CASE75
琵琶湖を望む滋賀県大津市の住宅街にある「浜大津の家」は、築100年以上経過した旧家を建て替えた住まい。蔵や中庭のある広い敷地に建つ住まいながら、くつろげる日常空間と、カーニバル感がある非日常空間との機能を重ね合わせたものとなっています。
周辺の景観を考慮し、ヴォリュームを感じさせないよう、白を基調とした洋風と、黒を基調とした焼板を用いた和風の佇まいを組み合わせた外観は、旧街道沿いの街並にも調和したものとなっています。
天井のデザインが印象的なエントランスは、「非日常空間」へと誘うための大切な空間。エントランスの納戸の一部に設けられたワインセラーには、100本程度のワインが常時貯蔵されており、お客さまを招いてのホームパーティなどで振る舞われるのだそう。
大きな建物では、光と風が奥まで届きにくくなりがちなため、大きな開口を一つ造るのではなく、小さな開口を効率よく設けることによって、光と風を室内にもたらされています。そのため、時間の経過とともに、光と影がさまざまな表情を織りなす、風通しのよい心地よい空間が創り出されています。
1968年京都生まれ。1991年関西大学工学部建築学科卒業。同年清水建築設計工房入社。2000年長谷川ワタル建築研究所(WHATS)設立。