中古マンション購入の注意点|資金計画や物件選び、内見など4段階で解説
編集者:【大阪ガス】Daigasコラム編集部
中古マンションは新築に比べて価格を抑えやすい一方、物件の状態や管理状況、購入後にかかる費用など、事前に確認すべきポイントが数多くあります。
物件選びや契約の段階で注意点を見落とすと、購入後に想定外の出費やトラブルにつながりかねません。
中古マンション購入で後悔しないためには、購入の流れに沿って注意点を押さえることが大切です。
本記事では「資金計画→物件選び→内見→契約」の4段階に分け、中古マンションならではの注意点をわかりやすく解説します。
中古マンションの購入は「4段階」で注意が必要

中古マンションを購入する際は、事前に確認すべきさまざまな注意点があります。
新築マンションと違い、中古マンションは物件ごとに建物の状態や管理状況、築年数などが異なるためです。
中古マンション購入の基本的な流れは、以下の4段階に分けられます。
- 段階①資金計画の注意点|物件価格以外の費用まで見込む
- 段階②物件選びの注意点|見た目や価格だけで決めない
- 段階③内見時の注意点|室内だけでなく共用部まで確認する
- 段階④購入契約時の注意点|書類と条件を十分に確認する
各段階で確認すべきポイントは変わります。
流れに沿って慎重に判断しましょう。
段階①資金計画の注意点|物件価格以外の費用まで見込む

中古マンション購入での失敗を防ぐには、物件価格以外の費用まで見込んだ正しい資金計画が不可欠です。
住宅ローンを「借りられる額ではなく無理なく返せる額」で考えるのは一般的にいわれていますが、中古マンションではさらに独自の費用が加わります。
物件価格だけを見て予算を組むと、購入後に想定外の支出が発生し、家計をひっ迫しかねません。
ここでは、中古マンション特有の資金計画における注意点に絞って解説します。
管理費・修繕積立金は、毎月の固定費として計算する
管理費と修繕積立金は、購入後に毎月発生する固定費です。
住宅ローンの返済額と合算した「月々の支出」の把握が、無理のない資金計画につながります。
管理費とは
管理費とは、マンションの廊下やごみ捨て場などの共用部の維持・管理や管理組合の運営に充てられるお金です。
国土交通省のデータによると、駐車場使用料等からの充当額を含んだ月額の平均は17,103円となっています。
修繕積立金とは
修繕積立金とは、外壁・屋上防水・給排水管など、マンションの大規模修繕に備えて毎月積み立てるお金です。
外壁や屋上防水、給排水管などを対象とした大規模修繕は12〜15年の周期でおこなわれるケースが多くなっています。
駐車場使用料等からの充当額を含んだ月額の平均は13,378円です。
このほか、駐車場代や町内会費などが別途かかる場合もあるため、マンション購入前に月々の支払い総額を確認しましょう。
参照:
国土交通省|令和5年度マンション総合調査結果 P24、25
国土交通省|マンションを取り巻く現状について P18
修繕積立金は将来の値上がりも想定しておく
修繕積立金は、購入時の金額がずっと続くわけではありません。
築年数の経過とともに値上がりするのが一般的であり、現時点の金額だけで資金計画を立てると、購入後に家計が苦しくなるおそれがあります。
修繕積立金の多くは「段階増額積立方式」
多くのマンションでは「段階増額積立方式」が採用されており、5年ごとに積立額が増額される仕組みになっています。
新築時は低い金額で設定されている場合が多く、築15〜20年で2〜3倍、30年の計画期間で約4倍まで増額するケースも珍しくありません。
たとえば、マンション購入時に月1万円だった修繕積立金が、将来的に月3〜4万円になる可能性もあるのです。
月々の支払いを考える際は「現時点の金額」ではなく「将来増えるかもしれない費用」としてとらえましょう。
修繕積立金のリスク
修繕積立金は安ければいい、というわけではありません。
積立額が不足しているマンションでは、大規模修繕の際に、数十万〜100万円超の一時金を徴収されるリスクがあるためです。
物件の購入前には「長期修繕計画書」を見せてもらい、今後の積立金の推移を確認した上で資金計画を立てましょう。
参照:国土交通省|段階増額積立方式を採用しているマンションは早めに均等積立方式に切り替えよう!
リフォーム・リノベーション費用も初期費用に含める
中古マンションを購入する際は、リフォームやリノベーションの費用も初期費用として予算に組み込んでおく必要があります。
中古マンションは購入後にそのまま住めるとは限らず、リフォームや設備の交換が必要になる可能性が高いためです。
特に築古物件では、壁紙や床の張り替えだけでなく、キッチン・浴室・トイレ・給湯器などの設備更新に費用がかかることも少なくありません。
表面上はきれいに見える物件でも、配管の老朽化や断熱材の劣化など、見えない部分の工事が必要になるケースもあり、費用が大幅に膨らむ可能性があります。
「物件が安い分、リフォームに費用をかけられる」という考え方自体は正しいですが、工事費の見積りを取らずに購入すると予算オーバーになりがちです。
購入前にリフォーム会社へ概算見積りを依頼し「物件価格+諸費用+リフォーム費用」の総額での比較・検討をおすすめします。
中古でも固定資産税・都市計画税は毎年かかる
中古マンションでも、新築と同様に毎年「固定資産税」と「都市計画税」が課税されます。
見落としがちな費用ですが、入居後に想定外の支出として家計を圧迫するおそれがあるため、事前の把握が大切です。
ただし、都市計画税は市街化区域内の物件のみが対象なので、郊外などの市街化調整区域では非課税となります。
固定資産税と都市計画税の計算方法は以下のとおりです。
|
固定資産税 |
課税標準額 × 税率(標準税率1.4%) |
|---|---|
|
都市計画税 |
課税標準額 × 税率(制限税率0.3%) ※税率は市町村の条例による |
中古マンションの税額目安は年間10〜20万円程度ですが、物件の評価額や立地によって変動します。
また、戸建て住宅よりもマンションのほうが建物の価値が下がりにくく、固定資産税は高くなる傾向があります。
支払いは年4回で、6月・9月・12月・翌2月など、自治体によって納付月が定められており、一括払いも可能です。
次年度以降は、毎年4月頃に納税通知書が送付されます。
購入年は売主と買主で分担するのが一般的で、引き渡し日以降の分を買主が負担します。
日割り計算で精算するケースもあるため、購入時に条件を確認しましょう。
段階②物件選びの注意点|見た目や価格だけで決めない

中古マンションを選ぶ際は、見た目のきれいさや価格の安さだけで判断してはいけません。
専有部の印象がよくても、建物全体の安全性や管理状態に問題を抱えている可能性があるためです。
駅からの距離やハザードマップといった一般的な立地条件も重要ですが、中古マンションでは特に以下の内容を確認しましょう。
新耐震基準を満たしているか
中古マンションを選ぶ上で、まず確認すべきは「新耐震基準」を満たしているかどうかです。
耐震性は安全性だけでなく、住宅ローンや将来の物件売却にも影響するためです。
耐震基準は「旧耐震基準」と「新耐震基準」の2つに大別されます。
|
項目 |
旧耐震基準 |
新耐震基準 |
|---|---|---|
|
適用時期 |
1981(昭和56)年5月31日以前に建築確認を受けた建物 |
1981(昭和56)年6月1日以降に建築確認を受けた建物 |
|
想定する地震の規模 |
震度5強程度の地震で倒壊しない |
震度6強〜7程度の地震でも倒壊しない |
旧耐震基準の物件は地震時の倒壊リスクに加え、以下のようなデメリットもあります。
- 住宅ローン審査が厳しくなる
- 住宅ローン控除が受けにくい
- 地震保険料が割高になる
- 将来的に売却がしにくい
ただし、旧耐震基準の物件でも「耐震診断」を実施して基準を満たしていれば「耐震基準適合証明書」が発行され、住宅ローン控除などの対象になる場合があります。
価格の安さだけで選ばず、建築確認日と耐震診断の有無を確認した上で、物件の購入を検討しましょう。
マンションは管理を買え|管理組合の運営状況はどうか
中古マンションを選ぶ際は、建物そのものだけでなく、管理組合の運営状況や管理体制を確認しましょう。
不動産業界には「マンションは管理を買え」という格言があります。
これは、建物よりも管理の質が住み心地と資産価値を大きく左右する、ということを示した言葉です。
どんなに立派な建物でも、管理がずさんだと劣化が早まり、住民トラブルも起こりやすくなります。
反対に、築年数が古くても管理が行き届いた物件は、資産価値が落ちにくく長く快適に住み続けられるでしょう。
マンションの管理形態は、主に以下の3種類があります。
- 全部委託管理(管理会社にすべて任せる)
- 一部委託管理(一部だけを外部の会社に委託する)
- 自主管理(住民が運営する)
一般的には、住民負担が少ない「全部委託」が安心です。
住民による「自主管理」は管理費が安い反面、運営の質にばらつきが出やすくなります。
管理組合の運営状況を確認するには、総会が定期的に開催されているか・議事録がきちんと残されているかをチェックしましょう。
修繕積立金の滞納戸数や滞納額が多い管理組合は財務基盤が弱く、将来の修繕に支障が出る可能性があります。
物件選びの段階で管理組合の運営状況を確認し、安心して長く住める物件かどうかを見極めましょう。
長期修繕計画と大規模修繕の実施履歴はどうか
中古マンションを選ぶ際は、現時点の見た目だけでなく、将来に向けた修繕計画と実施履歴を確認することが重要です。
確認すべき資料は、以下の3点です。
- 長期修繕計画書
- 修繕履歴
- 修繕積立金の残高
これらの資料は、不動産会社経由で取り寄せられます。
長期修繕計画とは
長期修繕計画とは、外壁や屋上防水、給排水設備、エレベーターなどの修繕をいつ実施する予定かを示した建物維持の基本資料です。
計画がきちんとつくられ、定期的に見なおされているマンションは、管理意識が高い傾向にあります。
一方で、長期修繕計画が古いまま更新されていなかったり、内容があいまいだったりする場合は注意が必要です。
大規模修繕の実施履歴とは
長期修繕計画とあわせて確認したいのが、過去の大規模修繕の実施履歴です。
計画があっても実行されていなければ建物の劣化は防げません。
計画どおりに修繕されているマンションは、管理意識が高く安心できる物件といえます。
修繕積立金の「残高」と「支出予定」のバランス
修繕積立金の「残高」と「今後の支出予定」のバランスもチェックすべきポイントです。
残高が不足している場合、将来の値上げや一時金徴収につながる可能性があります。
段階③内見時の注意点|室内だけでなく共用部まで確認する

中古マンションの内見では、室内の状態だけでなく共用部までくまなく確認しましょう。
室内は壁紙や設備の状態に目が行きがちですが、リフォームで改善できる部分も多くあります。
一方で、日当たりや騒音、共用部の管理状態は購入後に変えられないため、現地でチェックしておきましょう。
ここからは、内見時に特に注意して見ておきたいポイントを解説します。
日当たり・眺望・騒音は現地でしかわからない
日当たりや眺望、騒音などは、図面やネット上の情報だけでは正確に判断できません。
現地に行って、自分で確かめることが大切です。
たとえば同じ南向きの物件でも、隣接する建物の高さや距離によって室内の明るさは変わります。
周辺の用途地域や空き地の有無から、将来、目の前に新しいマンションが建つ可能性についても確認しておきましょう。
騒音は道路・線路・学校・商業施設・近隣住戸など発生源がさまざまで、現地で体感してみないとわからない要素です。
窓を閉めた状態だけでなく、開けたときの音も確認すると、実際の生活をイメージしやすくなります。
また、平日と休日、昼と夜では周辺の雰囲気が大きく変わります。
可能であれば時間帯を変えて再訪し、生活シーンごとの環境を把握するのがおすすめです。
ごみ置き場・駐輪場・掲示板をチェックする
中古マンションの内見では、以下の3ヶ所をチェックすると、管理状態や住民マナーが見えてきます。
- ごみ置き場
- 駐輪場
- 掲示板
ごみ置き場が整理されているか、分別ルールが守られているかは、居住者の意識や管理の行き届き具合を判断する材料になります。
ごみが散乱していたり、収集日以外にごみが放置されていたりする場合は注意が必要です。
駐輪場では、自転車が整然と並んでいるか、放置自転車やサビついた自転車が多くないかを確認しましょう。
駐輪スペースの数が戸数に対して十分かどうかも、住み心地に影響するポイントです。
掲示板は見落とされがちですが、管理会社からの案内や総会のお知らせ、注意喚起の内容などから、マンションが抱える課題が見えてきます。
「騒音に関する注意」や「マナー違反への警告」が多い物件は、住民トラブルが起こっている可能性があります。
このほか、エントランスや廊下、エレベーター内の清潔さや植栽の手入れ状況も、管理の質を判断する材料です。
共用部全体に目を向けて、安心して暮らせる物件かどうかを見極めましょう。
段階④購入契約時の注意点|書類と条件を十分に確認する

中古マンションの購入契約は、購入の意思を法的に確定させる最終ステップであり、後戻りが難しい段階です。
契約後に「知らなかった」「聞いていなかった」と気づいても、取り返しがつきません。
ここからは、中古マンションならではの購入契約時の注意点を解説していきます。
重要事項説明書は事前に取り寄せて読み込む
重要事項説明書は、契約日の数日前までに取り寄せて、事前にしっかり読み込んでおきましょう。
重要事項説明書とは、宅地建物取引士が契約前に買主へ説明する義務がある書類です。
物件に関する事項と、契約条件に関する重要な情報がまとめられています。
一般的には、契約当日に説明されるケースがほとんどですが、専門用語が多く、その場で十分に理解するのは簡単ではありません。
当日にはじめて読むと、疑問を残したまま契約を進めてしまうおそれがあります。
不動産会社に依頼すれば事前に取り寄せられることが多いため、数日前までに目をとおし、確認事項を整理しておきましょう。
契約不適合責任の期間と範囲は必ず確認する
中古マンションの購入契約では「契約不適合責任」の期間と範囲を必ず確認しましょう。
契約不適合責任とは、引き渡された物件が契約内容と異なる場合に、売主が買主に対して負う責任のことです。
2020(令和2)年の民法改正により、従来の「瑕疵担保責任」から「契約不適合責任」へと変更されました。
具体的には、以下のような内容があげられます。
- 雨漏り
- シロアリ
- 給排水管の故障
- 構造上の欠陥 など
契約書に記載されていない不具合が見つかった場合に、買主は修補や代金減額、損害賠償または契約解除を請求できます。
ただし、不具合を知った日から原則1年以内に売主へ通知する必要がある点に注意してください。
中古マンションでは、売主が「個人」か「不動産会社(宅建業者)」かによって責任の範囲と期間が異なります。
|
売主 |
責任の期間 |
責任の範囲 |
|---|---|---|
|
不動産会社の場合 |
宅建業法宅地建物取引業法により、引き渡しから最低2年間は契約不適合責任を負う義務がある |
契約内容と異なる状態(瑕疵)すべてが対象となる |
|
個人の場合 |
契約で自由に設定できる 「引き渡しから3ヶ月のみ」や「責任をいっさい一切負わない(免責)」とされるケースもある |
特約で限定できる |
購入後のトラブルを避けるためにも、責任の中身を事前に確認することが重要です。
不明点は契約当日ではなく事前に解消しておく
契約内容や物件に関する不明点は、契約当日ではなく、必ず事前に不動産会社へ質問して解消しておきましょう。
一度購入契約を結んでしまうと、買主都合での解約には手付金の放棄が必要になります。
つまり、売主に支払った手付金が没収されます。
一方で、署名前であれば条件の変更交渉や契約の見なおしを求める権利があるため、納得できる状態にしてから契約に臨むことが大切です。
契約当日は説明を受ける情報量が多く、その場で疑問を整理しきれないケースが少なくありません。
あらかじめ重要事項説明書や売買契約書のコピーなどを取り寄せ、疑問点をリスト化しておくとスムーズです。
もし納得できない点があれば、勇気を持って契約の延期や見送りを決断することも必要です。
まとめ

中古マンション購入で後悔を防ぐには、価格や内装の印象だけで判断せず、購入にいたるまでの各段階で注意点を押さえることが重要です。
特に、中古マンションは確認すべき内容が多岐にわたるため、自分だけで判断しようとすると見落としが生じやすくなります。
だからこそ、中古マンションの取引に詳しい信頼できる不動産会社へ相談し、物件選びから契約まで伴走してもらうことが大切です。
中古マンションの購入やリノベーションをご検討中の方は「MYRENO」までお気軽にお問い合わせください。
本記事の情報は記事公開時のものであり、最新の情報とは異なる可能性がございます。本記事に含まれる情報のご利用は、お客さまご自身の責任において行ってください。詳しくは「サイトポリシー」をご確認ください。











