自動車保険の等級は引継ぎできる?条件や手続きの流れ、注意点を解説
編集者:【大阪ガス】Daigasコラム編集部
自動車保険の乗り換えや家族間での譲渡を考える際「今の等級は引き継げるのか」と不安に思う人も多いでしょう。
通常、車の乗り換えや家族間での譲渡の際、自動車保険の等級は引き継ぐことができます。ただし、「7日以内の期限」や「同居の条件」など、一定のルールが存在します。
本記事では、自動車保険の等級引継ぎができるケースやできないケース、等級引継ぎをする際の注意点などについて解説します。
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目次
自動車保険の等級引継ぎとは

自動車保険の等級引継ぎとは、現在加入している自動車保険の等級(1〜20等級)を、新しい自動車保険に引継げる制度のことです。
自動車保険の等級は、はじめて契約する際は原則6等級から開始し、事故がなければ1年ごとに1等級ずつ上がります。6等級では数%の割引(または割増)ですが、等級が上がるほど保険料の割引率が大きくなり、20等級になると60%以上の割引が適用されます。
しかし、事故を起こして保険を使用すると翌年の等級が3等級もしくは1等級下がり、保険料の割引率が低くなります。
自動車保険の等級は、保険会社を変更する場合や車を買い替える場合、一定の条件を満たすことで引継げます。
自動車保険の等級引継ぎができるケース

自動車保険の等級引継ぎができるケースは、以下のとおりです。
- ほかの保険会社に乗り換える
- 新しい自動車に買い替える
- 配偶者や同居している家族に自動車を譲る
- 一時的に自動車を手放し、将来乗る予定がある
ほかの保険会社に乗り換える
ほかの保険会社に乗り換える際、現在の等級を引き継ぐことが可能です。
日本の多くの損害保険会社や共済の間では、等級や事故履歴の情報を共有・継承できる仕組みが整っています。
現在の保険が満期を迎えるタイミングで他社に切り替える際、前の契約の満期日と新契約の始期日が途切れないように設定すれば、等級は継承されます。
新しい自動車に買い替える
新しい自動車に買い替える際も、自動車保険の等級引継ぎが可能です。
等級は「人(記名被保険者)」の実績に紐づいています。車両入替の手続きをすることで、その人が所有する別の車両に等級(実績)を移すことができます。
たとえば車を廃車・譲渡して新車を購入した場合、各社が定める期限内に手続きをすれば、前の車で適用されていた等級を新しい車に引き継ぐことができます。
配偶者や同居している家族に自動車を譲る
等級は一定の範囲内の親族であれば、割引実績を譲渡することが認められています。等級の引継ぎが認められるのは、「配偶者」と「同居している家族」です。
たとえば、若年層の子どもに親の等級を引き継ぐことで、保険料の負担を抑えることができます。等級を譲った側は、あらためて「新規6等級」で加入する必要があります。
一時的に自動車を手放し、将来乗る予定がある
一時的に自動車を手放しても、将来再び車に乗る予定があれば、自動車保険の等級引継ぎが可能です。
通常、解約日(または満期日)の翌日から起算して8日以上空くと等級はリセットされます。
しかし、中断時に7等級以上であることなどを条件に中断証明書を発行してもらえ、再開時に中断時の等級をそのまま引き継げます
自動車保険の等級引継ぎができないケース

自動車保険の等級引継ぎができないケースは、以下のとおりです。
- 別居している家族に譲る
- 同居している友人に譲る
別居している家族に譲る
別居している家族に等級を譲ることは、原則として認められていません。等級の譲渡が可能な親族の範囲は「配偶者」または「同居の親族」に限定されています。
たとえ実の親子であっても、生活拠点が異なり住民票が別々であれば等級は引継げません。別居している家族には、未婚の子であっても等級は引き継げません(『別居の未婚の子』は家族限定特約など補償対象の範囲には含まれますが、等級引継ぎとは別概念です)
同居している友人に譲る
同居していても、「友人」へ車を譲る場合は、自動車保険の等級は引継げません。自動車保険による等級の引継ぎは「配偶者および親族」間の特例として認められている制度です。
血縁関係や婚姻関係のない第三者間では、同居していても等級を引き継ぐことはできません。たとえば、同居している友人から車を譲り受けたとしても、保険は新規で加入する必要があります。
自動車保険の等級引継ぎの流れ

等級引継ぎ手順は、ケースによって異なります。ここでは、以下のケースについて、自動車保険の等級引継ぎの流れを解説します。
- ほかの保険会社へ乗り換える場合
- 家族間で譲渡する場合
- 一時的に自動車を手放し、将来引き継ぐ場合
ほかの保険会社へ乗り換える場合
ほかの保険会社へ乗り換える際は、前の契約と新契約に「空白期間」を作らないように手続きしましょう。
具体的な手順は以下のとおりです。
- 現在の契約内容を確認: 保険証券や満期の案内で、等級や事故あり係数を正確に把握する
- 新契約への情報入力: 申し込み時に、前の契約の等級や保険証券番号などを入力する
- 日付の設定: 現在の保険の「満期日(解約日)」と新しい保険の「開始日」を同日に設定して申し込む
たとえば、現在の契約の満期が12月31日であれば、新契約の開始も12月31日に設定します。
家族間で車を譲渡する場合
家族間で車を譲渡する際は、車両の名義変更と保険の名義変更を並行しておこないましょう。
具体的な手順は以下のとおりです。
- 保険会社への連絡: 加入中の保険会社に、名義変更を伝える
- 条件の修正と車両名義の変更: 車を譲り受ける家族に合わせて、年齢条件や運転者情報を修正する
なお、 等級を譲った側(親など)がほかの車に乗る場合は、新たに自動車保険への加入が必要になります。このとき、一定の条件を満たせば「セカンドカー割引」が適用され、7等級が適用されます。
一時的に自動車を手放し、将来引き継ぐ場合
車を手放す際に適切な手続きをすれば、再び車を所有したタイミングで以前の等級を引き継ぐことができます。
具体的な手順は以下のとおりです。
- 中断証明書の発行依頼:解約時に、保険会社へ「中断証明書」の発行を依頼する
- 必要書類の提出:登録事項証明書や譲渡証明書の写しなど、車を手放したことが証明できる書類を提出する
- 中断証明書の提示:車を再取得した際の保険加入時に「中断証明書」を提示する
ただし、中断証明書の有効期間は、中断日の翌日から10年間です。
自動車保険の等級引継ぎする際の注意点

注意点を事前に理解しておくと、思わぬトラブルを回避できます。ここでは、自動車保険の等級引継ぎする際の注意点を解説します。
- 等級引継ぎの有効期間は7日以内
- 「事故あり係数」もセットで引き継がれる
- 一部の共済からは引き継げない場合がある
等級引継ぎの有効期間は7日以内
等級を引継げる有効期間は、前の契約の満期日(または解約日)の翌日から「7日以内」と各社の約款で定められています。
1日でも過ぎると、等級はリセットされます。たとえば10等級の人が乗り換え手続きを忘れて有効期限を過ぎると、新規の6等級から開始となります。ただし、1~5等級(デメリット等級)の場合は、解約後13ヶ月以内に新契約を開始しても従前の等級が引き継がれます
「事故あり係数」もセットで引き継がれる
等級引継ぎでは、割引の実績だけでなく「事故あり係数」もセットで引き継がれます。
事故を起こして保険を使った際に適用される「割引率の低い期間(事故あり期間)」の情報は、保険会社間で共有されています。
たとえば3等級下がる事故を起こして「事故あり7等級」になった人が、他社へ乗り換えても「事故なし7等級」にはなりません。乗り換え先の保険会社でも「事故あり」の状態で引継がれ、保険料も合わせて適用されます。
一部の共済からは引き継げない場合がある
加入している「共済」の種類によっては、民間の損害保険会社へ等級を引継げない場合があります。
JA共済やこくみん共済coop(全労済)などは民間との相互引継ぎが可能です。しかし特定の職域向け共済(教職員共済や自治労共済など)は、等級制度の仕組みが異なるため引継ぎが認められないケースがあります。
共済からの乗り換えを検討する際は、現在の共済と新しい保険会社の両方に「等級の継承が可能か」を確認しましょう。
自動車保険の等級引継ぎに関するよくある質問

ここでは、自動車保険の等級引継ぎに関するよくある質問に回答します。
- 等級引継ぎ後、別居した場合はどうなりますか?
- 別居している「未婚の子」には等級を引継げますか?
- 等級を家族に譲ったあと、自分の等級はどうなりますか?
- 中断証明書は他社への乗り換えでも使えますか?
- 自動車の等級をバイクに引き継ぐことはできますか?
等級引継ぎ後、別居した場合はどうなりますか?
等級引継ぎの手続きを完了させたあとに別居した場合、引継いだ等級は維持されます。
自動車保険のルールでは、等級を譲渡する「手続きの瞬間」に同居の実態があることが条件です。
たとえば、同居しているうちに親から子へ等級の引継ぎを済ませれば、子どもが新生活で別居をしても等級がリセットされることはありません。
別居している「未婚の子」には等級を引継げますか?
別居している未婚の子には、自動車保険の等級引継ぎはできません。
家族間譲渡には「同居」が原則です。例外として、配偶者のみ、別居していても等級の引継ぎが認められます。
等級を家族に譲ったあと、自分の等級はどうなりますか?
自動車保険の等級は「車1台につき1つの等級」というルールがあります。そのため、等級を家族に譲った場合、譲った本人は「新規(6等級)」からの再開となります。
たとえば、父親の10等級を子どもに引継ぎ、新しい車で自動車保険に入る場合、6等級からのスタートになります。
中断証明書は他社への乗り換えでも使えますか?
中断証明書は、他社への乗り換え時でも利用可能です。
保険会社が発行する証明書で、多くの損害保険会社・共済間で共通して利用できるため、発行元と異なる保険会社で契約を再開することが認められています。
自動車の等級をバイクに引き継ぐことはできますか?
自動車の等級をバイクに引き継ぐことはできません。自動車保険の等級は、以下の自家用8車種間の乗り換えであれば引き継ぐことが可能です。
- 自家用普通乗用車
- 自家用小型乗用車
- 自家用軽四輪乗用車
- 自家用小型貨物車
- 自家用軽四輪貨物車
- 自家用普通貨物車(最大積載量0.5トン以下)
- 自家用普通貨物車(最大積載量0.5トン超2トン以下)
- 特殊用途自動車(キャンピングカー等)
たとえば、軽自動車から普通車へ乗り換える場合、等級の引継ぎが可能です。
正しい手順で自動車保険の等級を引継ごう!

車の乗り換えや家族間での譲渡の際、自動車保険の等級は引き継ぐことができます。ただし、引継ぎできるのは、配偶者と同居の親族に限られます。
また、前の契約から新しい契約の間に、7日間を超える期間が空いてしまうと、等級の引継ぎができなくなります。
自動車保険の等級の引継ぎは、保険料負担を抑えたい人にとって有効な手段となります。引継ぎのルールを正しく理解し、適切に手続きをおこないましょう。
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