太陽光発電の電磁波は人体に影響する?健康被害のリスクや対策方法について解説
編集者:【大阪ガス】Daigasコラム編集部
「太陽光発電から電磁波が出るのは本当?」
「人体への影響はある?危険性は?」
太陽光発電から電磁波が出ると聞いて、人体への影響を心配する人は多いでしょう。健康リスクを懸念し、導入をためらう人もいますよね。
結論として、太陽光発電の電磁波が人体に悪影響を及ぼす可能性は低いです。2025年現在、多くの研究機関や国際機関が、人体に有害な影響を与える可能性は低いと評価しています。
本記事では、太陽光発電と電磁波の関係について解説します。電磁波の発生源や健康リスクについても紹介するので、参考にしてください。
目次
太陽光発電の電磁波が人体に影響する可能性は低い
結論として、太陽光発電から発生する電磁波は極めて微弱であり、人体に悪影響を及ぼす心配はほとんどありません。
太陽光発電のパワーコンディショナから出る電磁波は、約7μT※1(マイクロテスラ)※2とされています。電磁波の強さは、身の回りの家電製品と同程度です。
また、WHO(世界保健機関)※3は、電磁波と健康被害の因果関係は考えにくいという見解を示しています。太陽光発電の電磁波による健康リスクは、極めて低いと言えるでしょう。
※1 参考:経済産業省「電磁界と健康」
※2 マイクロテスラ(μT):電流が流れている場所に発生する磁界の大きさを表す単位
※3 参考:電磁界情報センター「世界保健機関ファクトシート集」
電磁波の健康リスク
人間が長期間電磁波を浴びることで生じる健康リスクは、2025年現在立証されていません。WHO※1は「身の回りにある電磁波と疾病の因果関係は考えにくい」という見解を示しています。
一方、特定の条件下において、電磁波が人体に影響するのは事実です。人間が一度に1,000μT以上の電磁波を浴びると、神経や筋肉に刺激が生じることが科学的に立証※2されています。
しかし、発電設備や家電製品から発生する電磁波は、健康への影響を考慮した規制値※2が設けられています。日常生活で一度に強力な電磁波を浴びることは、ほとんどありません。
※1 参考:電磁界情報センター「世界保健機関ファクトシート集」
※2 参考:中部電力
電磁波とは?太陽光発電との関係性について解説
電磁波とは、電気が流れる際に発生する波状のエネルギーです。空間を伝わる電気の波(電界)と磁気の波(磁界)が相互に影響しあい、光速で広がる性質を持ちます。
電磁波は、大きさ(波長)や波の数(周波数)によって性質が異なります。例えば、波長の長い電波は通信に利用されたり、波長の短いX線は医療現場で活用されています。
太陽光発電が発する電磁波は、一般的な家電製品と同程度の非常に微弱なレベルです。人体に影響を及ぼすことは、ほとんどありません。
太陽光発電の電磁波はどこから発生する?

※画像はDaigasコラムが作成
太陽光発電の電磁波は、主にパワーコンディショナから発生します。太陽光パネルや接続箱といった設備から、電磁波が発生することはほとんどありません。
本項では、太陽光発電の電磁波がどこから発生するのか、理由や仕組みについて解説します。
電磁波の発生源はパワーコンディショナ

※画像はDaigasコラムが作成
太陽光発電から電磁波が発生する原因は、パワーコンディショナにあります。パワーコンディショナとは、発電した直流電流を家庭で使える交流電流に変換する機械です。
発電した電力を変換する際、パワーコンディショナの周囲に電磁波が生じます。発生する電磁波は極めて弱く、人体に直接的な影響を与える可能性は低いです。
ただし、設備の周辺に通信機器がある場合、電磁波によるノイズが発生する可能性があります。設備設置の際は、通信機器から3m程度距離を取ることが推奨※されています。
太陽光パネルから電磁波は発生しない

※画像はDaigasコラムが作成
太陽光パネル本体から、電磁波が発生することはほとんどありません。発電時に生じる電気は、すべて直流だからです。
電磁波は、電流の流れる向きや大きさが変化した際に発生します。直流の電流は向きや大きさが常に一定のため、電磁波はほとんど発生しません。
また、太陽光パネルに直流を交流へ変換する機能は備わっていません。太陽光パネル本体に、電磁波を発生させる力はないといえます。
接続箱本体から電磁波は発生しない

※画像はDaigasコラムが作成
太陽光発電の接続箱からも、電磁波が発生することはほとんどありません。接続箱を通る電流は、太陽光パネルから送られた直流の電流だからです。
接続箱の役割は、太陽光パネルで作られた電気を1つにまとめて、パワーコンディショナに供給することです。接続箱では電力が変換されないため、電磁波が発生することはありません。
ただし、パワーコンディショナと接続箱が一体となった製品からは、電磁波が発生する可能性があります。設備導入の際は、製品仕様の事前確認が必須です。
太陽光発電の電磁波による健康リスクはほとんどない
結論として、太陽光発電から発生する電磁波による健康への影響はほとんどありません。
- 日本では電磁波の規制値が定められている
- 家電製品との電磁波量比較
本項では、太陽光発電の電磁波が人体に影響を及ぼさない理由について解説します。
日本では電磁波の規制値が定められている
日本では、発電設備から発生する電磁波を、200μT※1以下に抑えるよう定めています。電磁波の規制値は、国際非電離放射線防護委員会(ICNIRP)※2の指針に基づくものです。
ICNIRPのガイドラインは、国際的な安全基準として世界各地で採用されているのが特徴です。世界各国で販売される太陽光発電設備は、規制値に準拠して製造されています。
また、電磁波の規制値は、健康リスクが懸念される値よりもはるかに低い値が設定されています。発電設備から発生する電磁波が人体に悪影響を及ぼすリスクは、極めて低いと判断できます。
※1 参考:ICNIRPガイドライン
※2 国際非電離放射線防護委員会(ICNIRP):電磁波に関連する生物影響を調査し、健康影響の防止活動を実施する専門機関
家電製品との電磁波量比較

※参考:経済産業省「電磁界と健康」
パワーコンディショナから発生する電磁波の強さは、掃除機や電気カーペットなどの家電製品と同等レベルにとどまります。
例えば、掃除機や電気毛布からは約3.2μT、電気カーペットからは約12.2μTの電磁波が発生します。いずれも規制値の200μTを大きく下回るため、健康リスクはほとんどないと言えます。
太陽光発電の電磁波対策方法3選
太陽光発電から発生する電磁波が、人体に影響を与えることはほとんどありません。しかし、電磁波が発生すると知り、自宅や周囲への影響がないか不安に思う人もいますよね。
- パワーコンディショナを屋外に設置する
- ノイズフィルタ・シールドケーブルを導入する
- 業者に電磁波測定を依頼する
本項では、電磁波の混線や増幅を防止するための対策方法を3つ紹介します。
パワーコンディショナを屋外に設置する
太陽光発電の電磁波が気になる人は、パワーコンディショナを屋外に設置するのがおすすめです。電磁波の発生源を居住空間から遠ざけられるため、影響を低減できます。
パワーコンディショナは、防水性・耐候性に優れたモデルが主流です。長期間の屋外利用にも対応しているため、安心して設置できます。
ただし、設備を屋外に設置した場合、運転音による騒音トラブルが懸念されます。設置場所を選定する際は、施工業者と相談のうえ近隣住宅と5~10m程度の距離を取りましょう。
ノイズフィルタ・シールドケーブルを導入する
発電設備から放出される電磁波を軽減するなら、ノイズフィルタ※1やシールドケーブル※2の導入が効果的です。
電磁波対策を施すことで、テレビやラジオ、無線機器との混線リスクを予防できます。周囲に防災無線や放送局がある住宅は、トラブルに発展しないよう対策を講じておくと安心です。
また、既に太陽光発電設備を導入済みの住宅でも、フィルタやケーブルを後付けできます。パワーコンディショナの交換を伴わず、電磁波を対策できるのは大きなメリットです。
※1 ノイズフィルタ:不要な電気信号を除去し、機器の誤動作を防止する部品
※2 シールドケーブル:電磁波の放出や外部からの干渉を防ぐ構造を持つ電線
業者に電磁波測定を依頼する
電磁波の影響が心配な人は、施工業者に電磁波測定を依頼するのがおすすめです。実際の数値が分かれば、健康リスクに対する不安を払拭できます。
電磁波の発生状況によっては、設備の位置変更やノイズ対策の提案を受けられます。周辺設備との混線トラブルを防止できるため、安心して太陽光発電を運用できます。
電磁波に対する不安がある人は、導入前に施工業者に相談しましょう。知識豊富な専門家から、設備導入のアドバイスを受けられます。
太陽光発電における電磁波以外のリスク
太陽光発電には、電磁波の発生以外にも様々なリスクが存在します。予期せぬトラブルに発展しないよう、対策を講じる必要があります。
- 発電設備の運転による騒音問題
- 太陽光パネルの反射光によるトラブル
- メンテナンス不備による事故の発生
本項では、太陽光発電の運用におけるリスクと対処方法について解説します。
発電設備の運転による騒音問題
| 家電製品 | 騒音レベル(dB) |
|---|---|
| パワーコンディショナ | 30~35dB |
| エアコン | 41~59dB |
| 換気扇 | 42~58dB |
| 風呂・給排水音 | 57~75dB |
※参考:パナソニック株式会社「よくある質問」
※参考:東京都環境局「生活騒音」
太陽光発電には、発電設備の運転による騒音リスクが存在します。パワーコンディショナからは、30〜35dB※1程度の運転音が発生します。
設備の運転音は、エアコンの室外機や換気扇※2と同程度のため、日常生活に影響を与えることはほとんどありません。ただし、住宅密集地や閑静な住宅街では近隣への配慮が重要です。
設置場所を工夫すれば、運転音の影響を抑制できます。パワーコンディショナは、隣家から5〜10m程度の距離を確保して設置しましょう。
※1 参考:パナソニック株式会社「よくある質問」
※2 参考:東京都環境局「生活騒音」
太陽光パネルの反射光によるトラブル

※参考:太陽光発電協会
反射光による近隣住民とのトラブルは、太陽光発電の運用リスクのひとつです。太陽光パネルの設置場所・角度によっては、反射光が近隣住宅に差し込む可能性があります。
太陽光パネルを屋根の北面・東西面に設置した場合、太陽光は地上や隣家に向かって反射します。不快な眩しさや室温上昇といった生活被害に発展するかもしれません。
設備導入の際は、反射光のシミュレーションを実施し、近隣に光害が発生しないか確認しましょう。施工業者に依頼してパネルの位置や角度を調整すれば、トラブルを防止できます。
メンテナンス不備による事故の発生
メンテナンスを怠ると、設備の劣化による事故が発生する可能性があります。配線の劣化による漏電や火災、パネルの落下といったリスクがあるため、非常に危険です。
住宅用の太陽光発電は、2017年から3~5年に1回の定期点検が義務化※1されています。点検の実施状況によってFIT制度※2の認定が取り消されるおそれがあるため、メンテナンスは欠かせません。
定期メンテナンスは、安全性の確保だけでなく発電効率の維持にも繋がります。これから太陽光発電を導入する人は、設置後のサポートが手厚い業者を選ぶのがおすすめです。
※1 参考:資源エネルギー庁
※2 FIT制度:発電した余剰電力を、一定期間固定価格で買い取ってもらえる制度
太陽光発電の電磁波に関するよくある質問
- 太陽光発電による健康被害は存在する?
- 太陽光発電は電波障害に影響する?
- 太陽光発電は導入しないほうが良い?
太陽光発電による健康被害は存在する?
2025年現在、太陽光発電設備から発生する電磁波が健康被害に繋がるという科学的根拠は示されていません。
ただし、心臓にペースメーカーを装着している人は、パワーコンディショナから20~30cm程度の距離を取ることが推奨※されています。
太陽光発電は電波障害に影響する?
総務省の報告※1では、パワーコンディショナから発生した電磁波が無線通信に混入し、近隣で電波障害が発生した事例が報告されています。
パワーコンディショナからの電磁波を抑制したい人は、CISPR※2に適合した製品を導入しましょう。既存設備の場合は、ノイズフィルタやシールドケーブルの増設が効果的です。
※1 参考:総務省「太陽光発電システムを原因とする無線通信の妨害について」
※2 CISPR(シスプル):電磁波障害の測定・許容基準の国際統一を目的に設立された団体および国際規格の名称
太陽光発電は導入しないほうが良い?
太陽光発電の電磁波が、人体に影響を及ぼす可能性は低いです。しかし、無線やテレビ・ラジオへの混線リスクが気になる人は、太陽光発電を無理に導入する必要はありません。
一方、光熱費を削減したい人や売電収入を得たい人には、太陽光発電の導入をおすすめします。災害時の非常用電源としても機能するため、導入のメリットは大きいです。
電磁波や有害物質への不安が残る人は、太陽光発電の専門家に相談しましょう。具体的なデータに基づいた説明や、最適な設置プランの提案を受けられます。
まとめ:太陽光発電の電磁波に危険性はない
太陽光発電から発生する電磁波が、人体に影響を及ぼす可能性は低いです。2025年現在、微弱な電磁波による健康被害の科学的根拠は確認されていません。
太陽光発電の電磁波は、主にパワーコンディショナから発生します。発生する電磁波は非常に微弱なため、健康への悪影響はほとんどありません。
太陽光発電について不安がある人は、専門の業者に相談するのがおすすめです。中でも大阪ガスなら、太陽光発電の専門家から、自宅に適した設備の導入提案が受けられます。
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