バリアフリー住宅とは「障害物のない住宅」という意味で、年をとっても安心して暮らせる家のことです。床に段差を作らず、手すりを階段や廊下に取り付けることで、身体を支えながら歩行することができます。またドアはできるだけ引き戸にして開口幅を広くするなど、車いすでもスムーズに室内を移動できるようにしておきましょう。
寝室からトイレ、お風呂など毎日の暮らしの道筋(動線)をできるだけ単純化し、移動しやすくしておくことも大切です。
家庭内事故と呼ばれる家の中の事故の中でも多いのが、床や階段での転倒、お風呂場で具合が悪くなる事故です。床は滑り難い材質を選び、階段や身体の向きを変える場所には、シッカリとした握りやすい手すりを取り付けておきましょう。
浴室の事故で多いのは、ヒートショックによるものです。ヒートショックとは、急激な温度変化により血圧や脈拍が急上昇することで、命にかかわるケースもあります。ヒートショックを防ぐには、家の中の温度のバリアフリーが大切。家の断熱性能を上げて家の中の温度差を小さくすること、特に冬のお風呂場は寒くないようにすることが大切。浴室暖房乾燥機の暖房機能が役に立ちます。
尾間 紫(おま ゆかり)/一級建築士事務所 Office Yuu 代表
(社)日本インテリアデザイナー協会 正会員、一級建築士。インテリアプランナー、インテリアコーディネーター、マンションリフォームマネジャー、住まいのリフォームコンクール優秀賞など。