太陽光発電の発電量はどれくらい?1日あたり・年間・地域別の目安を徹底解説

編集者:【大阪ガス】Daigasコラム編集部

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太陽光発電の発電量

「太陽光発電の発電量は実際どれくらい?」
「ソーラーパネルの1日・年間の発電量の目安は?」

太陽光発電を導入して安定した発電量が確保できれば、電気代を大きく節約できます。自家消費しきれず余った電力は売電もできて、長期的な経済的メリットが大きいです。

しかし、太陽光の日射量は地域によって差があり、天候や季節による影響も受けます。太陽光発電システムを導入しても、想定より発電量が得られずに損をしないか心配ですよね。

そこで当記事では、太陽光パネルの1日・1年間あたりの発電量の目安を徹底解説しています。地域別の実測データやシミュレーション方法も紹介するので、ぜひ参考にしてください。

【大阪ガス】太陽光発電について相談する

太陽光発電の発電量はどれくらい?

太陽光パネルの1日あたりの発電量は8.1~13.5kWhが目安

太陽光発電
システムの容量
1日あたりの
発電量
1kW 2.7kWh
2kW 5.4kWh
3kW 8.1kWh
4kW 10.8kWh
5kW 13.5kWh
6kW 16.2kWh
7kW 18.9kWh
8kW 21.6kWh
9kW 24.3kWh
10kW 27.0kWh

※参考:太陽光発電協会「よくあるご質問」
※年間発電量1,000kWh÷365日で算出

太陽光発電パネルの1日あたりの発電量は、太陽光発電システムの容量1kWあたり約2.7kWhです。一般家庭に多い発電容量3~5kWの場合、1日に8.1~13.5kWhの発電が期待できます。

太陽光発電システムの容量とは、最大でどれだけ発電できるかを示す数値です。太陽光パネルの出力と枚数が多いほど、発電容量も大きくなります。

発電容量3kWの太陽光発電システムで1日あたり8.1kWhを発電した場合、以下にまとめた家電の電力使用量をほぼ賄えます。蓄電池を併用すれば、夜間や停電時にも備えられます。

  使用時間の目安 消費電力 消費電力量
冷蔵庫 24時間 200〜300W 4.8〜7.2kWh
テレビ 5時間 50W 0.25kWh
ドライヤー 20分(朝晩) 1,000W 0.17kWh
洗濯機 1時間(2回) 400W 0.2kWh
炊飯器 1時間 1,300W 1.3kWh
合計 6.7〜9.1kWh

※消費電力の参考:家庭の省エネハンドブック(2024年版)

発電量の目安は、あくまで太陽光発電協会の資料※をもとに算出した数値です。実際の発電量は太陽光パネルの性能や気候、設置環境などでも変動します。

※参考:太陽光発電協会「よくあるご質問」

1日あたりの発電量に差が出る主な要因

POINT
太陽光パネルの性能と枚数
太陽光発電システムの容量(パネルの出力やパワーコンディショナの性能が影響)
太陽光パネルの設置方向と角度
季節と天候の影響

太陽光パネルが光を電力に変える効率はメーカーごとに差があります。また、電力を家庭で使えるように変換するパワーコンディショナの性能も発電量に影響します。

発電量は、パネルの設置方向や角度によっても変わります。一般的に「南向き・角度30度」がもっとも効率的とされていますが、立地や周辺環境次第で調整が必要な場合があります。

高性能な太陽光パネルを南向きに設置しても、曇りや雨の日は発電量が減少します。また、実は太陽光パネルは熱に弱く、日差しが強すぎる日は発電効率が低下します。

太陽光パネルの1年間の発電量は約1,000kWh

太陽光パネルの1年間の発電量は、太陽光発電協会の資料をもとに計算すると、容量1kWあたり約1,000kWhです。3〜5kWの容量であれば、年間で約3,000〜5,000kWhの発電が見込めます。

環境省の統計によると、一般家庭の年間消費電力量は4,000〜5,000kWhです。地域差はありますが、家庭で使う電力の多くを太陽光で賄える計算です。

実際の発電量は屋根の設置条件や日照時間などで変わりますが、年間発電量の目安を把握しておくことで、太陽光発電を導入するメリットをより具体的にイメージできます。

年間の発電量に差が出る主な要因

POINT
居住地域や季節による日照時間の違い
年ごとの日照時間の差
太陽光パネルのメンテナンス状況

日照時間は居住地域や季節によって変化します。例えば、気象庁のデータによると、冬でも温暖な鹿児島県と寒冷な青森県では、2024年の年間日照時間に約172時間もの差がありました。

また、同じ東京都内で比べても、2024年と2022年の日照時間には約50時間の違いがあります。梅雨や降雪が長引く年は、特に発電量が低下しやすい傾向にあります。

太陽光パネルの汚れや破損も発電量に影響を与える原因です。定期的なメンテナンスやモニタリング体制が整った、信頼できる業者に施工を依頼することが大切です。

▼地域や季節による影響のさらに詳しい解説

太陽光発電の出力(kW)と発電量(kWh)の違い

  kW(キロワット) kWh(キロワットアワー)
単位 電力の単位 電力量の単位
単位の
説明
1kW=1000W 1kWの電力を1時間使った際の電力量=1kWh
使用例 ・太陽光パネルの出力
・太陽光発電システムの容量
・パワーコンディショナの容量
・太陽光発電の発電量
・蓄電池の容量

発電量を正確に理解するために、単位の違いを押さえておきましょう。kWは電力の単位で、太陽光発電システムの発電容量や、太陽光パネルの最大出力を表す際などに使われます。

kWhは、1時間あたりに発電した電力量を表す単位です。例えば、容量5kWの太陽光発電システムが4時間発電すると、20kWhになります。

太陽光発電システムの容量は、家電の出力(kW)や1日の電力使用量に対する発電量(kWh)を考慮して選びましょう。太陽光のプロに最適な容量を相談するのもおすすめです。

太陽光発電の発電量は地域や季節の影響を特に受けやすい

太陽光発電の地域・季節別発電量の目安【全国の実績値を紹介】

太陽光発電の発電量は、地域や季節変動によって大きく左右されます。年間を通して安定した発電量を確保するには、地域と季節による違いを把握しておくことが大切です。 一般社団法人SIIが集計した全国47都道府県の実績データをもとに、地域別の年間発電量と、季節ごとの月間発電量をまとめました。居住地域ごとの発電量の目安にご活用ください。

◎…発電量が多く、電気代の削減に特に期待できる

◯…発電量が平均的で、安定した運用ができる

△…発電量が少なく、設備や設置方法に工夫が必要

北日本(北海道・東北)の年間発電量
都道府県 1年間の平均 春/月間の平均 夏/月間の平均 秋/月間の平均 冬/月間の平均
北海道 1,043kWh 116kWh
△
120kWh
◯
78kWh
△
33kWh
△
青森県 1,044kWh 111kWh
△
128kWh
◯
77kWh
△
33kWh
△
岩手県 1,108kWh 114kWh
△
128kWh
◯
79kWh
△
48kWh
△
宮城県 1,226kWh 121kWh
◯
124kWh
◯
90kWh
◯
74kWh
◯
秋田県 1,072kWh 113kWh
△
129kWh
◯
79kWh
△
37kWh
△
山形県 1,139kWh 115kWh
△
132kWh
◎
84kWh
△
49kWh
△
福島県 1,243kWh 121kWh
◯
129kWh
◯
90kWh
◯
74kWh
◯
東日本(関東甲信・北陸・東海)の年間発電量
都道府県 1年間の平均 春/月間の平均 夏/月間の平均 秋/月間の平均 冬/月間の平均
茨城県 1,317kWh 127kWh
◎
132kWh
◎
95kWh
◯
85kWh
◎
栃木県 1,279kWh 125kWh
◯
123kWh
◯
91kWh
◯
87kWh
◎
群馬県 1,396kWh 135kWh
◎
131kWh
◎
104kWh
◎
95kWh
◎
埼玉県 1,271kWh 124kWh
◯
124kWh
◯
92kWh
◯
83kWh
◎
千葉県 1,295kWh 123kWh
◯
133kWh
◎
95kWh
◯
82kWh
◯
東京都 1,226kWh 118kWh
◯
121kWh
◯
90kWh
◯
79kWh
◯
神奈川県 1,296kWh 122kWh
◯
131kWh
◎
96kWh
◯
83kWh
◎
新潟県 1,139kWh 115kWh
△
137kWh
◎
82kWh
△
45kWh
△
富山県 1,171kWh 118kWh
◯
139kWh
◎
87kWh
△
46kWh
△
石川県 1,176kWh 119kWh
◯
136kWh
◎
87kWh
△
50kWh
△
福井県 1,161kWh 117kWh
△
131kWh
◯
89kWh
◯
50kWh
△
山梨県 1,374kWh 134kWh
◎
128kWh
◯
108kWh
◎
88kWh
◎
長野県 1,346kWh 132kWh
◎
139kWh
◎
105kWh
◎
72kWh
◯
岐阜県 1,307kWh 126kWh
◎
126kWh
◯
102kWh
◯
81kWh
◯
静岡県 1,364kWh 128kWh
◎
133kWh
◎
105kWh
◎
88kWh
◎
愛知県 1,316kWh 127kWh
◎
131kWh
◯
100kWh
◯
81kWh
◯
三重県 1,299kWh 124kWh
◯
127kWh
◯
101kWh
◯
82kWh
◯
西日本(近畿・中国・四国)の年間発電量
都道府県 1年間の平均 春/月間の平均 夏/月間の平均 秋/月間の平均 冬/月間の平均
滋賀県 1,216kWh 118kWh
◯
123kWh
◯
95kWh
◯
69kWh
◯
京都府 1,194kWh 118kWh
◯
123kWh
◯
94kWh
◯
63kWh
◯
大阪府 1,225kWh 119kWh
◯
125kWh
◯
95kWh
◯
69kWh
◯
兵庫県 1,271kWh 122kWh
◯
126kWh
◯
101kWh
◯
74kWh
◯
奈良県 1,247kWh 119kWh
◯
125kWh
◯
98kWh
◯
74kWh
◯
和歌山県 1,268kWh 122kWh
◯
124kWh
◯
101kWh
◯
76kWh
◯
鳥取県 1,150kWh 119kWh
◯
130kWh
◯
83kWh
△
51kWh
△
島根県 1,156kWh 119kWh
◯
126kWh
◯
87kWh
△
53kWh
◯
岡山県 1,242kWh 120kWh
◯
118kWh
△
98kWh
◯
78kWh
◯
広島県 1,161kWh 113kWh
△
112kWh
△
93kWh
◯
69kWh
◯
山口県 1,205kWh 115kWh
△
115kWh
△
100kWh
◯
73kWh
◯
徳島県 1,305kWh 125kWh
◎
126kWh
◯
105kWh
◎
79kWh
◯
香川県 1,267kWh 122kWh
◯
122kWh
◯
100kWh
◯
79kWh
◯
愛媛県 1,238kWh 120kWh
◯
117kWh
△
102kWh
◯
74kWh
◯
高知県 1,344kWh 127kWh
◎
117kWh
△
114kWh
◎
90kWh
◎
南日本(九州・沖縄)の年間発電量
都道府県 1年間の平均 春/月間の平均 夏/月間の平均 秋/月間の平均 冬/月間の平均
福岡県 1,210kWh 121kWh
◯
121kWh
◯
97kWh
◯
64kWh
◯
佐賀県 1,193kWh 118kWh
◯
115kWh
△
100kWh
◯
65kWh
◯
長崎県 1,227kWh 122kWh
◯
119kWh
◯
103kWh
◯
66kWh
◯
熊本県 1,315kWh 126kWh
◎
119kWh
◯
111kWh
◎
82kWh
◯
大分県 1,212kWh 120kWh
◯
112kWh
△
100kWh
◯
73kWh
◯
宮崎県 1,297kWh 125kWh
◯
113kWh
△
110kWh
◎
84kWh
◎
鹿児島県 1,253kWh 120kWh
◯
108kWh
△
110kWh
◎
78kWh
◯
沖縄県 1,319kWh 114kWh
△
119kWh
△
121kWh
◎
86kWh
◎

※出典:SII公開データ

※参考:地域区分は気象庁公式サイトを参考に分類

以下で、季節ごとに発電量が高かった都道府県と低かった都道府県をそれぞれ3つずつグラフで示し、季節※ごとの特徴について解説します。

※季節の分類は気象庁「時に関する用語」の分類をもとに3~5月を春、6~8月を夏、9~11月を秋、12~2月を冬としています

春(3~5月)は太陽光発電に適した季節

春の発電量データ発電容量 1kWあたり

※出典:SII公開データ

春は日照時間が増えて気温も適度なため、太陽光パネルにとって最適な時期です。中でも4~5月は発電量が安定しやすく、冬に比べて発電効率が大幅に向上します。

群馬県や山梨県などの高地では、晴天日が多く発電量が特に高くなります。ただし、天候が不安定なため、気温が急に低くなる日や曇りの日には発電効率が低下する場合があります。

東北地方や北海道では、3月はまだ冬の名残があり、発電量は少ない傾向があります。4~5月になると発電量が回復し、梅雨前の安定した天気の間は十分な発電量を得られます。

夏(6~8月)は高温に注意する必要がある

夏の発電量データ発電容量 1kWあたり

※出典:SII公開データ

夏は日照時間が長く、基本的に発電量が増える時期です。しかし、猛暑になると太陽光パネルが高温になり、発電効率が落ちる点には注意が必要です。

特に屋根の熱がこもりやすい住宅では、表面温度が70℃以上になることもあり、高温対策なしでは発電量が減ることも多いです。

高温や台風の多い地域では、熱に強いパネルや耐久性の高い製品を選ぶ、風通しを意識した設置方法を採るなど、地域ごとの気候に合わせた設備選びが重要です。

秋(9~11月)は日照時間と気温の低下が発電量に影響

秋の発電量データ発電容量 1kWあたり

※出典:SII公開データ

秋は日照時間が徐々に短くなり、発電量もあわせて減少していきます。北海道や東北地方では、早い時期は10~11月に雪が降り始め、発電量が急激に低下することがあります。

沖縄県や高知県など南部の地域では、秋でも安定した発電が可能です。日照時間がまだ長く、夏よりも過ごしやすい気温で、太陽光発電に適した環境が長く続きます。

関東地方や近畿地方など、天気が穏やかな地域でも発電量は徐々に減少していきます。ただし、発電量としては十分で、引き続き効果的に太陽光発電を活用できます。

冬(12~2月)は日照時間と寒冷によって発電量が低下しやすい

冬の発電量データ発電容量 1kWあたり

※出典:SII公開データ

冬は日照時間が短く、全国的に太陽光発電の発電量が落ち込みます。特に北海道や東北などの寒冷地は、太陽光発電の導入にあたって冬の発電量の低下を考慮する必要があります。

群馬県や高知県などは冬季でも晴天が多く、安定した発電量を確保できます。日本の南部は寒さによる影響が少なく、冬でも発電量を比較的高く維持できます。

寒冷地では、降雪で太陽光パネルが破損するリスクにも備える必要があります。近年は、積雪に耐えられる強化パネルや、熱で雪を溶かす機能のある製品も登場しています。

地域に関わらず春・夏・秋は安定した電力量を確保できている

1年間の発電量データ(発電容量1kWあたり)

※出典:SII公開データ

地域別の年間発電量を比較するため、6箇所の都市を北から南までバランス良く選びグラフにしました。どの地域も、春・夏・秋は発電量の極端な変化が少ないことがわかります。

冬は温暖な地域と寒冷地で発電量の差が大きいです。特に寒冷地では、太陽光パネルの雪対策や、日中に発電した電力を貯めておく蓄電池の併用が重要になります。

太陽光発電の経済的メリットは、地域に合った設備を選ぶことで最大化できます。費用面が心配なら、初期投資0円で太陽光発電を始められる「スマイルーフ」も検討してみてください。

太陽光発電システム選びの3つのポイント

季節や地域が太陽光発電に適していても、太陽光発電システムの内容次第で発電量に大きな差が出ます。太陽光発電の導入を検討する際は、以下の点も押さえておきましょう。

POINT
太陽光パネル自体の性能
パワーコンディショナの容量と性能
太陽光発電システムの施工技術

太陽光パネル自体の性能

太陽光パネルの性能は、メーカー公式サイトやカタログで「モジュール変換効率」を確認しましょう。一般的に、モジュール変換効率が20%以上なら高性能と扱われます。

安定的な発電量を確保するためには、太陽光パネルの変換効率が重要です。同じ発電容量でも、メーカーや製品によって太陽光を電力に変換できる効率が異なります。

モジュール変換効率ではなく「セル変換効率」が表示されている場合は、パネルを構成する最小単位での性能を示しています。高めの数値で示される傾向があるので注意が必要です。

パワーコンディショナの容量と性能

太陽光発電システムの主要設備

※画像はDaigasコラムが作成

太陽光発電システムには、太陽光パネル以外にも関連する設備が必要です。特に、パネルで発電した直流電力を家庭で使える交流電力に変換するパワーコンディショナの容量と性能が重要です。

直流から交流への変換時にわずかな電力ロスが発生するため、変換効率が95%以上のパワーコンディショナを選ぶと、発電した電力を効率的に活用できます。

なお、太陽光発電システムの発電容量は、パネルとパワーコンディショナのうち小さい方が目安です。例えば、パネルの容量が7kW、パワーコンディショナが6kWの場合、システムの発電容量は「6kW」となります。

太陽光発電システムの施工技術

太陽光発電システム選びでは、施工業者の技術も大事です。工事がずさんだと、発電量を最大化できる施工がされず、施工不良のトラブルが起きるリスクもあります。

優良な太陽光発電業者なら、ユーザーの電力使用量に最適な容量の太陽光発電システムを、住宅の立地や周辺環境に合った方向・角度で設置してくれます。

太陽光発電システムの導入は、確かな施工技術を持つ業者に相談しましょう。実績豊富な大手業者なら、専門の資格を持った経験豊富な作業員が現場を監督してくれます。

太陽光発電で年間の電力量を賄えるかのシミュレーション方法

太陽光発電で年間の電力量を賄えるかは、以下の3ステップでシミュレーションできます。自宅の電力使用量や地域の日射量などをふまえて、現実的な発電量を試算してみましょう。

1.家庭の電力使用量を把握する
2.地域の日射量から発電量を計算する
3.精度の高いツールで発電量をチェックする

1.家庭の電力使用量を把握する

自宅の年間電力使用量を把握するため、夏・冬・中間期の月間使用量の平均に12をかけて計算しましょう。夏と冬に使用量が増えるのも考慮した、現実的な数値を見積もれます。

以下に1~4人世帯での、年間電力使用量の目安をまとめました。最大値は8月・1月・5月の電力使用量の平均値を12倍して算出した数字としています。

  年間電力使用量の目安
1人世帯 2,200~3,100kWh
2人世帯 3,000~4,500kWh
3人世帯 3,300~4,900kWh
4人世帯 3,900~5,900kWh

※参考:家庭の省エネハンドブック(2024年版)

年間の電力使用量を考える際に、5月や10月などの電力使用量が穏やかな月だけを基準に考えると見誤りやすいです。

例えば、4人家族で5月の電力使用量が300kWh程度の場合、単純に12をかけると3,600kWhですが、実際には年間で4,000~5,000kWhを使用する家庭が多いです。

まずは自宅のできるだけ正確な電力使用量を把握することで、太陽光発電システムの最適な容量がイメージしやすくなります。

2.地域の日射量から発電量を計算する

自分が住んでいる地域の日射量を、NEDOの提供する「MONSOLA-20」などで調べて以下の式に当てはめると、年間の予想発電量を大まかに計算できます。

▼年間発電量(予想)の計算式
年間予想発電量(kWh/年)=H×K(0.85)×P×365(日数)
▼H・K・Pの意味
H:1日あたりの平均日射量(kWh/㎡/日)
K:損失係数(約85%)
P:太陽光発電システムの容量(kW)
▼計算例(過去の平均日射量データをもとに試算)
年間予想発電量(kWh/年)
= H(3.78)※1×K(0.85)×P(4.0)※2×365
= 4690.9kWh/年
※1 H=3.78 (2010~2018年の平均値/東京都世田谷区)
※2 P=4.0 (仮に容量4kWで計算)

※参考:公共・産業用太陽光発電システム手引書

損失係数とは、パネルの温度上昇やパワーコンディショナの変換ロスを反映した値です。以前は73%が一般的でしたが、近年は技術の進歩により85%で計算するケースが多いです。

太陽光発電システムの容量(P)は、太陽光発電の導入前なら通常はまだ確定していません。導入できる容量は、予算や屋根の状況によっても変わるからです。

発電量をシミュレーションする際は、多くの家庭で採用されている4kWや5kWの容量で仮に計算して、自宅の電力使用量とのバランスをチェックするのがおすすめです。

3.精度の高いツールで発電量をチェックする

より正確に試算するため、メーカーや電力会社が提供しているシミュレーションツールを活用しましょう。屋根の形状や方角なども考慮した数値がわかります。

京セラの「簡単シミュレーション」や、東京電力ホールディングスが提供する「サンクル」を活用してみてください。

さらに自宅に合ったシミュレーションは、太陽光のプロに依頼しましょう。屋根の状況や予算も考えて、太陽光発電導入のメリット・デメリットを客観的に検証してくれます。

太陽光発電の発電量が下がってしまう原因と対策

暑い時期に太陽光パネルの温度が上昇する
太陽光パネルや配線の経年劣化
太陽光パネル表面の汚れや積雪

暑い時期に太陽光パネルの温度が上昇する

高温時の変換効率の変化

※画像はDaigasコラムが作成

太陽光パネルは高温に弱く、表面温度が25℃よりも高くなると発電効率が下がっていきます。一般的なシリコン系の太陽光パネルでは、1℃上がるごとに発電量が0.4~0.5%低下※します。

熱で発電量が低下する目安は温度係数(%/℃)という数値で「-0.4~-0.5%/℃」のように表されますが、仕様書に記載のない製品も多いため、比較が難しいのが現状です。

夏場の発電ロス対策には、高温に強い特性を持つ太陽光パネルを選ぶほか、設置角度の調整や、パネル裏の通気性を確保するなど、熱がこもりにくい設置の工夫が重要です。

※参考:JIS|C8907「表 5 補正係数名称,記号及び値」

近年は高温下でも出力低下の少ない太陽光パネルが増えている

近年は、高温多湿な日本の厳しい夏でも発電量を確保できるように、熱に強い太陽光パネルの開発が進んでいます。パネルの選択1つで、年間で数%の発電ロスを防げることもあります。

例えば、マキシオンの太陽光パネルは温度係数が-0.27%/℃と低く、高温による出力低下を最小限にできます。シャープのBLACKSOLARシリーズも高温下で変換効率が下がりづらいと宣伝されています。

比較したい場合は、取り扱いメーカーが豊富な太陽光発電業者に相談しましょう。九州や沖縄などの夏に暑い地域では、熱に強い太陽光パネルの設置が特に効果的です。

太陽光パネルや配線の経年劣化

太陽光パネルは、経年劣化により徐々に発電量が低下します。米国の再生可能エネルギー研究所(NREL)によると、パネルの発電性能は年間平均0.5%ずつ劣化するとされています。

雨風や紫外線の影響で配線が傷むと、発電量の低下やショートのリスクが高まります。10年以上使うとパワーコンディショナの変換効率も落ち、場合によっては交換が必要です。

経年劣化による発電量の低下を防ぐには、施工業者やメーカーのフォロー体制が重要です。出力保証や定期メンテナンス、無償修理などのサポート内容を事前に確認しておきましょう。

太陽光パネル表面の汚れや積雪

太陽光パネルの表面が汚れていると、太陽光の吸収効率が落ちて発電量が低下します。鳥のフンや砂埃、花粉などの汚れは、雨だけでは完全に落ちないこともあります。

冬場に雪が積もると、地域によっては発電量が大幅に低下します。清掃や雪下ろしを自分で対応するのは危険なので、専門業者に依頼するコストもかかります。

黄砂が多い西日本や、積雪量の多い地域では、特に立地に合わせた対策が求められます。発電量の確保が不安な場合は、太陽光のプロに設備や対策の相談をしてみるのがおすすめです。

太陽光発電の発電量を最大化させる3つの方法

定期的なメンテナンス
パワーコンディショナの容量以上の太陽光パネルを載せる
太陽光発電とあわせて蓄電池を導入する

定期的なメンテナンス

発電量を安定して保つには、定期的なメンテナンスが重要です。特に、パワーコンディショナや配線の劣化は発電量の低下に直結するため、異常を早期に発見する必要があります。

不具合を保証期間内に発見できれば、無償で修理や交換を受けられる場合が多いです。アフターフォロー体制がしっかりしている業者を選ぶことも大切です。

大阪ガスの「スマイルーフ」なら、15年の契約期間中のメンテナンスや修理対応が無料です。研修に合格したエコマイスターが、点検や修理の対応をしてくれるので安心です。

パワーコンディショナの容量以上の太陽光パネルを載せる

パネルとパワーコンディショナの比率イメージ

※画像はDaigasコラムが作成

太陽光発電の発電量を最大化する方法として「過積載」が挙げられます。過積載とは、パワーコンディショナの容量よりも多くの太陽光パネルを設置する方法です。

太陽光発電の発電量は時間帯や天気で変動します。最大出力を超える電力はカットされますが、ピークの時間帯は短く、トータルで考えると過積載で発電量が増やせます。

パネルを増やすコストはかかりますが、発電量を増やすのに効果的な方法です。屋根の広さや向きで最適な容量が異なるので、業者にシミュレーションを依頼して判断しましょう。

太陽光発電とあわせて蓄電池を導入する

太陽光発電とあわせて蓄電池を導入すれば、日中に発電した電力を、発電量が少ない夕方や夜にも活用できます。

蓄電池は太陽光発電と相性が良く、導入のメリットが大きい設備です。発電した電力を無駄なく自家消費・売電に回せるうえ、夜間の急な停電の備えにもなります。

蓄電池の導入には100万円近くかかるケースが多いので、予算に合わせて慎重に検討しましょう。蓄電池の最適な容量やメリット・デメリットは、以下の記事で詳しく解説しています。

太陽光発電の発電量に関するよくある質問

太陽光発電システムはどの容量を選べば良い?

太陽光発電システムの容量は、多くの家庭で4~5kWが採用されています。例えば、年間の電力使用量が4,000〜5,000kWhの4人家族は、5kW前後の容量で多くの電力量を賄えます。

予算とのバランスも考え、自宅に最適な容量の太陽光発電システムを導入しましょう。屋根の広さや向き、地域の日射量などをふまえたシミュレーションを重ねることが大事です。

蓄電池はどの容量を選べば良い?

蓄電池の容量は、太陽光発電システムの容量に対して、若干余裕を持たせたほうが良いです。容量が少ないと使える電力が不足してしまい、大きすぎても無駄なコストがかかります。

導入目的や使い方、設置スペースにあわせて、過不足のない容量を選ぶのがおすすめです。日常用なら5〜7kWh、停電時の備えとしての役割を重視するなら10kWh程度が目安です。

太陽光発電システムの容量が3~5kWの場合の発電量は?

太陽光発電システムの年間発電量は、容量3kWで約3,000kWh、5kWなら5,000〜6,000kWhが目安※です。ただし、これは日射量が十分で、発電に適した設置ができた場合の数値です。

例えば、関東や関西では日射量が安定していて、容量5kWで年5,500kWh程度の発電が期待できます。しかし、雪が多い地域では同じ容量でも20〜30%ほど発電量が下がる可能性もあります。

日射量が少ない地域では、パネルの過積載や、発電効率の高いパネルを選ぶなどの対策が考えられます。自宅の条件に合わせたシミュレーションを重ねたうえで設備を導入しましょう。

※参考:太陽光発電協会「よくあるご質問」

太陽光の発電量モニタリングとは何?

発電量のモニタリングとは、太陽光発電システムがどれくらい発電しているかを確認できる機能のことです。近年はスマートフォンのアプリと連動したタイプも増えています。

リアルタイムで使用量や発電量、売電量が確認できるため、電気代の節約だけでなく、太陽光発電システムに不具合が発生したときの早期発見にも繋がります。

まとめ:太陽光発電の発電量はシステム容量・地域・設置条件で決まる

太陽光発電の発電量は、パネルやパワーコンディショナの容量だけでなく、設置場所の方角や角度、地域ごとの日照時間などの環境条件に大きく左右されます。

自宅に合う太陽光発電システムを導入するには、精度の高いシミュレーションが重要です。まずは年間の発電量を試算して、電気代の節約に繋がるか確認してみましょう。

さらに正確な試算がしたい、メーカーごとに性能を比較したいなどの希望は、太陽光発電の専門家に相談してみてください。予算や設置条件に応じて最適なプランを提案してくれます。

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