉住環境コーディネーター。