持病があっても入れる保険とは?種類とメリット・デメリット、選び方を解説

監修者:松田 聡子(ファイナンシャルプランナー)

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「持病があるから、どうせ保険には入れない」とあきらめている方もいるのではないでしょうか。

実は、高血圧・糖尿病・心臓病といった持病や既往歴のある方でも加入できる保険はあるのです。最近では審査基準を緩和した「引受基準緩和型保険」や、告知が不要な「無選択型保険」など、健康状態に不安がある方向けの選択肢が広がっています。

この記事では持病があっても入れる保険の種類や仕組み、メリット・デメリット、失敗しない選び方のポイントなどを解説します。なお、特に断りがない限り、この記事で扱う持病があっても入れる保険は、「死亡保険」を指します。

※本記事の情報は2026年3月現在のものです。保険商品の詳細は各保険会社の最新情報をご確認ください。

この記事の監修者:松田 聡子(ファイナンシャルプランナー)

持病(既往歴)があっても保険には入れる

持病があると生命保険に入れないと思われがちですが、現在は持病がある方向けの商品も多く、必ずしも加入をあきらめる必要はありません。また、持病があっても症状が安定・軽微であれば、通常の保険に特別条件付きで加入できる場合もあります。

「持病があるから入れない」と決めつけず、自分の健康状態に合った保険を順番に検討していくと、適切な保障を確保できる可能性は十分にあるのです。

持病(既往歴)があると保険に入りづらくなる理由

なぜ持病があると、通常の生命保険への加入が難しくなるのでしょうか。その背景には、保険の公平性という考え方があります。

持病(慢性疾患・基礎疾患)の定義と代表的な病気

持病とは一般的に、長期にわたって治療や管理が必要な慢性疾患・基礎疾患のことです。一時的なかぜやけがとは異なり、継続的な医療関与が必要な病気が該当します。

代表的な持病には、以下のようなものがあります。

  • 高血圧症
  • 高脂血症
  • 糖尿病
  • 心臓病(狭心症・心筋梗塞・不整脈など)
  • ぜん息
  • うつ病・統合失調症などの精神疾患
  • 痛風など

持病は治療が必要な状態が長期間続く特徴があり、日常生活や健康管理に影響を及ぼします。

持病があると保険加入や契約内容にどう影響する?

持病がある場合、告知内容に基づいた診査が行われ、加入の可否や契約条件が決定されます。通常、生命保険に加入する人には、健康状態を保険会社にありのままに申告する「告知義務」があります。生命保険の診査は、加入者間の公平性を保つためのプロセスです。健康状態や職業リスクに応じた保険料を設定し、リスクが高めの方と低めの方の負担を公平に保っています。そのため、持病がある場合は加入を断られるケースがあるのです。持病がある場合、引受診査の結果によって次のような対応が取られます。

審査結果 内容
通常加入 症状が軽微・安定しているなど、条件なしで加入できる
特別条件付き加入 保険料の割増/保険金の削減など、何らかの条件を付けて加入を承認
引受不可(謝絶) 病状が重篤・治療中などの理由で、加入を断られる

引受の基準は保険会社によって異なるため、同じ病気でも断られるケースも加入できるケースも考えられます。

持病があっても入れる3つの保険

持病がある方が加入できる可能性のある保険には、大きく分けて3つの種類があります。

【持病があっても入れる3つの保険】

  通常の保険(特別条件付き) 引受基準緩和型保険 無選択型保険
告知項目数 10項目前後 3〜5項目程度 不要
保険料 最も安い やや割高 最も割高
保障内容 最も手厚い やや限定的 最も限定的
支払削減期間 原則なし 商品によりあり 商品によりあり
加入しやすさ やや難しい 加入しやすい 最も加入しやすい

特別条件付きの保険

持病があっても症状が安定している、もしくは軽度の場合は、割増保険料や保険金額の削減のような条件付きで通常の生命保険に加入できるケースがあります。持病があると最初から通常の保険をあきらめがちですが、まずはこの選択肢の確認から始めましょう。

【メリット】一般的に緩和型や無選択型より保険料が安い

通常の保険に特別条件が付いた場合、一般的に引受基準緩和型・無選択型と比べて保険料が安く、特約の種類も豊富です。1社で断られても引受基準は各社で異なるため、別の保険会社では加入できる可能性があります。

【デメリット】保険金を削減される場合がある

保険金の削減が条件となった場合、契約から一定期間内は受け取れる保険金が削減されます。

告知項目が少ない「引受基準緩和型(限定告知型)保険」

引受基準緩和型保険(別名:限定告知型保険)とは、通常の保険より審査基準を緩くした保険です。一般的な生命保険の告知項目は10項目前後あるのに対し、引受基準緩和型では3〜5項目程度に絞られています。

すべての告知項目に「いいえ」と答えられれば、基本的に加入できます。以下は、引受基準緩和型の告知項目の一例です(保険会社によって異なります)。

  1. 最近3ヵ月以内に、医師から入院・手術・先進医療をすすめられましたか?
  2. 過去2年以内に、入院または手術をしましたか?
  3. 過去5年以内に、がん・肝硬変・統合失調症・認知症で医師の診察(検査・治療・投薬含む)を受けましたか?

【メリット】告知事項が少なく加入しやすい

通常の保険で断られた方でも、3〜5項目の告知をクリアできれば加入できる可能性があります。高血圧や糖尿病などで治療中の方でも加入できるケースが多く、持病がある方にとって現実的な選択肢です。

【デメリット①】支払削減期間が設定される場合がある

引受基準緩和型保険では、契約後1〜2年程度の「支払削減期間」が設けられている場合があります。期間終了後は満額の保険金が支払われます。

【デメリット②】一般の保険に比べ保険料が割高

保険会社にとって保険金の支払いリスクが高くなるため、通常の保険より保険料が割高に設定されています。長期間支払い続けられる保険料かどうかも、選ぶ際の重要な判断基準です。

告知や診査が不要な「無選択型(無告知型)保険」

無選択型保険は健康状態の告知や医師の診査が一切不要で、原則として誰でも申し込める保険です。引受基準緩和型でも加入できない重篤な持病のある方や、高齢で審査が難しい方向けの選択肢といえます。

【メリット】告知事項がなく誰でも申し込める

健康状態にかかわらず申し込めるため、他のどの保険にも加入できなかった方でも検討できます。

【デメリット①】支払削減期間が設定される場合がある

一部の無選択型保険では、契約から一定期間は保険金が削減される支払削減期間が設けられています。

【デメリット②】一般の保険に比べ保険料が割高

引受基準緩和型よりもさらに保険料が高く設定されているため、保障と保険料のバランスを慎重に検討する必要があります。

持病がある方はどの保険に入るべき?選び方を解説

持病がある方が生命保険の加入を検討する場合、どの保険を選べばよいでしょうか。ご自身の健康状態に合った保険を見つけるためのポイントを確認しましょう。

持病がある方の失敗しない保険選びのポイント5つ

持病があって生命保険の加入を希望する場合、保険選びの以下のポイントを押さえておきましょう。

  1. 最初からあきらめず通常の保険から検討する:保険料が安く特約も豊富な通常の保険に、特別条件付きで入れないかまず確認する
  2. 告知項目の内容を複数社で比較する:保険会社によって告知項目や引受基準が異なるため、自分の健康状態で加入できる保険会社を探してみる
  3. 支払削減期間や保障対象外の期間を確認する:契約初期の免責期間(保険金が支払われない期間)・削減期間の有無と長さを必ず確認する
  4. 保険期間をチェックする:保障の必要性に応じて、終身保険か定期保険を選ぶ
  5. 保険料と保険金額のバランスを長期的に考える:必要な保険金額が確保でき、家計に無理のない保険料設定を選ぶ

いずれにしても各保険会社の引受基準などを、保険契約者が知るのは難しいといえます。持病があっても保険に入りたい場合、まずは複数の保険会社を取り扱うFP(ファイナンシャルプランナー)などに相談し、ご自身の健康状態に合った選択肢をアドバイスしてもらうとよいでしょう。

健康状態が改善された方は通常の保険

過去に持病があっても、現在の健康状態が安定していたり、病気が完治したりしている場合には、通常の保険に加入できる可能性があります。たとえば「過去5年以内に治療を受けたか」が告知項目の場合、5年以上前に完治していれば基本的に告知は不要です。

緩和型・無選択型に加入する前に、まず通常の保険を検討することで、より安い保険料・手厚い保障を確保できる可能性があります。

持病や病歴がある方は引受基準緩和型保険

現在も通院・投薬が続いている、あるいは過去の入院・手術歴がある方は、通常の保険の診査に通らない可能性があります。そのような場合は、引受基準緩和型保険が現実的な選択肢です。

高血圧・糖尿病などで治療中でも告知項目をクリアできる場合が多く、保険料も無選択型と比べて抑えられています。

重い持病がある方は無選択型保険

健康状態が悪く、引受基準緩和型保険にも入れない方は、無選択型保険が最終的な選択肢となります。ただし、保険料が高く保障が限定的なため、本当に必要な保障をしっかりと見極めたうえで検討しましょう。

告知義務違反は絶対NG!持病がある方が保険を申し込むときの注意点

持病があっても入れる保険だからといって、申し込みの際に必要な告知が免除されるわけではありません。告知項目にはありのままを答え、持病を隠して加入する(告知義務違反)のは絶対にやめましょう。

虚偽の申告は絶対にNG!正確な告知の重要性

「持病を隠して申し込めば加入できるのではないか」と考える方もいるかもしれません。しかし、これは絶対に避けるべき行為です。

保険法に基づき、加入者には健康状態をありのままに告知する義務(告知義務)があります。告知義務違反が発覚した場合、営業職員などから告知をしないことを勧められた場合などを除き、契約が解除となり、保険金が受け取れない可能性があります。また、告知義務違反によって契約が解除されると、払い込んだ保険料は返還されません。

加入後も定期的に健康状態と保険を見直す

持病が完治したり、長期間症状が安定したりした場合は、より条件の良い通常の保険へ乗り換えられる可能性があります。

引受基準緩和型・無選択型は保険料が割高で保障内容が限定的な場合もあるため、健康状態が改善した際には見直しを検討してみましょう。定期的に健康診断を受け、通常の保険に加入できる見込みがあれば、乗り換えも有効な選択肢といえます。

緩和型は加入できない可能性も

引受基準緩和型保険は通常の保険より加入のハードルは低めですが、必ず加入できるとは限りません。病状が重篤な場合や、緩和型の告知項目に該当する状況であれば、診査に通らない可能性もあります。

緩和型保険に加入できない場合は、無選択型保険の活用も含めて他の対策も検討しましょう。

よくある質問

持病があっても入れる保険についてのよくある質問に回答します。

Q. 持病があっても入れる保険は誰でも入れますか?

引受基準緩和型保険は、告知項目にすべて「いいえ」と答えられれば基本的に加入できますが、健康状態によっては加入できないケースもあります。

無選択型保険は告知が不要なため、年齢などの条件が合えば最も加入しやすい選択肢といえます。

いずれの保険も「必ず誰でも入れる」とは言い切れません。ご自身の健康状態・年齢に合った商品を選ぶことが重要です。判断が難しい場合は、保険を取り扱うFPへ相談するのもひとつの方法です。

Q.持病がある場合、保険料は高くなりますか?

保険の種類によって異なります。通常の保険に特別条件付きで加入できる場合は、割増保険料が設定されることがありますが、引受基準緩和型・無選択型に比べれば割安なケースが多いといえます。

また、通常の保険に特別条件なしで加入できる場合もあります。引受基準緩和型の保険料は通常の保険より割高、無選択型はさらに割高です。

持病がある方は「まず通常の保険→引受基準緩和型→無選択型」の順で検討し、できるだけ保険料を抑えた選択をするようにしましょう。

Q.持病のことを告知せずに申し込んでもいいですか?

持病を隠した申し込みは絶対にしてはいけません。

故意または重大な過失によって事実と異なる告知をした場合は告知義務違反となり、保険契約が解除されたり、保険金が受け取れなくなったりするリスクがあります。

また、それまで支払った保険料は戻りません。自分の健康状態に合う保険に申し込み、事実をありのまま告知するようにしましょう。

まとめ

持病があっても保険加入をあきらめる必要はありません。検討の際は、「一般保険(通常の保険)」→「緩和型」→「無選択型」の順でチェックしていくようにしましょう。

保険会社ごとの引受基準を個人で調べるのは簡単ではありません。その場合、無料のFP相談を活用して、ご自身に最適な方法をアドバイスしてもらうのも一つの方法です。ご自身の健康状態に合った保険を選びましょう。

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松田 聡子(ファイナンシャルプランナー)
監修者
松田 聡子(ファイナンシャルプランナー)
群馬FP事務所代表。大学卒業後、IT企業でエンジニアとして15年間勤務し、金融システムや物流システムの開発に従事。その後、国内生命保険会社へ法人コンサルティング営業職に転身し、2009年に独立系ファイナンシャルプランナーとして開業。以後、個人向けマネー相談や企業向けコンサルティングのほか、企業型確定拠出年金導入企業向け従業員研修の講師などに携わる。2020年より金融経済ライターとしても経済メディア、メガバンクオウンドメディアなどに実務経験を活かした記事を寄稿。

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