大きな収納が欲しい!と、収納はどうしても容量に捉われがちですが、大切なのは使い勝手です。いくら大きな収納があっても、奥行が深い収納に小さなモノを片付けてしまうと、出し入れしにくくなって結局出しっぱなしか、入れっぱなしになってしまいます。また手が届きにくい位置にある吊り戸棚などは、いつ入れたかさえ忘れてしまっているモノが…ということにも。
奥行きの深い収納は引出しセットを使って奥まで使いやすくするなど、出し入れのしやすさに着目した収納作りをしましょう。暖房等の季節商品の出し入れの手間も、床暖房なら商品をかたづける手間もスペースも必要ありません。
また4.5畳では狭い、せめて6畳欲しいと部屋の大きさにこだわる人も多いでしょう。収納を減らして、それを部屋の広さに加えれば、図面上は広く感じられます。しかし実際に暮らしてみると、タンスやキャビネット、本棚などを置く必要があり、様々な家具が並べば却って雑多で狭苦しく、また掃除がしにくい部屋になります。広さだけに捉われず、6畳あったら1.5畳は壁面収納にして4.5畳はまるまる使うようにしていけばスッキリと暮らせます。
尾間 紫(おま ゆかり)/一級建築士事務所 Office Yuu 代表
(社)日本インテリアデザイナー協会 正会員、一級建築士。インテリアプランナー、インテリアコーディネーター、マンションリフォームマネジャー、住まいのリフォームコンクール優秀賞など。