プロパンガスのメリット・デメリットとは?都市ガスとの違いや料金制度について解説
編集者:【大阪ガス】Daigasコラム編集部
私たちが料理をしたり、お風呂のお湯を沸かしたりするために使うガスは、プロパンガスと都市ガスのどちらかが使われています。賃貸物件を選ぶときや、新築住宅を建てるときは、どちらのガスのほうがいいのか迷う人も多いですよね。
特にプロパンガスは料金が高いため、コスト面で心配される人も多いかもしれません。今回はプロパンガスのメリット・デメリットや、都市ガスとの違いなどについてわかりやすく紹介します。
目次
プロパンガスを使用するメリット

プロパンガスのメリットは以下のとおりです。
ガス管が整備されていない地域でも使える
地下にガス管が整備された地域では、ガス管を通じて供給される都市ガスを利用できます。しかし、ガスの消費者が比較的少なく採算がとれないと思われる地域では、ガス管が整備されておらず、都市ガスを使うことはできません。
しかしそのような地域では、都市ガスの代わりにプロパンガスを使うことが可能です。プロパンガスはガスボンベの中にガスを詰めて配送し、各家庭にガスを供給するため、ガス管を必要としません。これにより、山間部や離島など消費者が少ない地域でもガスを使えるようになります。
熱量が高い
都市ガスが燃えたときの熱量は1㎥あたり約10,750Kcalであるのに対して、プロパンガスの熱量は約24,000Kcalです。つまり、同じガスの消費量であっても、プロパンガスは都市ガスの倍程度の熱量を出せることをあらわします。
なお、家庭用のガスコンロはガスの種類に応じてガスの量が調整されるため、料理する上ではあまりその違いを感じられません。
参照:都市ガスへの切替勧誘が増えています | 公益社団法人 神奈川県LPガス協会
災害に強い
プロパンガスは建物ごとに設置されたガスボンベからガスが供給されます。広範囲に設置された地下のガス管から供給される都市ガスよりも、地震などによる損傷を受ける可能性が低いため、プロパンガスは災害に強い傾向があります。
二酸化炭素の排出量が少ない
プロパンガスは燃焼するときに二酸化炭素を排出しますが、化石燃料(石油・石炭・天然ガス・プロパンガス)のなかでも、天然ガスとともに二酸化炭素の排出量が少ないエネルギーです。
灯油からプロパンガスに切り替えたり、プロパンガスを使用したガスコンロや高効率給湯器が普及したりすることで、2030年には637万トンの二酸化炭素を削減できるといわれています(2013年比)。
参照:日本LPガス協会(Japan LP Gas Association):LPガスの特長:環境にやさしい
初期費用を抑えられる場合がある
都市ガスを新たに利用する場合、ガスを建物まで引き込むために、ガス本管から建物までの間に新しいガス管を設置することになります。
引き込み位置から建物までの距離や、敷地内の状況などによっても異なりますが、配管工事に費用がかかります。さらに、敷地の前面道路にガス管がない場合は、ガス本管費用も必要となる場合があります。
それに対して、プロパンガスはそのような工事に関する初期費用が不要な場合もあるため、初期費用が抑えられる可能性があります。
プロパンガスの使用するデメリット
プロパンガスのデメリットを4つ紹介します。
料金が高い
プロパンガスを利用すると、都市ガスを利用するときと比べてガス代が1.5~2倍ほど高くなります。
2017年から料金が自由化された都市ガスとは異なり、プロパンガスははじめから自由料金制を採用していました。プロパンガス会社が自由に料金を決め、消費者は言い値でガスを利用してきた歴史があるため、料金が高くなりやすい傾向にあります。
料金公開が義務ではない
プロパンガスは元から自由料金制であるため、会社同士の価格競争が働きにくい点もデメリットといえます。ガス料金が必ずしも公開されるわけではないため、業界内で価格競争が起きにくく、ガス料金が高いまま維持されてしまっている経緯があります。
しかし、現在は賃貸の入居希望者やオーナー、管理会社・賃貸仲介会社にプロパンガスの料金に関する情報を提供することを努力義務とする動きがあり、徐々に改善する可能性があるでしょう。
配送にコストがかかる
プロパンガスはガスをボンベに詰め、配送して各建物に設置する仕組みであるため、人件費やガソリン代といった多くのコストがかかります。
これらのコストはガス代として請求されるため、都市ガスと比べるとどうしても割高になりやすいデメリットがあります。
ガスボンベの設置に場所をとる
ガスボンベを各建物に設置するプロパンガスは、設置に場所をとってしまいます。さらに、風通しがよい屋外で、車などによる損傷を受けない場所といった条件も設けられており、どこにでも置いていいわけではありません。
狭い敷地にある戸建て住宅でプロパンガスを利用する場合、ガスボンベを設置するスペースがもったいないと感じる可能性もあるでしょう。
プロパンガスの料金制度
プロパンガス会社は、以下のいずれかの料金制度を採用しています。
- 二部料金制:基本料金、従量料金
- 三部料金制:基本料金、設備利用等料金、従量料金
- 最低責任使用料金制:最低責任使用料、従量料金
ほとんどのプロパンガス会社は、基本料金と従量料金の2つで構成される「二部料金制」を採用しています。
プロパンガスの従量課金の種類
基本料金はガスの使用量にかかわらず固定で支払う料金で、設備や検針などに必要なお金をまかなう役割があります。それに対して従量料金とは、ガスの使用量(1㎥)と、1㎥あたりにかかる単価によって決まる料金です。
たとえば、二部料金制の場合の1ヶ月のガス料金を計算式にあらわすと、以下のようになります。
| 基本料金 + 従量単価 × ガスの使用量(㎥)= 1ヶ月のガス料金 |
プロパンガスと都市ガスの違いとは

最後に、プロパンガスと都市ガスの違いを整理して解説します。
供給方法の違い
プロパンガスは、ガスボンベに入ったガスが各建物に配送され、そこからガスが供給されます。ガスボンベの設置は作業員がおこなうため、家にいて出迎えるなどの対応は必要ありません。
それに対して都市ガスは、地下に設置されたガス管を通じてガスが供給されるものであり、都市ガスに対応している地域でしか利用することができません。
原料の違い
プロパンガスは、プロパン・ブタンを主成分とした液化石油ガスが原料です。液化石油ガスはLPGと表記することから、LPガスと呼ばれることもあります。都市ガスに比べて簡単に液化するため、ガスボンベに入れて運びやすい性質を持ちます。
都市ガスは、メタンを主成分とした天然ガスや、海外から輸入する液化天然ガスが原料です。空気より軽いことが特徴で、高い位置にとどまりやすいため、都市ガスの警報機は天井近くに設置します。
発熱量・火力の違い
1㎥あたりの熱量は、プロパンガスが約24,000Kcal、都市ガスが約10,750Kcalであり、プロパンガスのほうが少ない量で高い熱量を出せます。
しかし、配送コストなどの関係でプロパンガスのほうが料金が高い上、料理をするときの火力はほぼ変わらないため、日常生活をおこなう中で熱量の差を感じられることはあまりないかもしれません。
まとめ
プロパンガスはガスボンベに詰めて運搬・保管しやすい性質を持つため、都市ガス用のガス管が設置されていない地域でもガスを使うことが可能です。
しかし、各建物に配送するまでにさまざまなコストがかかるため、都市ガスよりもガス代が高くなるデメリットがあります。また、料金体系が不透明でプロパンガス会社同士の価格競争があまり働かないことも、ガス代が高くなりやすい要因といわれています。
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