【熱中症対策2025】残暑が厳しい9月も要注意!家族を守る予防法を徹底解説

編集者:【大阪ガス】Daigasコラム編集部

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年々厳しさを増す日本の夏。熱中症は命にも関わる危険な症状ですが、7月・8月のピーク時だけでなく、残暑が続く9月以降も十分な対策が必要です。「もう秋だから」という油断が、思わぬ事態を招くことも少なくありません。

こちらの記事では、2025年9月の最新情報にもとづき、基本的な熱中症対策から、特にリスクの高い子ども・高齢者の注意点、効果的なグッズ、応急処置までわかりやすく解説します。

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目次

9月以降の「かくれ熱中症」に注意!2025年も油断禁物な理由とは

「もう夏も終わりだから」と、熱中症対策を緩めていませんか。実は、厳しい残暑が続く9月以降も熱中症のリスクは潜んでいます。ここでは、なぜ秋口にも注意が必要なのか、その理由と熱中症の基本について解説します。

なぜ9月も危険?近年の気象データが示す「厳しい残暑」

「夏の終わり」という油断は禁物です。気象庁が2025年8月19日に発表した3か月予報によると、9月と10月は全国的に平均気温が「高い」と予想されています。

これは、太平洋高気圧などが日本付近に張り出し続け、暖かい空気に覆われやすいためです。気象庁の担当者も「暦の上では秋でも高温が予想されているので、油断をせずに熱中症対策を続けてほしい」と警鐘を鳴らしています。

この時期に特に注意が必要な理由は以下の通りです。

実際の気温の高さ 予報の通り、暦の上では秋でも真夏日に近い気温となる日が多くなる可能性があります。
対策意識の低下 「もう9月だから」という思い込みから、水分補給や日中の外出への警戒心が薄れがちになります。
夏の疲労蓄積 ひと夏越した体は、自覚がないまま疲労や水分不足の状態にあり、体温調節機能が低下していることがあります。最新の気象情報を必ず確認し、厳しい残暑が続く限りは真夏と同様の対策を継続しましょう。

夏の疲れと油断が招く「秋の熱中症」のリスクとは

9月以降に多発する熱中症の大きな要因は、専門家が指摘する「残暑バテ」と、それに伴う油断です。

「残暑バテ」とは、夏の間に蓄積された疲労が原因で起こる体調不良のことです。特に2025年のように猛暑が続いた年は、例年以上に疲れが溜まった「猛残暑バテ」とも言える状態に陥っている可能性があると専門家は警鐘を鳴らしています。

具体的には、以下のような状態です。

夏の疲れの蓄積 猛暑による食欲不振や睡眠不足で体力が低下し、体温調節機能がうまく働かなくなります。
対策意識の低下 「もう秋だから」という油断から、水分補給を怠ったり、エアコンの使用を控えたりしがちになります。

体調が万全でないにもかかわらず、対策が不十分になるという悪循環が、「秋の熱中症」の最大のリスクです。自覚症状が出にくいことも多いため、特に注意が必要です。

そもそも熱中症とは?原因と症状を正しく理解しよう

熱中症は、私たちの体に備わっている「体温調節機能」という、いわば“体のエアコン”がうまく働かなくなることで起こります。

人間の体は、平常時であれば汗をかいたり(気化熱)、皮膚の血流を増やして熱を外に逃がしたり(熱放散)することで、体温を一定に保っています。 しかし、この“体のエアコン”が効かなくなってしまうことがあるのです。

その主な原因は3つです。

①環境 気温や湿度が高すぎると、汗が蒸発しにくくなり、熱をうまく外に逃がせなくなります。
②体 寝不足や夏バテなどで体力が落ちていると、“エアコン”自体の効きが悪くなってしまいます。
③行動 激しい運動を続けると、“エアコン”の冷却能力以上に熱が発生してしまい、オーバーヒート状態になります。

このように、複数の要因が重なることで体温調節のバランスが崩れ、体の中に熱が溜まり、めまいや頭痛といった様々な症状を引き起こすのです。

危険なサインを見逃さないで!重症度別セルフチェック

熱中症は、症状の進行が非常に速い場合があります。「おかしいな」と感じたら、すぐに対処することが重症化を防ぐ鍵です。日本救急医学会の分類に基づき、症状の重症度を3段階に分けて解説します。ご自身やご家族の様子をチェックしてみてください。

【Ⅰ度(軽症)】現場での応急処置で対応できる段階

主な症状 めまい、立ちくらみ、筋肉痛、足がつる(こむら返り)、汗が止まらない
対処法 すぐに涼しい場所に移動し、衣服をゆるめて体を冷やしましょう。スポーツドリンクや経口補水液などで水分と塩分を補給してください。

【Ⅱ度(中等症)】病院での治療が必要な段階

主な症状 吐き気、嘔吐、体がだるい(倦怠感)、ぐったりする
対処法 涼しい場所で応急処置を行いますが、自力で水分補給ができない場合は、無理に飲ませず、すぐに医療機関を受診してください。

【Ⅲ度(重症)】命の危険がある緊急事態

主な症状 意識がない、呼びかけへの返事がおかしい、けいれん、まっすぐ歩けない、体が非常に熱い
対処法 ためらわずに救急車を呼んでください。救急車が到着するまでの間も、体を冷し続けることが重要です。

【基本対策】今日から実践できる!熱中症を予防する5つのポイント

熱中症は正しい知識で備えれば、きちんと予防できる症状です。ここでは、誰でも今日からすぐに実践できる5つの基本的な対策を解説します。水分補給から服装の工夫まで、一つひとつ確認していきましょう。

①こまめな水分・塩分補給|正しい飲み方とタイミング

熱中症対策の基本中の基本は、適切な水分・塩分補給です。最も重要なポイントは「喉が渇く前に、こまめに飲む」ことです。「喉が渇いた」と感じた時点では、すでに体は水分不足の状態に陥っています。

日常生活における水分補給の目安は以下の通りです。

タイミング 起床時、入浴前後、就寝前は特に意識して補給しましょう。日中も1〜2時間おきに飲むのが理想です。
一度にがぶ飲みするのではなく、コップ1杯(150〜200ml)程度をこまめに補給します。食事以外で、1日あたり1.2リットルを目安に摂取しましょう。
飲み物の温度 冷たすぎる飲み物は胃腸に負担をかけることがあります。5〜15℃程度に冷やしたものが吸収も良く、おすすめです。

また、汗を大量にかく時は、水分と同時に塩分も失われます。水やお茶だけを大量に飲むと、体内の塩分濃度が薄まってしまい、かえって体調不良(自発的脱水※)を招く危険があります。運動や屋外作業で汗をかく際は、スポーツドリンクや塩飴、塩分タブレットなどを活用して、塩分も一緒に補給することを忘れないでください。

※自発的脱水:水だけを飲むことで体液が薄まり、それ以上水分を欲しくなくなると同時に、尿として水分を排出してしまい、脱水状態から回復できなくなること。

②暑さを避ける|室内環境と外出時の工夫

熱中症予防には、水分補給と並行して「暑さを避ける」ための環境作りが非常に重要です。特に、熱中症の約4割は室内で発生しているというデータもあり、屋内での対策は欠かせません。

【室内での工夫】

エアコンを我慢しない 室温が28℃を超えないように、ためらわずにエアコンを使用しましょう。扇風機やサーキュレーターを併用して室内の空気を循環させると、より効率的に体を冷やすことができます。
直射日光を防ぐ すだれやよしず、遮光カーテンなどを活用して、窓からの直射日光を防ぎましょう。室温の上昇を大幅に抑えることができます。
室温計の活用 温度だけでなく湿度も確認できる温湿度計を部屋に置き、客観的な数値で環境を把握することが大切です。

【外出時の工夫】

時間帯を選ぶ 日中の暑い時間帯(10時〜14時頃)の外出は、できるだけ避けましょう。
日傘や帽子を利用する 直射日光を避けるだけで、体感温度は大きく変わります。UVカット機能のあるものを選ぶとさらに効果的です。
涼しい場所で休憩 屋外に長時間いる場合は、商業施設や図書館など、冷房の効いた場所でこまめに休憩を取りましょう。

③体を冷やす|服装の選び方と効果的な冷却法

体に熱をこもらせないためには、「服装の工夫」と、暑いと感じた時に「体を直接冷やす」ことの両方が大切です。

【服装選びの3つのポイント】

①素材で選ぶ 汗をよく吸い、すぐに乾く吸湿速乾性に優れた素材(ポリエステル、機能性インナーなど)を選びましょう。綿は吸湿性に優れますが乾きにくいため、汗をかいたらこまめに着替えるのが理想です。
②デザインで選ぶ 風通しがよく、体を締め付けないゆったりとしたデザインがおすすめです。襟元や袖口が開いている服は、体から熱が逃げやすくなります。
③色で選ぶ 黒などの濃い色は熱を吸収しやすいため、太陽光を反射する白や淡い色の服を選びましょう。日傘や帽子も同様です。

【効果的な体の冷やし方】

やみくもに冷やすのではなく、太い血管(動脈)が皮膚の近くを通っている場所を冷やすのが効率的です。冷えた血液が体内を巡り、深部体温※を下げる効果が期待できます。

冷やすべき場所 首の付け根(両脇)、脇の下、足の付け根
具体的な方法 濡らしたタオルやハンカチ、冷却シート、氷のう(タオルで包んで使用)などを当てましょう。外出先では、冷たいペットボトルで首筋を冷やすだけでも効果があります。

※深部体温:脳や内臓など、体の中心部の温度のこと。

④体調管理|食事と睡眠で夏バテを防ぐ

熱中症になりにくい体を作るには、日々の食事が非常に重要です。暑さで食欲が落ちがちですが、1日3食きちんと食べることが夏バテ予防の基本となります。

特に、以下の栄養素を意識して摂るのがおすすめです。

ビタミンB1 糖質をエネルギーに変えるのを助け、疲労回復に役立ちます。(多く含まれる食材:豚肉、うなぎ、大豆、玄米など)
クエン酸 疲労の原因となる乳酸の分解を促します。(多く含まれる食材:梅干し、レモン、酢など)
カリウム 汗と一緒に体外へ排出されやすいミネラルで、体内の水分バランスを保つ働きがあります。(多く含まれる食材:ほうれん草、アボカド、バナナ、海藻類など)

そうめんだけで済ませてしまうと、栄養が偏り夏バテの原因になります。薬味にネギや大葉をたっぷり加えたり、豚しゃぶを乗せたりするだけでも、バランスは大きく改善します。食欲がない時は、香辛料や酸味を上手に活用して、食べやすい工夫をしてみましょう。

⑤暑熱順化|暑さに強い体づくりのススメ

「暑熱順化(しょねつじゅんか)」という言葉をご存知ですか。これは、体が暑さに慣れることを指します。暑熱順化が進むと、同じ暑さの中でも体温が上がりにくくなったり、効率よく汗をかけるようになったりするため、熱中症のリスクを下げることができます。

暑熱順化には個人差がありますが、数日から2週間程度かかると言われています。梅雨明けの急に暑くなる時期などに熱中症が多発するのは、体がまだ暑さに慣れていないためです。

本格的な夏が来る前から、意識的に汗をかく習慣を取り入れ、体を暑さに慣れさせていきましょう。

【暑熱順化のためのトレーニング例】

ウォーキング やや早歩きを意識して30分程度行います。日中の涼しい時間帯を選びましょう。
サイクリング 30分程度を目安に行います。
入浴 シャワーだけでなく、湯船に浸かって体を温め、汗をかくことも効果的です。

ポイントは「無理のない範囲で、少し汗をかく」ことです。運動習慣がない方は、まずは近所を散歩することから始めてみましょう。ただし、気温が高い日や体調が悪い日は決して無理をしないでください。

【子ども】大切な我が子を守る!年齢・シーン別熱中症対策

子どもは大人と比べて体温調節機能が未熟なため、熱中症になりやすい傾向があります。大切な子どもを夏の暑さから守るためには、年齢や生活シーンに合わせたきめ細やかな対策が欠かせません。具体的な注意点を詳しく見ていきましょう。

なぜ子どもは熱中症になりやすい?その理由を解説

「子どもは風の子」と言いますが、夏の暑さに対しては大人よりもずっとデリケートです。子ども、特に乳幼児は、大人と比べて熱中症になるリスクが非常に高いため、周りの大人がその理由を正しく理解しておく必要があります。

子どもが熱中症になりやすい主な理由は、以下の通りです。

①汗をかく機能が未熟(体温調節機能が未発達)

子どもは汗をかくための汗腺(かんせん)の数は大人と同じですが、その機能はまだ十分に発達していません。そのため、うまく汗をかけず、体の中に熱がこもりやすいのです。

②身長が低く、地面からの熱を受けやすい

身長が低い子どもは、地面からの照り返し(輻射熱)の影響を大人よりも強く受けます。大人の顔の高さと子どもの顔の高さでは、体感温度が5〜7℃も違うことがあると言われています。

③自分から症状を訴えられない

「喉が渇いた」「頭が痛い」「気分が悪い」といった体調の変化を、特に小さな子どもは自分の言葉でうまく伝えることができません。遊びに夢中になっていると、体の不調に気づかないこともあります。

これらの理由から、子どもに対しては大人以上にきめ細やかな配慮と対策が不可欠です。

【シーン別】外遊び・室内・車内での注意点

子どもの生活シーンごとに、熱中症対策のポイントは異なります。特に注意が必要な3つのシーンについて、具体的な対策を確認しましょう。

【外遊び】こまめな休憩と水分補給を徹底する

子どもは遊びに夢中になると、喉の渇きや体の不調を忘れてしまいます。20〜30分に1回は日陰で休憩させ、水分補給を促すなど、大人が時間を管理してあげましょう。服装は白など淡い色で、風通しの良いものを選び、帽子は必ず着用させてください。

【室内】「室内だから安全」という油断は禁物

室内でも、エアコンをつけていなければ熱中症のリスクは高まります。室温28℃、湿度60%以下を目安に、快適な環境を保ちましょう。特に昼寝をしている赤ちゃんは、自分で動いて体温調節をすることができないため、背中に汗をかいていないかなど、こまめに様子を確認することが重要です。

【車内】「少しの時間」でも絶対に放置しない

夏の車内は、短時間でサウナのような危険な空間になります。JAFのテストによると、エアコンを停止してからわずか15分で、熱中症指数は「危険」レベルに達することがわかっています。「寝ているから」「すぐに戻るから」といった理由で子どもを車内に残すのは、命に関わる非常に危険な行為です。絶対にやめてください。

乳幼児・赤ちゃんならではの対策と見守りポイント

赤ちゃんや乳幼児は、熱中症の最もハイリスクなグループです。まだ言葉を話せず、自分で体温調節をすることもできないため、保護者の方が赤ちゃんの変化を敏感に察知し、先回りして対策する必要があります。

【乳幼児・赤ちゃんのための特別対策】

服装 基本的に「大人より1枚少なく」が目安です。汗をかいたらすぐに着替えさせられるよう、肌着は多めに用意しておきましょう。
水分補給 母乳やミルクは重要な水分源ですが、汗をたくさんかいた時は、湯冷ましやベビー用の麦茶、イオン飲料などを追加で与えましょう。哺乳量が減る、おしっこの回数が減るのは脱水のサインです。
ベビーカー 地面との距離が近く、熱がこもりやすい構造です。アスファルトの照り返しを避けるため、日中の暑い時間帯の外出は極力控えましょう。どうしても外出が必要な場合は、保冷剤を入れたり、日よけカバーを活用したりする工夫が必要です。

【見守りのポイント】

  • 顔が赤くないか、ぐったりしていないか
  • おでこや背中を触り、汗をかきすぎていないか
  • 機嫌が悪くないか、泣き方がいつもと違わないか

こうした「いつもとの違い」が、赤ちゃんからの重要なSOSサインです。少しでもおかしいと感じたら、すぐに涼しい場所に移動し、体を冷やしてあげてください。

子どものSOSサイン|大人が気づくべき体調変化

子どもは自分の体調不良をうまく言葉で表現できません。大人が「いつもと違う」という些細な変化に気づいてあげることが、熱中症の早期発見・早期対応につながります。

以下のようなサインが見られたら、熱中症を疑い、すぐに対処を開始してください。

【熱中症を疑うべき子どものSOSサイン】

顔色がおかしい 顔が真っ赤になっている、あるいは青白く、唇が乾いている。
元気がない・ぐったりしている いつもよりおとなしい、遊びたがらない、呼びかけへの反応が鈍い。
機嫌が悪い 理由もなく泣いたり、ぐずったりする。
食欲がない 大好きな飲み物やおやつを欲しがらない。
大量の汗、または汗をかいていない びっしょり汗をかいているか、逆に暑いのに肌がサラサラで汗をかいていない場合は危険な兆候です。
その他 頭痛や吐き気を訴える(言葉で伝えられる年齢の場合)、おしっこの回数が減る、体が熱い。

特に「ぐったりしている」「意識がはっきりしない」といった症状は、重症化している可能性があります。その場合は、涼しい場所で体を冷やすなどの応急処置をしながら、ためらわずに救急車を呼びましょう。

【高齢者】重症化リスクを防ぐ!家族ができる熱中症対策

高齢者は、体に変化が起きていることに気づきにくく、知らず知らずのうちに熱中症が重症化しやすい傾向があります。ご本人の注意はもちろん、ご家族や周囲の見守りが非常に重要です。ここでは、高齢者の熱中症対策について解説します。

なぜ高齢者は熱中症のリスクが高い?体の変化と環境

熱中症による救急搬送者の半数以上が高齢者というデータもあり、特に注意が必要です。高齢者が熱中症になりやすいのには、加齢に伴う身体的な変化が大きく関係しています。

【高齢者の熱中症リスクを高める主な要因】

①体内の水分量が減少している 人間の体の水分量は、子どもで約70%、成人で約60%ですが、高齢者では約50%まで減少します。もともとの水分量が少ないため、少し汗をかいただけでも水分不足に陥りやすいのです。
②暑さや喉の渇きを感じにくい 年齢とともに皮膚の温度センサーが鈍くなるため、周りが暑くても本人はそれほど暑さを感じていないことがあります。また、喉の渇きを感じる中枢機能も低下するため、体が水分を欲していても、それに気づきにくいのです。
③体温調節機能が低下している 暑い時に汗をかいたり、皮膚の血流を増やして熱を逃がしたりする体の反応が、若者に比べて遅れがちになります。そのため、体内に熱がこもりやすくなります。
④持病や服用している薬の影響 高血圧や糖尿病などの持病は熱中症のリスクを高めます。また、薬の種類によっては、利尿作用があったり、発汗を抑制したりするものもあるため注意が必要です。

我慢は禁物!エアコンの適切な使い方と設定温度

高齢者の熱中症対策において、エアコンの適切な使用は命を守るための最も重要な対策です。「もったいない」「冷房の風は体に悪い」といった理由でエアコンの使用をためらうことは、非常に危険です。

【エアコン使用の基本ルール】

室温28℃を目安に必ずON ご本人が「暑くない」と感じていても、部屋に設置した温湿度計が28℃を超えたら、ためらわずにエアコンのスイッチを入れましょう。
設定温度は26〜28℃に 温度を下げすぎると、屋外との温度差でかえって体に負担がかかる(ヒートショック※)こともあります。28℃でも暑く感じる場合は、湿度を下げる「除湿(ドライ)」機能や、扇風機・サーキュレーターの併用が効果的です。
風が直接当たらない工夫を 冷たい風が直接体に当たると、不快感や体調不良の原因になります。エアコンの風向きを「上向き」や「スイング」に設定したり、家具の配置を工夫したりしましょう。
タイマー機能の活用 寝苦しい夜は、エアコンをつけっぱなしにするのに抵抗があるかもしれません。その場合は、「切タイマー」ではなく「入タイマー」を活用し、室温が上がりやすい明け方(3〜5時頃)に運転を開始するよう設定するのも一つの方法です。

※ヒートショック:急激な温度変化により血圧が大きく変動し、心臓や血管に負担がかかること。

食事や水分補給で気をつけること

高齢者は、喉の渇きを感じにくく、また頻尿を気にして水分を控える傾向があるため、意識的な水分補給が何よりも重要です。

【水分補給のポイント】

時間を決めて飲む 「喉が渇いたら飲む」のではなく、「朝起きた時」「食事の時」「入浴後」「寝る前」など、生活リズムの中に水分補給の時間を組み込みましょう。1〜2時間ごとにコップ1杯の水を飲む、などのルールを決めるのも効果的です。
枕元に飲み物を置く 夜間に喉が渇いたり、足がつったりした時にすぐ飲めるよう、枕元に水やお茶を入れたペットボトルを常備しておくと安心です。
水分量の多い食事 食事からも多くの水分を摂取できます。ご飯やパンだけでなく、具沢山の味噌汁やスープ、果物(スイカ、メロンなど)、野菜(きゅうり、トマトなど)を積極的に献立に取り入れましょう。

【食事のポイント】

あっさりした素麺や冷や麦だけで済ませてしまうと、塩分やタンパク質、ビタミンが不足し、夏バテや熱中症の原因になります。タンパク質は体力を維持し、筋肉量を保つために不可欠です。豚肉や豆腐、卵などを加える工夫をしましょう。食欲がない時は、梅干しや酢の物など、酸味のあるものを加えると食べやすくなります。

周囲ができるサポートと効果的な声かけ

高齢者の熱中症は、ご本人が気づかないうちに進行することが多いため、ご家族や近所の方など、周囲の見守りやサポートが何よりも重要になります。

【離れて暮らす親へのサポート例】

  • 毎日決まった時間に電話する
  • 室温管理のサポート
  • 水分・塩分補給グッズの差し入れ

【効果的な声かけのポイント】
「大丈夫?」と漠然と聞くと、遠慮して「大丈夫」と答えてしまいがちです。「室温が30℃になってるから、エアコンの温度を下げようか」「お昼ご飯は何を食べた?」など、具体的な質問や提案をすることが大切です。「暑さ指数(WBGT)が危険レベルだから、今日の外出はやめておこう」といった、客観的な情報に基づく声かけも有効です。

【グッズ活用】効果を最大化する!熱中症対策グッズの選び方

熱中症対策グッズは数多く販売されていますが、どれを選び、どう使えば効果的なのか迷うことはありませんか。ここでは、様々なグッズの種類と特徴、そして効果を最大化するための賢い選び方や使い方を解説します。

冷却グッズの種類と特徴(首掛け扇風機・冷却スプレーなど)

近年、様々な種類の冷却グッズが登場しており、上手に活用することで外出時や室内での快適さが大きく向上します。代表的なグッズの種類と特徴を理解し、ご自身のライフスタイルに合ったものを選びましょう。

【携帯扇風機(ハンディファン)・首掛け扇風機】

特徴 手軽に持ち運べ、顔や首元に直接風を送ることで涼しさを感じられます。首掛けタイプは両手が空くため、屋外での作業やレジャー、子どもの見守り時などに便利です。
注意点 気温が35℃を超えるような猛暑日には、熱風を送ることになり逆効果になる場合もあります。ミスト機能付きのものや、濡らしたタオルと併用すると効果が高まります。

【冷却シート・冷却スプレー】

特徴 貼ったり吹き付けたりするだけで、メントールなどの成分がひんやりとした清涼感を与えてくれます。気化熱を利用して肌の表面温度を下げる効果も期待できます。
注意点 深部体温を直接下げる効果は限定的です。応急処置として使う場合は、首の付け根や脇の下、足の付け根など、太い血管が通っている場所を冷やすのが効果的です。

【ネッククーラー・クールリング】

特徴 首元を直接冷やすことに特化したアイテムです。保冷剤を入れるタイプや、特殊な素材(PCM素材※)が心地よい冷たさを維持するタイプなどがあります。
注意点 冷たすぎると感じたり、肌に合わなかったりする場合もあります。

※PCM素材:特定の温度(例:28℃)で凍結・融解を繰り返すことで、一定の温度を長時間キープできる素材。

効果的な水分補給ができる飲み物と経口補水液

熱中症対策の基本である水分補給ですが、何を飲むかによって体への吸収効率や効果は大きく異なります。シーンに応じて適切な飲み物を選ぶことが重要です。

【日常的な水分補給】水・麦茶

室内で過ごす時間が長いなど、あまり汗をかかない場面での水分補給の基本は、水や麦茶です。麦茶はカフェインを含まず、ミネラルも補給できるため、子どもから高齢者まで安心して飲めます。

【運動などで汗をかいた時】スポーツドリンク

運動や屋外での活動で汗をかいた時は、水分と同時に塩分(電解質)や糖分も失われます。これらを効率よく補給できるのがスポーツドリンクです。

【脱水症状が見られる時】経口補水液(OS-1など)

「飲む点滴」とも呼ばれ、脱水状態の体に最も効率よく水分と電解質を吸収できるよう、成分濃度が調整されています。めまいや吐き気など、熱中症の初期症状が見られる場合に特に有効です。ただし、塩分濃度が高いため、日常的にがぶがぶ飲むのには適していません。医師や薬剤師の指示に従って服用しましょう。

【注意すべき飲み物】

緑茶やコーヒー、紅茶などに含まれるカフェインや、アルコールには利尿作用があり、飲んだ量以上に水分が体から排出されてしまう可能性があります。これらは水分補給目的には適さないため、注意が必要です。

室内環境を快適にする便利アイテム(遮光カーテン・サーキュレーター)

熱中症予防には、エアコンの適切な使用が基本ですが、便利なアイテムを組み合わせることで、より効率的かつ経済的に室内環境を快適に保つことができます。

【サーキュレーター・扇風機】

役割 室内の空気を循環させ、温度ムラをなくします。
効果的な使い方 冷たい空気は下に溜まりやすいため、エアコンと対角線上に置き、エアコンに背を向ける形で上向きに風を送ると、部屋全体の空気が効率よく循環します。直接風に当たるのが苦手な方にもおすすめです。

【遮光・遮熱カーテン】

役割 窓からの直射日光や熱の侵入を防ぎます。
効果的な使い方 夏場は、日中使わない部屋でもカーテンを閉めておくだけで、室温の上昇を大幅に抑制できます。特に西日が当たる部屋には効果絶大です。レースカーテンを遮熱タイプにするのも良いでしょう。

【すだれ・よしず・グリーンカーテン】

役割 窓の外側で日差しを遮ることで、室内へ熱が伝わるのを防ぎます。
効果的な使い方 カーテンが「室内」で熱を防ぐのに対し、これらは「室外」で熱を遮断するため、より高い遮熱効果が期待できます。植物を育てるのが好きな方は、ゴーヤなどでグリーンカーテンを作るのもおすすめです。

子ども・高齢者が安全に使えるグッズ選びのコツ

熱中症対策グッズは非常に便利ですが、子どもや高齢者が使用する場合は、思わぬ事故につながらないよう、安全性への配慮が不可欠です。

【子ども向けグッズ選びのポイント】

携帯扇風機・首掛け扇風機

指の巻き込み防止のため、羽に細かいカバーが付いているものや、羽のない「ブレードレス」タイプを選びましょう。首掛け扇風機は、ストラップが何かに引っかかった際に外れる「安全パーツ」付きのものを選ぶと、首が締まる事故を防げます。

冷却スプレー

子どもが自分で使うと、目や口に入る危険があります。必ず大人が肌から離して吹き付けてあげましょう。また、LPGガスなどを使用した可燃性の製品も多いため、火気の近くでは絶対に使用しないでください。

冷却シート

乳幼児に使用すると、寝ている間にずれて口や鼻を塞ぎ、窒息する危険があります。子どもへの使用は避け、代わりにタオルで包んだ保冷剤などを使い、大人が見ている範囲で体を冷やしてあげましょう。

【高齢者向けグッズ選びのポイント】

操作がシンプルなもの

多機能な製品は、操作が分からず結局使われないことがあります。ボタンが少なく、表示が分かりやすいなど、直感的に使えるシンプルな設計の製品を選びましょう。

軽量で負担が少ないもの

首掛け扇風機やネッククーラーは、長時間使用すると首や肩への負担になることがあります。できるだけ軽量なモデルを選びましょう。

自動オフ機能付きのもの

電気毛布やあんかなど、体を温める器具を夏場でも使用している場合は、低温やけどや脱水を防ぐため、タイマー機能や自動オフ機能が付いている製品を選ぶと安心です。

もしもの時は?緊急時の応急処置と救急車を呼ぶ判断基準

どれだけ気をつけていても、自分自身や周りの人が熱中症になってしまう可能性はゼロではありません。万が一の事態に備え、慌てずに行動できるよう、正しい応急処置の方法と救急車を呼ぶべきタイミングを知っておきましょう。

自分でできる応急処置の3ステップ

めまいや立ちくらみ、気分の悪さなど、「熱中症かもしれない」と自分で感じた時には、症状が悪化する前に、すぐに行動を起こすことが何よりも重要です。以下の3つのステップを落ち着いて実行してください。

【ステップ1:涼しい場所へ避難する】

まずは、今いる場所からすぐに離れ、涼しい環境に身を置くことが最優先です。屋外にいる場合は、冷房の効いた室内(コンビニ、商業施設、駅など)や、風通しの良い日陰に移動しましょう。室内であれば、エアコンをつけて部屋を涼しくしてください。

【ステップ2:体を冷やす】

次に、体の中にこもった熱をできるだけ早く外に逃がします。

  • 衣服をゆるめ、ベルトやネクタイなどを外して体を楽にする。
  • 濡らしたタオルやハンカチ、冷たいペットボトルなどを首の付け根、脇の下、足の付け根といった太い血管が通っている場所に当てる。
  • 霧吹きで体に水をかけ、うちわや扇風機で風を送るのも効果的です。

【ステップ3:水分・塩分を補給する】

意識がはっきりしていて、吐き気がない場合は、自分で水分と塩分を補給しましょう。スポーツドリンクや経口補水液、塩分タブレットなどが効果的です。水しか手元にない場合は、塩をひとつまみ舐めるだけでも構いません。

これらの応急処置を行っても症状が改善しない、または悪化する場合は、ためらわずに医療機関を受診してください。

意識がない・呼びかけに反応しない場合の対応

もし、周りの人が熱中症で倒れ、呼びかけに応えない、言動がおかしい、意識が朦朧としているといった状況に遭遇したら、それは命に関わるⅢ度(重症)の熱中症の可能性があります。この場合は、一刻も早い救急車の要請と、現場での適切な応急処置が非常に重要です。

【ただちに行うべきこと】

①救急車を要請する(119番通報) まずは、ためらわずに救急車を呼びましょう。通報の際には、「意識障害があること」「熱中症が疑われること」を明確に伝えてください。
②涼しい場所へ移動させる 応援を呼び、複数人で協力して、風通しの良い日陰や冷房の効いた室内へ運びます。移動が難しい場合は、その場で日傘をさしたり、うちわで風を送ったりして、少しでも環境を改善します。
③体を冷やす(冷却) 救急車が到着するまでの間、体を冷やし続けることが命を救う上で最も重要です。衣服をゆるめ、濡らしたタオルや氷のう(タオルで包む)などを、首の付け根、脇の下、足の付け根に集中的に当ててください。

【やってはいけないこと】

意識がない人や、意識がはっきりしない人に、無理やり水分を飲ませようとしないでください。水分が気道に入り、窒息する危険があります。水分補給は、医療機関での点滴に任せましょう。

ためらわずに救急車を呼ぶ判断基準

熱中症が疑われる時、「救急車を呼ぶべきか、自力で病院に行くべきか」と迷うことがあるかもしれません。しかし、重症の熱中症は急速に症状が進行し、命に関わることがあります。以下のような症状が見られる場合は、ためらわずに119番通報してください。

【すぐに救急車を呼ぶべき症状】

意識がおかしい

  • 呼びかけへの返事がおかしい、見当違いなことを言う
  • 名前や場所が言えない
  • 意識が朦朧としている、または全くない

体の動きがおかしい

  • 全身がけいれんしている、ひきつけを起こしている
  • 体がガクガクと震えている
  • まっすぐ歩けない、立てない

応急処置をしても改善しない

  • 涼しい場所で体を冷やし、水分補給を試みても、症状が良くならない、または悪化する
  • 自分で水分を摂ることができない

総務省消防庁の「熱中症情報」によると、「少しでも様子がおかしいと感じたら、ためらわずに救急車を呼んでほしい」とされています。特に、高齢者や子どもの場合は、症状の変化が急激なことがあるため、早めの判断が重要です。判断に迷った場合は、救急相談センター(#7119)に電話して指示を仰ぐのも一つの方法です。

家族や周りの人が倒れた時にできること

もし、ご家族や周りの人が目の前で熱中症で倒れたら、誰でもパニックになってしまうかもしれません。しかし、そんな時こそ、救急隊が到着するまでの数分間の行動が、その人の予後を大きく左右します。落ち着いて、以下の手順で行動してください。

【救命のために、まずやるべきこと】

①声をかけ、意識を確認する 肩を軽くたたき、「大丈夫ですか?」と大きな声で呼びかけます。返事があるか、目を開けるかなどを確認してください。
②意識がない、または反応がおかしい場合 → すぐに119番通報と応援を要請 周りに人がいれば、「あなたは119番をお願いします」「あなたはAEDを探してきてください」と、具体的に指名して依頼します。
③涼しい場所へ移動させる 日なたであれば日陰へ、風通しの良い場所へ移動させます。
④体を冷やす 救急車の到着を待つ間、とにかく体を冷やし続けます。服をゆるめ、首の付け根、脇の下、足の付け根などを、冷たいペットボトルや濡れタオル、氷のうなどで集中的に冷やしてください。

【意識がある場合の対応】

意識がはっきりしていれば、涼しい場所で衣服をゆるめて体を冷やし、水分と塩分を補給させます。ただし、症状が改善しない、または本人が「おかしい」と訴え続ける場合は、軽症だと自己判断せず、医療機関を受診させてください。

まとめ

今回は、2025年の夏から秋にかけての熱中症対策について、網羅的に解説しました。

厳しい残暑が予想される9月以降も決して油断せず、真夏と同様の対策を続けることが重要です。熱中症は、正しい知識で備えれば予防できる災害です。まずは、以下の基本対策を徹底しましょう。

  • こまめな水分・塩分補給
  • 室内・屋外で暑さを避ける
  • 体を冷やす服装や工夫
  • 日々の体調管理
  • 暑さに慣れる体づくり(暑熱順化)

特に、熱中症のリスクが高い子どもや高齢者に対しては、周りの方がその特性を理解し、きめ細やかな配慮をすることが不可欠です。便利な対策グッズも上手に活用しながら、ご家族に合った予防策を実践してください。

そして万が一、ご自身や周りの人が熱中症になってしまった場合は、慌てず「避難・冷却・補給」の応急処置を行い、ためらわずに救急車を呼ぶ判断をしてください。この記事が、ご自身と大切なご家族の健康を守り、元気に夏を乗り切るための一助となれば幸いです。

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毎日たすかる。もしもに備えられる。「スマぴこ」のある暮らし。ガス漏れ・CO検知だけではなくお部屋の温度・湿度が高まると熱中症への注意喚起もおこないます。

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