【2025年最新版】関西電力の電気料金の値上げ推移と家庭でできる対策を解説!
編集者:Daigasコラム編集部:電気・ガス担当
2023年以降、関西電力をはじめとした各電力会社の電気料金は、託送料金の見直しや燃料費調整額の上昇などにより、値上げが続いています。また、2025年には政府の補助金が終了し、多くの家庭で電気代の負担をより大きく感じているでしょう。
この記事では、最新の関西電力の料金推移を整理し、電気料金が上がる背景をわかりやすく解説しています。
目次
2025年9月使用分(10月請求分)より値上げを発表

画像出典:日本経済新聞
日本経済新聞の報道(2025年8月28日)によると、大手電力10社は9月使用分(10月請求分)の家庭向け電気代を発表しました。
また、日本経済新聞が平均的な使用量に基づき試算をおこなったところ、8月使用分よりも26〜168円高くなる計算に。政府の補助金が8月使用分と比べて減額されたことが大きく影響した結果、大電力10社すべてで電気代の値上げが予測されています。
関西電力は8月使用分よりも104円高くなる計算となっており、北海道電力の+168円に次いで大手電力10社の中では2番目の値上げ幅となっています。
大手電力10社は28日、9月使用分(10月請求分)の家庭向け電気代を発表した。<中略>平均的な使用量で8月使用分よりも26〜168円高くなる。政府は冷房需要の増える7〜9月使用分に電気・ガス代の補助を出しているが、8月使用分は特に猛暑が予想されていたことから、1キロワット時当たり2.4円と手厚い補助が出ていた。<中略> 10月使用分は補助がなくなる見込みで、月間使用量260キロワット時の場合、520円の値上げ要因となる。
参考:日本経済新聞|4月の電気代、全社で値上がり 政府補助が3月分で終了
2025年の関西電力の値上げ予想

2025年以降も、電気料金は価格変動リスクが高い状況が続くと考えられ、大幅に下がる可能性は低いでしょう。主な原因は以下のとおりです。
- 世界の燃料価格の不安定さ
- 為替レートの変動
- 再生可能エネルギーの導入目標
- 原子力発電の再稼働状況
日本で使用している液化天然ガス(LNG)は、90%以上が海外から輸入した物です。
輸入先の国で液化天然ガスの値段が上がると、燃料の調達に必要なコストも高くなります。その結果、電気料金も値上げされるのです。
世界情勢や技術革新などによって状況が変化する可能性はあるものの、現時点で電気料金が大幅に下がるような兆しはありません。家庭の電気料金を削減したいのであれば、割安な事業者に切り替えるなどの対策が必要です。
近年の関西電力の料金改定情報

ここ数年における関西電力の料金変動の主な原因は、託送料金の変動です。託送料金とは、電気を送る際に使う送配電網の利用料金で、一般送配電事業者が設定します。
この章では、2022年以降の関西電力の料金変動について解説します。
- 【2024年2月】関西電力送配電による託送料金の見直し
- 【2023年5月】託送料金に伴う値上げと燃料費調整額の上限撤廃
- 【2022年7月】各プランの料金改定を発表
①【2024年2月】関西電力送配電による託送料金の見直し
関西電力は、2024年2月6日に電気料金の改定を発表しました。グループの送配電会社である関西電力送配電が託送料金を見直したためです。
この見直しにより、各電気料金プランの最低料金は引き上げられ、電力量料金単価は引き下げられました。たとえば「従量電灯A」の場合、15kwhまでの最低料金が433.41円から522.58円まで引き上げられています。
一方で電力量料金(電気を使った分だけ請求される料金)は引き下げられており、全3段階でそれぞれ1kwhあたり0.1円ほど値下げされました。公式サイトのモデルケースによると、1ヶ月260kWh使うご家庭の場合、見直し前の電気代は6,110円、見直し後は6,175円になるとのことです。
なお、電気の使用状況によって値上げによる影響は異なります。シミュレーションや実際の請求金額を確認しながら、家計への影響を確かめてみてください。
②【2023年5月】託送料金に伴う値上げと燃料費調整額の上限撤廃
関西電力は、2023年5月分より託送料金に伴う料金改定を実施しました。その結果、「従量電灯A」などの一般家庭向けのプランで電気料金が値上げされました。同時に、以下のプランにおいて自由料金の燃料費調整額の上限を撤廃しています。
- 深夜電力
- 第2深夜電力
- 低圧季時別電力
- 融雪用電力
燃料費調整額は、発電に必要な液化天然ガス(LNG)などの燃料の価格変動を電気料金に反映させるためのものです。毎月変動し、燃料費が基準価格より低い場合は電気料金から差し引かれ、高い場合は上乗せされます。
燃料費調整単価の算出に用いる平均燃料価格には「基準燃料価格の1.5倍」という上限が設定されています。燃料価格の大幅な上昇から消費者を保護するための制度です。
ただし、電力自由化後に設けられた「自由料金」は、各社の判断で値上げできます。
③【2022年7月】各プランの料金改定を発表
関西電力では、2022年7月分の一部の電気料金を値上げしています。2022年6月分と7月分の燃料費調整単価は、平均燃料価格が基準燃料価格を上回ったためプラス調整となりました。
その結果、各料金プランは以下のように改定されました。
| プラン | 改定ポイント |
|---|---|
| はぴeタイム(はぴeプラン) | ・基本料金は変更なし
・デイタイムとリビングタイムの電力量料金は値下げ ・ナイトタイムの電力量料金は値上げ |
| 時間帯別電灯 | ・基本料金は変更なし
・昼間時間の電力量料金は値下げ ・夜間時間の電力量料金は値上げ |
| 深夜電力A | 定額部分の料金が値上げ |
| 深夜電力B | ・基本料金は変更なし
・電力量料金は値上げ |
また、この改定により、深夜運転機器を対象とした割引を廃止しています。そのため、昼間の電力使用が多い家庭は電気料金が下がり、夜間の使用が多い家庭は電気料金が上がっています。
電気料金が値上げされる原因

電気料金が値上げされる原因は主に以下の4つが考えられます。
- 再生可能エネルギー発電促進賦課金の単価が上がったため
- 燃料費調整額が上昇したため
- 国内の電力供給不足のため
- 政府の補助金が終了したため
①再生可能エネルギー発電促進賦課金の単価が上がったため
電気料金が値上げされる原因のひとつに、再生可能エネルギー発電促進賦課金(以下、再エネ賦課金)の値上げがあります。
再エネ賦課金とは、太陽光や風力などの再生可能エネルギーで発電した電気を、一定期間固定された価格で電気事業者へ買い取ることを義務づける制度です。買い取りにかかった費用は「再エネ賦課金」として電気の使用量に応じて消費者が負担します。
電力中央研究所「2030 年における再生可能エネルギー導入量と買取総額の推計」によると、再エネ賦課金は、2019年で約2.95円/kwhでした。2030年には、約3.5〜4.1円/kWhに上昇すると予想されています。
再エネ賦課金の上昇は、環境負荷の低減やエネルギー自給率の向上のために必要です。一方で、家庭の電気代の負担を増やす要因にもなります。
②燃料費調整額が上昇したため
燃料費調整額は、発電に必要な液化天然ガス(LNG)などの燃料の価格変動を電気料金に反映させるためのものです。単価は電力会社によって異なり、公式ホームページにて公開されています。
たとえば、関西電力の場合は以下のとおりです。
| 燃料費調整単価 | 単価差 | ||
| 2025年7月 | 2025年8月 | ||
| 15kWhまで | 33円66銭 | 3円66銭 | ‐30円 |
| 16kWhから | 1kWhごとに0円24銭 | 1kWhごとに2円24銭 | -2円 |
参照:関西電力「燃料費調整単価のお知らせ(2025年8月分)」
近年では、火力発電の燃料である液化天然ガス(LNG)や石炭・原油などの価格が不安定な状態が続いているため、発電に使用する原材料の価格も世界的に上がっています。
日本の電気事業者が発電している電気の多くは石炭や液化天然ガス(LNG)などを燃料とした火力発電です。全体の発電電力量に対して、石炭は31.2%、液化天然ガスは33.7%を占めています。さらに、ほとんどの燃料を海外から輸入しているため、石炭や液化天然ガスが高騰すると、電気料金も上がるしくみです。
特に、2022年2月以降は、ロシアのウクライナ侵攻の影響で、世界的に液化天然ガス(LNG)の価格が上がり続けています。
③国内の電力供給不足のため
国内の電力供給能力の低下も、電気料金が上がる原因のひとつです。
日本のエネルギー自給率は、2022年度で12.6%しかありません。エネルギー消費大国であるにもかかわらず、ほとんどを輸入に頼っています。そして、島国である日本は、隣国から送電線をとおして電気を購入するのも簡単ではありません。
日本では、1980年頃から原子力発電を導入し、エネルギー自給率が上昇していました。しかし、東日本大震災による原子力発電所事故の影響で、現在のシェア率は大きく低下しています。日本の発電電力量に占める原子力発電のシェア率は以下のとおりです。
| 年度 | 原子力発電のシェア率 |
|---|---|
| 2010年度 | 25.1% |
| 2011年度 | 9.3% |
| 2012年度 | 1.5% |
| 2013年度 | 0.9% |
| 2014年度 | 0% |
| 2023年度 | 8.5% |
原子力は、国内保有燃料だけで発電が維持できるエネルギー源として、安定供給性に優れた電源です。
しかし、2011年の東日本大震災における原子力発電所の事故をきっかけに、国内のすべての原子力発電所が一時停止しました。。現在では再稼働の機運が高まっているものの、大きな事故が起こってしまった以上、震災が起こる前の状態に戻すのは簡単なことではありません。
このような背景で、国内の電力供給が不足し、結果として円安の状況下でも海外からの輸入に頼らざるを得ないような状況になっています。
④政府の補助金が終了したため
2024年に「電気・ガス料金負担軽減支援事業」が終了したことも、電気料金の値上げにつながりました。
「電気・ガス料金負担軽減支援事業」とは電気やガス料金の支援をとおして、家計や企業の負担軽減を目的にした措置です。
2025年1月〜3月使用分の電気料金は、補助金の適用により価格が引き下げられていました。しかし、2025年4月使用分から事業が終了し、本来の価格に戻ったため、電気料金が値上がりしたと感じる人が増えています。
冷房機器の使用などで電気使用量が多くなる2025年7月〜9月使用分には「電気・ガス料金負担軽減支援事業」が再開されるものの、終了後は再び電気料金の値上がりを感じるでしょう。
家庭でできる電気料金の値上げ対策

家庭でできる電気料金の値上げ対策を紹介します。
- 電力会社・プランの見直し
- 電力使用量の見直し
- 省エネ家電の活用
- 太陽光発電の導入
- 断熱性能の高い窓ガラスの導入
①電力会社・プランの見直し
まずは、電力会社やプランを見直してみましょう。複数の料金プランを設定している電力会社も多いため、家庭の電気の使用状況に合ったプランを選んでください。
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②電力使用量の見直し
電力使用量の適切な管理も、電気料金の負担を軽減するために有効です。毎月の電力使用量を確認することで、節電への意識が高まります。
③省エネ家電の活用
現在使っている古い家電を最新の省エネモデルに買い替えると、電気料金を削減できる可能性が高まります。
「省エネルギーラベリング(省エネラベル)制度」とは、日本工業規格(JIS)によって導入された制度です。家庭で使用される製品を中心に、省エネ法で定めた「省エネ性能の向上を促すための目標基準」を達成しているかどうかを製造事業者が「省エネルギーラベル」に表示します。
省エネルギーラベルは、主に以下の家電に表示されています。
- エアコン
- 照明器具
- テレビ
- 炊飯器
- 電子レンジ
2013年と2023年の省エネタイプ(多段階評価★3.0以上)のエアコンの年間消費電力量と電気料金を、以下のように比較しました。年間電気料金は、年間消費電力量に電力料金目安単価31円/kWh(税込)をかけて算出しています。
| 年間消費電力 | 年間電気料金 | |
| 2013年モデル | 903kWh/年 | 27,993円 |
| 2023年モデル | 769kWh/年 | 23,839円 |
このシミュレーションからもわかるように、省エネ家電を活用すると電気料金の削減が期待できます。長期間使っている家電があるご家庭は、省エネ家電への買い替えを検討してみてください。
④太陽光発電の導入
太陽光発電による電力の自家消費も電気料金削減の手段として効果的です。
電力会社から購入する電気は、使用量が多いほど電気料金が高くなります。しかし、太陽光発電を導入すれば、太陽光でつくった電気を無料で使用できます。太陽光発電で電気を自給自足した分の電気は電力会社から買わずにすむため、電気料金の削減につながるでしょう。
また、太陽光発電の電気で使用した電気に対しては、電力会社が設定する再エネ賦課金や燃料費調整額の影響は受けません。設置費用と天秤にかける必要はあるものの、導入によって電気代の節約が期待できます。
⑤断熱性能の高い窓ガラスの導入
窓の断熱性能を上げると、節電につながります。
たとえば、既存の窓の内側に新たな窓を取りつけて「複層ガラス構造」にすると、熱の出入りを防ぎ、冷暖房効率がアップします。そのため、エアコンの使用量が減り、電気代の削減につながるでしょう。「複層ガラス構造」とは、2枚以上のガラスの間に空気層を設けた構造です。
住宅のリノベーションや新築を検討している方にはおすすめの節電方法です。
関西電力の値上げに備えよう

関西電力の電気料金は、託送料金の見直しや燃料費の高騰、政府補助金の終了などが原因で上昇傾向にあります。
2023年以降の値上げ推移は、家庭の電気代に大きな影響を与えています。この記事では、関西電力の値上げの背景や今後の動向を整理し、各家庭で実践できる節電対策や電気代見直しのポイントについて解説しました。
今後も電気料金の動向を注視し、計画的なエネルギー管理をしましょう。
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