タンパク質の摂りすぎのサインは?一日の摂取量や過剰摂取のリスクを解説

編集者:【大阪ガス】Daigasコラム編集部

監修者:美樹彩夏

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健康的な生活を送るためにタンパク質を意識的に摂取している方も多いのではないでしょうか。

タンパク質は体に必要不可欠な栄養素ですが、摂りすぎるとさまざまな健康上の問題を引き起こす可能性があります。

この記事では、タンパク質の摂りすぎによって現れるサインや適切な摂取量について詳しく解説します。

タンパク質の過剰摂取による体への影響を理解し、健康的な摂取量を把握することで、よりよい食生活を実現するための知識を得ることができるでしょう。

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タンパク質の体内での重要な役割と1日の適正量

タンパク質は、私たちの体を構成する主要な栄養素のひとつです。

筋肉や臓器、皮膚、血液、ホルモンなど、体のあらゆる組織の形成に関わっています。

また、1gあたり4kcalのエネルギーを持ち、体を動かすためのエネルギー源としても機能します。

体内では常に新しいタンパク質が合成され、古いタンパク質が分解されるという代謝がおこなわれており、この過程を維持するために適切な量のタンパク質摂取が必要です。

しかし、タンパク質の必要量は年齢や性別などによって異なります。

また、過剰摂取はさまざまな健康問題を引き起こす可能性があるため、適切な摂取量を理解することが重要です。

以下では、タンパク質の具体的な働きと、年齢・性別による推奨摂取量の違いについて詳しく解説していきます。

体を構成する必須栄養素としての働き

タンパク質は、20種類のアミノ酸が結合してできた栄養素です。このうち9種類は体内で合成することができない「必須アミノ酸」であり、食事から摂取する必要があります。タンパク質の主な働きは以下の4つです。

体の組織構成

筋肉、皮膚、臓器、爪、髪の毛などの体組織を形成。これらの組織は常に新しい細胞に置き換わっているため、継続的なタンパク質の供給が必要

エネルギー

1gあたり4kcalのエネルギーを供給する。糖質や脂質と同様に、体を動かすためのエネルギー源として利用される。

ホルモン・酵素の生成

体内のさまざまな生理機能を調節するホルモンや、代謝を促進する酵素の材料となる

免疫機能の維持

抗体の形成に関与し、病気から体を守る免疫システムの維持に重要な役割をはたす

年齢・性別による推奨摂取量の違い

タンパク質の必要量は、年齢、性別、身体活動量などによって異なります。

厚生労働省が定めた「日本人の食事摂取基準(2025年版)」では、以下のような推奨量が設定されています。

【年齢・性別によるタンパク質推奨量】

性別・年齢 推奨量(g/日)
成人男性(18~64歳) 65
成人男性(65歳以上) 60
成人女性(全年齢) 50

参照:厚生労働省|日本人の食事摂取基準(2025年版)

これらの基準値は、通常の生活を送る健康な成人を想定しています。

しかし、以下のように、妊娠期・授乳期の女性は、胎児の成長や母乳生成のために通常よりも多くのタンパク質が必要です。

【妊娠期・授乳期における推奨量の調整】

状況 推奨量の増減 1日の目安量(g) 備考
妊娠初期 +0g 55 つわりの状況に応じて調整
妊娠中期 +5g 60 胎児の成長に合わせて増加
妊娠後期 +25g 75 最も必要量が増える時期
授乳期 +20g 75 母乳生成のため増量

参照:厚生労働省|日本人の食事摂取基準(2025年版)

また、運動量によっても必要なタンパク質量は変化します。

特に筋力トレーニングをおこなう人は、筋肉の修復と成長のために多めのタンパク質摂取が推奨されます。

ただし、過剰摂取は腎臓に負担をかける可能性があるため、自身の活動量に合わせた適切な摂取を心がけることが重要です。

タンパク質の摂りすぎによる体への影響とサイン

タンパク質は健康維持に重要な栄養素ですが、過剰摂取はさまざまな健康問題を引き起こす可能性があります。

厚生労働省の食事摂取基準では、一日に必要なタンパク質は、摂取エネルギー量の20%を上限としています。

この基準は、代謝の変化や健康障害に影響を与えないとされる値として設定されています。

例えば、1日2,000kcal摂取する場合、タンパク質からのエネルギー摂取は400kcal(100g)までが目安となります。

以下では、タンパク質の過剰摂取による具体的な影響と体に現れるサインについて解説します。

参照:厚生労働省|日本人の食事摂取基準(2025年版)

内臓機能への負担と現れる症状

タンパク質の過剰摂取は、特に肝臓と腎臓に負担をかけます。

これは、体内でのタンパク質代謝の仕組みに関係しています。

摂取したタンパク質は体内で分解と合成をくりかえしますが、余分なタンパク質は分解されて窒素となります。

この窒素は有害なアンモニアに変換され、肝臓で無害な尿素に変えられたあと、腎臓から尿として排出されるためです。

過剰なタンパク質摂取が続くと、以下のような症状が現れることがあります。

  • 全身的な疲労感やだるさ
  • 腎臓機能の低下
  • 慢性的な疲労感
  • むくみ

特に腎機能が低下している方や、糖尿病、肥満のリスクがある方は、タンパク質の過剰摂取によって症状が悪化する可能性があるため注意が必要です。

腸内環境の乱れと消化器系の変化

タンパク質の過剰摂取は腸内環境にも影響を及ぼします。

特に動物性タンパク質を多く摂取すると、腸内での消化が追いつかず、未消化のタンパク質が腸内の悪玉菌のエサとなります。

これにより腸内細菌のバランスが乱れ、以下のような症状が現れることがあります。

  • 便秘や下痢
  • おならの異常なにおい
  • 腹部膨満感
  • 消化不良

健康な腸内環境の指標として、便の状態を観察することが重要です。

理想的な便は、以下のとおりです。

  • 黄色がかった褐色
  • バナナ状の形状
  • 適度なやわらかさ
  • 強い異臭がない

これらの条件から外れる場合は、腸内環境の乱れを疑いましょう。

過剰摂取が引き起こす体調の変化

タンパク質の過剰摂取による体調の変化は、短期的な症状と長期的な影響に分けられます。

短期的には消化器系の不調や疲労感として現れ、長期的には体重増加や生活習慣病のリスク上昇につながる可能性があります。

【短期的な症状】

  • 消化不良
  • 胃腸の不快感
  • 疲労感の増加
  • むくみ

【長期的な影響】

  • 体重増加
  • 尿路結石
  • 痛風
  • 腎機能への負担増加

これらの症状や影響は、特に体重増加とカロリーオーバー、また尿路結石や痛風のリスクとして顕著に現れます。

以下では、これらの具体的なメカニズムと予防方法について詳しく解説します。

カロリーオーバーと体重増加

タンパク質の過剰摂取は、予想以上にカロリー過多を引き起こす可能性があります。

タンパク質は1gあたり4kcalーのエネルギーを持ち、これは糖質と同等のカロリー量です。

例えば、以下のような具体的なカロリー計算を見てみましょう。

  • タンパク質を1日100g摂取した場合:400kcal
  • 推奨量(65g)との差:140kcal
  • 1週間では:980 kcalの過剰摂取

さらに重要なのは、タンパク質が豊富な食品(特に肉類)には脂質も多く含まれていることです。

脂質は1gあたり9kcalと、タンパク質の2倍以上のエネルギーを持ちます。

【具体的な食品例】

  • 豚バラ肉100g:タンパク質14.4g(57.6kcal)+脂質分で総カロリー386kcal
  • 鶏むね肉100g:タンパク質23.4g(93.6kcal)+脂質分で総カロリー195kcal

このように、タンパク質の過剰摂取は、想定以上のカロリー摂取につながり、結果として体重増加を引き起こす可能性があります。

尿路結石や痛風のリスク

タンパク質、特に動物性タンパク質の過剰摂取は、尿路結石や痛風のリスクを高めることが研究により明らかになっています。

【尿路結石のメカニズム】

  1. 動物性タンパク質の摂取増加により、体内でシュウ酸の産生が増加
  2. 尿中のカルシウムとシュウ酸が結合
  3. 結石として結晶化
  4. 尿管に詰まり、激しい痛みや血尿などの症状を引き起こす

【痛風発症のプロセス】

  1. 動物性タンパク質に含まれるプリン体の過剰摂取
  2. 血液中の尿酸値上昇
  3. 関節部分への尿酸結晶の蓄積
  4. 激しい痛みを伴う発作

これらの症状を予防するためには、以下のポイントを押さえましょう。

  • 動物性タンパク質の摂取を適量に抑える(1食手のひらサイズを目安に)
  • 植物性タンパク質(大豆製品など)を積極的に取り入れる
  • 水分を十分に摂取する(1日2リットルを目安に)
  • アルコールの過剰摂取を避ける
  • 定期的な運動で代謝を促進する

特に、肉類や魚介類などの動物性タンパク質は、1日の摂取量を意識的にコントロールすることが重要です。

健康的なタンパク質摂取のための実践ポイント

タンパク質を健康的に摂取するためには、1日の総量だけでなく、摂取のタイミングや食品の組み合わせ方にも注意が必要です。

特に重要なのは、タンパク質を3食に分けて摂取することです。

これは、体内でのタンパク質の合成と分解のバランスを保ち、内臓への負担を軽減するために効果的です。

1食に摂取するタンパク質の目安は、肉や魚なら手のひらサイズ(約80~100g)です。

これに加えて、主食や副菜をバランスよく組み合わせることで、必要な栄養素を効率的に摂取できます。

以下では、具体的な実践方法について詳しく解説していきます。

食事バランスと1食あたりの目安量を把握する

タンパク質を適切に摂取するためには、1食あたりの目安量を知ることが重要です。

成人の場合、以下のような量を目安にします。

【タンパク質源の目安量】

  • 肉類:手のひらサイズ(約80~100g)で15~20gのタンパク質
  • 魚類:一切れ(約80g)で15~20gのタンパク質
  • 卵:1個(約60g)で6~7gのタンパク質
  • 納豆:1パック(約40g)で7~8gのタンパク質

これらのタンパク質源に加えて、以下のような組み合わせを意識しましょう。

  • 主食(ご飯、パン、麺類):炭水化物の供給源
  • 副菜(野菜、海藻類):ビタミン、ミネラル、食物繊維の供給源
  • 汁物:水分補給と栄養バランスの調整

例えば、以下のような組み合わせが理想的です。

朝食:卵1個+納豆+ご飯+味噌汁+野菜

昼食:鶏むね肉の照り焼き+ご飯+サラダ

夕食:魚の煮つけ+豆腐+ご飯+野菜の煮物

動物性・植物性タンパク質を適切に組み合わせる

タンパク質源は、動物性と植物性に大きく分けられ、それぞれ異なる特徴を持っています。

タンパク質の種類 主な特徴 代表的な食品
動物性タンパク質 ・必須アミノ酸がバランスよく含まれている

・吸収率が高い

肉、魚、卵、乳製品
植物性タンパク質 ・食物繊維が豊富

・脂質が少ない

大豆製品、雑穀類、豆類

【理想的な組み合わせ例】

  • 豆腐ハンバーグ(肉+豆腐)
  • 五目煮(魚+大豆)
  • 雑穀ご飯+魚料理
  • サラダに大豆やナッツを添える

これらを組み合わせることで、タンパク質の質を高めながら、脂質の摂取を抑えることができます。

プロテインサプリメントを賢く活用する

プロテインサプリメントは、食事だけでは必要量を満たせない場合の補助的な手段として活用できます。

ただし、以下のポイントに注意が必要です。

【適切な使用タイミング】

  • 筋力アップに向けて、運動後30分以内
  • 朝食代わりに
  • 1日の不足分を就寝1時間前に

【1日の摂取量の目安】

  • トレーニング後なら:15~20g
  • 食事代わりなら:20g
  • 不足分の補充なら:10~15g

【注意点】

  • 食事で十分なタンパク質を摂取できている場合は不要
  • 水分の代わりとしての常飲は避ける
  • 製品の成分表示を確認し、糖質や脂質の含有量にも注意

プロテインサプリメントは、適切に活用することで効果的なタンパク質補給手段となりますが、あくまでも補助的な役割であることを忘れないようにしましょう。

バランスのよい食事を基本とし、必要な場合にのみプロテインを活用する姿勢が、健康的なタンパク質摂取につながります。

まとめ

タンパク質は体にとって重要な栄養素ですが、適切な摂取量と摂取方法を守ることが大切です。

1日の推奨量を目安に、3食に分けてバランスよく摂取し、動物性と植物性のタンパク質を組み合わせることで、健康的なタンパク質摂取が実現できます。

過剰摂取のサインに気づいたら、摂取量を見直し、必要に応じて専門家に相談することをおすすめします。

プロテインサプリメントは、必要な場合のみ適切に活用し、基本的には食事からの摂取を心がけましょう。

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美樹彩夏
監修者
美樹彩夏
「健康的な生活が普通になるように」をモットーに活動する管理栄養士。東京農業大学を卒業し、内科・小児科に勤務後フリーランスに転身。オンラインでの栄養指導・ライター・プロテインの監修・講師・カフェのスタッフと幅広く活動中。コーチングを意識したカウンセリング、相手の生活に寄り添ったアドバイスで800人以上のダイエットをサポート。

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