不動産売却の平均期間は3〜6ヶ月|長引く原因と期間短縮のコツも解説

編集者:【大阪ガス】Daigasコラム編集部

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両手のひらで複数の木製ハウスオブジェを大切そうに持つ様子

不動産売却を検討するなかで「どのくらいの期間がかかるのだろう?」と、全体的なスケジュールが見えず不安を感じる方も多いでしょう。

引越しや住み替え、相続、転勤など、さまざまな事情で売却を検討する際、期間の見通しが立たないと、次のステップに踏み出しにくいでしょう。

本記事では、不動産売却にかかる平均的な期間の目安から、査定依頼から引渡しまでの流れ、期間が長引く原因、短縮するためのコツについて詳しく解説します。

不動産売却の基本が知りたい方はこちらも参考ください。

不動産売却にかかる期間の目安は3〜6ヶ月

不動産を売却する際、準備から引渡しまでのトータル期間は、一般的に3〜6ヶ月が目安です。不動産流通機構(レインズ)が公表しているデータによると、2024年の首都圏における販売活動開始から成約までの平均日数は以下のとおりです。

 

物件種別

平均成約日数

中古マンション

約85日

中古一戸建て

約97日

土地

約89日

参考:|首都圏不動産流通市場の動向(2024年)|公益財団法人東日本不動産流通機構

 

ただし、この日数は「不動産ポータルサイトへの掲載(売り出し)から買い手が見つかるまで」の期間にすぎません。実際には、売り出しの前におこなう査定依頼・会社選び、そして成約後の決済・引渡し手続きが加わるため、全体を通すと半年前後かかるケースが一般的です。

 

また、売却しようとしている物件の種類・立地・エリア・宣伝方法などによっても、かかる期間は変わります。さらに住み替えを検討している方の場合は、新居の購入や引越しのタイミングも考慮する必要があるため、余裕を持ったスケジュールを組んでおくことが大切です。

【5STEPで解説】不動産売却の流れ

不動産の売却は、大きく分けて以下の5つのステップで進みます。

 

  1. 査定依頼|数日〜2週間
  2. 不動産会社選び・媒介契約の締結|1〜2週間
  3. 販売活動|1〜3ヶ月
  4. 売買契約の締結|1〜2週間
  5. 決済・引渡し|1〜2ヶ月

 

各ステップの詳細を詳しく解説します。

STEP1. 査定依頼|数日〜2週間

まずおこなうのが不動産会社への査定依頼で、具体的には以下の2つの方法があります。

 

査定の種類

内容

結果が出るまでの期間

机上査定(簡易査定)

物件情報をもとにデータで算出する方法

数日以内

訪問査定

担当者が現地を訪問し、詳細に確認する方法

1〜2週間程度

 

机上査定は、複数社に最初のアプローチとして手軽に相場感をつかむのに適しています。一方、実際に売り出すためには、担当者が現地を確認する「訪問査定」が必要です。

 

訪問査定は単に物件を確認するだけでなく、担当者と直接顔を合わせる機会にもなり、この後のステップである媒介契約を結ぶ不動産会社を見極める場でもあります。訪問査定は日程調整が必要なため、1〜2週間ほどの余裕を見ておくといいでしょう。

 

また、1社だけでなく複数社に査定を依頼することで、市場相場を客観的に把握しやすくなります。相場感を正確に理解した上で売り出し価格を決めることが、売却を成功させるポイントです。

STEP2. 不動産会社選び・媒介契約の締結|1〜2週間

査定結果が出そろったら、依頼する不動産会社を決め「媒介契約」を締結します。媒介契約とは「この会社に売却活動をお願いします」という、取り決めを交わす契約のことです。媒介契約には以下の3種類があり、それぞれ特徴が異なります。

 

契約の種類

複数社への依頼

自己発見取引(※)

報告義務の頻度

契約期間

一般媒介契約

可能

可能

義務なし

法律上の制限なし

専任媒介契約

不可(1社のみ)

可能

2週間に1回以上

最長3ヶ月

専属専任媒介契約

不可(1社のみ)

不可

1週間に1回以上

最長3ヶ月

(※)自己発見取引:売主が自分で買い手を見つけてきた場合に、直接取引できるかどうか

 

どの契約を選ぶかによって、販売活動の進め方や売主への報告の頻度が変わるため、それぞれのメリット・デメリットを把握した上で選択することが大切です。会社選びから契約締結までは、査定完了から1〜2週間ほどを見込んでおくといいでしょう。

 

また契約を結ぶ際は、担当者の対応の丁寧さや過去の販売実績、具体的な販売提案の内容などを複数社で比較することもポイントです。

STEP3. 販売活動|1〜3ヶ月

媒介契約を締結すると、販売活動がスタートします。不動産会社は、以下のような方法で買い手を募り、内覧の調整や価格交渉を進めます。

 

  • SUUMOやアットホームなどのポータルサイトへの掲載
  • チラシの配布
  • ほかの不動産会社へのネットワーク共有

 

販売活動が、売却全体のなかで最も時間を要する工程です。需要の高いエリアや人気の物件であれば、数週間から1ヶ月ほどで買主が見つかることもありますが、一般的には3ヶ月程度かかると考えておくといいでしょう。

 

販売活動そのものは不動産会社が主体となって進めますが、内覧が入った際には売主も対応する必要があります。内覧はいつ入るかわからないため、以下の点を準備しておくことが大切です。

 

  • 日常的に室内の清掃・整理整頓をしておく
  • 周辺環境や設備の使い心地など、聞かれやすい情報をまとめておく
  • 悪臭や汚れが気になる箇所は、早めに対処しておく

 

内覧時の第一印象は購入意欲に直結しやすいため、できる範囲で物件の状態を整えておくことが売却の成否を左右します。

 

STEP4. 売買契約の締結|1〜2週間

購入希望者が現れ、価格や条件などの交渉がまとまったら、売買契約の締結に進みます。

契約の流れは以下のとおりです。

 

  1. 宅地建物取引士による「重要事項説明」の実施
  2. 不動産売買契約書の内容確認・読み合わせ
  3. 手付金(売買代金の一部を先払いする金銭)の授受

 

手付金の受領が完了した時点で、売買契約の締結となります。契約書の準備や手続きに要する期間は、通常1〜2週間程度です。

 

中古不動産の取引では、設備の不具合や告知事項の漏れがトラブルの原因になるケースがあります。「言った・言っていない」というトラブルを防ぐためにも、物件状況の確認と開示は丁寧におこないましょう。

 

STEP5. 決済・引渡し|1〜2ヶ月

売買契約を締結してから1〜2ヶ月後が、一般的に決済・引渡しのタイミングです。この期間の長さは、主に買主の住宅ローン審査の状況によって変わります。決済日には、以下の手続きがおこなわれます。

 

  • 残代金の受領
  • 所有権移転登記
  • 物件の引渡し

 

売主側に住宅ローンの残債がある場合は、決済日に合わせて抵当権の抹消手続きも必要です。抵当権とは、金融機関がローンの担保として不動産に設定する権利のことで、売却前に必ず抹消しなければなりません。引渡し日は買主との調整が必要なため、不動産会社に早めにスケジュールを確認しておきましょう。

さらに詳しく不動産の売却ステップは下記で説明しているので、ご参考ください。

 

不動産売却の期間が長引く5つの原因

不動産が思うように売れない場合、以下のような原因が考えられます。

 

  • 売出し価格が相場より高い
  • 物件の状態が悪い
  • 売り出す季節・タイミングが悪い
  • 不動産会社の実績が少ない
  • 不動産会社の販売活動が不十分

 

それぞれの原因について詳しく解説します。

1. 売出し価格が相場より高い

売却期間が長引く原因として多いのが、売出し価格が市場相場より高く設定されていることです。価格が相場から大きく外れていると、購入希望者がそもそも物件に興味を持ちにくくなり、内覧の問い合わせすら入らない状態が長く続くことになります。

 

適正価格を把握するためには、複数の不動産会社に査定を依頼し、相場を客観的に確認することが有効です。加えて、SUUMOやアットホームなどの不動産ポータルサイトを活用して、同じエリア・同程度の広さや間取りの物件の売り出し価格を自分でも調べてみましょう。

 

市場の実勢価格を正確に把握した上で売り出し価格を設定することが、早期売却への近道です。

2. 物件の状態が悪い

物件の外観や室内の状態が良くないと、内覧時の第一印象が損なわれ、購入意欲の低下につながります。とくに以下のような状態は、内覧者が購入をためらいやすい要因となるでしょう。

 

  • 清掃が行き届いておらず、汚れや生活感が目立つ
  • 水まわりや建具など設備に不具合がある
  • 庭の草木が手入れされていない
  • 室内のにおいが気になる

 

このような問題には、売却前にプロのハウスクリーニングを依頼したり、簡単な修繕を施すのがおすすめです。また、物件の状態は内覧後の価格交渉にも影響するため、早めに不動産会社に相談しながら対処しておくことが重要です。

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3. 売り出す季節・タイミングが悪い

不動産市場には、需要が高まる「繁忙期」と、市場全体の動きが鈍くなる「閑散期」があります。一般的に、春(2〜3月)と秋(9〜10月)は転勤・進学・住み替えの需要が高まる繁忙期で、買い手が見つかりやすい傾向にあります。一方、真夏(8月)や年末年始(12月)は市場全体の動きが鈍くなる閑散期です。

 

閑散期に売り出してしまうと、内覧の問い合わせ数が減り、買い手がなかなか見つかりにくくなります。その結果、掲載期間が長引いてしまうと、ポータルサイト上で「長期間売れていない物件」とみられやすくなる可能性があります。

 

掲載情報には掲載開始日が表示されるため、長期間売れていない物件には「何か問題があるのでは」というネガティブな印象を持たれるリスクもあります。繁忙期に合わせて売り出せるよう、逆算した上でスケジュールを組むことが重要です。

4. 不動産会社の実績が少ない

不動産売却では、依頼する会社の経験値や地域での実績が、売却期間に大きく影響します。地域の相場や需要動向に精通していない会社では、適切な価格設定や効果的な販売戦略を立てることが難しく、結果として売れない状態が続くケースがあります。

 

会社を選ぶ際には、以下の点を確認してみましょう。

 

  • 売却したい物件の種別(マンション・一戸建て・土地など)における成約実績件数
  • そのエリアでの過去の取引実績
  • 口コミや評判の内容

 

複数社を比較検討し信頼できる会社を選ぶことが、スムーズな不動産売却に欠かせません。

5. 不動産会社の販売活動が不十分

不動産会社に売却を依頼したあとも、販売活動が十分かどうかを確認することが大切です。たとえば、以下のような状況は、販売活動が不十分な可能性があります。

 

  • ポータルサイトに掲載している写真の質が低い、または枚数が少ない
  • 掲載情報が少なく、物件の魅力が十分に伝わっていない
  • 問い合わせや内覧の調整に対する対応が遅い
  • 売主への活動報告の連絡頻度が少ない

 

定期的な報告の有無や、広告の掲載状況、内覧対応の丁寧さなどを確認しながら、販売活動を見守ることが重要です。改善が見られない場合は、担当者の変更を依頼したり、別の会社への切り替えを検討することも、売却を前進させるための有効な選択肢のひとつです。

不動産売却の期間を短縮する5つのコツ

売却をできるだけスムーズに進めるためのコツは、以下の5つです。

 

  • 複数社に査定を依頼して相場を正確に把握する
  • 不動産会社を変更または複数社への一般媒介に切替える
  • 売れやすいタイミングを狙う
  • 内覧前にハウスクリーニングをおこなう
  • 買取を検討する

 

具体的な対策を把握しておくことで、時間を無駄に費やすリスクを減らせるでしょう。

1. 複数社に査定を依頼して相場を正確に把握する

早期売却を実現するためには、市場の実勢価格に合った適正価格での売り出しが大切です。1社だけに査定を依頼すると、その会社の基準だけで価格が決まってしまい、相場からかけ離れた設定になるリスクがあります。

 

3社以上に査定を依頼して比較することで、市場での実勢価格を客観的に把握しやすくなります。相場と乖離していない適正価格を設定することで、「価格が高すぎて売れない」という状態を防ぎ、売却期間の短縮につながります。

2. 不動産会社を変更または複数社への一般媒介に切替える

同じ不動産会社に依頼して3〜6ヶ月経っても売れない場合は、不動産会社の変更や媒介契約の見直しを検討することが有効です。専任媒介契約から一般媒介契約へ切り替えることで、複数の会社が同時に販売活動をおこなえるようになり、より多くの購入候補者へのアプローチが可能になります。

 

ただし、一般媒介は各社がほかの物件との兼ね合いで優先度を下げやすい面もあるため、信頼できる2〜3社に絞って依頼するのが効果的です。

3. 売れやすいタイミングを狙う

不動産が売れやすい繁忙期(2〜3月・9〜10月)を狙って売り出すことで、より多くの購入希望者に物件を届けやすくなります。とくに年度の切り替わりが集中する3月前後は、転勤や進学を機に住まいを探す人が急増する時期であり、売却活動が成果につながりやすい季節です。

 

繁忙期にスムーズに売り出せるよう、2〜3ヶ月前から査定や会社選びをはじめましょう。スケジュールを逆算して動くことで、売却の成功確率を高められます。

4. 内覧前にハウスクリーニングをおこなう

内覧は、購入希望者が「この物件を買いたいか」を判断する機会です。見学時の第一印象を良くするためにも、プロのハウスクリーニングを依頼することは費用対効果の高い投資といえるでしょう。

 

とくに、以下のような箇所は重点的に清掃・整理することで印象が大きく向上します。

 

  • 水まわり(キッチン・浴室・洗面台・トイレ)の汚れやカビ
  • 床・窓・玄関などの日常的に目に触れる箇所
  • においの原因になりやすい場所

 

ハウスクリーニングに費用はかかりますが、成約率のアップや値下げ交渉の予防につながるため、トータルで見れば十分に元が取れることも多くあります。生活感を感じさせる荷物の整理や日々の掃除とあわせて、できる範囲で準備をしておきましょう。

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※クリーニング実施日の2日前の18時以降の日次変更・内容変更・キャンセルは。手数料(11,000円)がかかります。

5. 買取を検討する

「できるだけ早く売却を完了させたい」という方には、不動産会社による「買取」という方法も選択肢のひとつです。買取とは、仲介を通じて一般の買い手を探すのではなく、不動産会社が直接物件を購入する方法です。

 

項目

仲介売却

買取

売却価格

市場価格に近い水準

市場価格の7〜8割程度

売却までの期間

3〜6ヶ月程度

最短数週間〜1ヶ月程度

向いているケース

できるだけ高く売りたい場合

急いで売却したい場合

 

不動産会社のなかには、市場での買い手がつきにくい「わけあり物件」を専門に買取している会社もあります。急ぎの事情がある場合や、仲介での売却がなかなか進まない場合の選択肢として、買取を不動産会社に相談してみましょう。

まとめ

不動産売却にかかる期間は、準備から引渡しまでトータルで3〜6ヶ月が目安です。売却をスムーズに進めるために、まずは複数の不動産会社への査定依頼をおこないましょう。複数社の査定結果を比較することで、市場の相場観がつかめるだけでなく、信頼できる会社・担当者を選ぶ判断材料にもなります。

すでに売却活動を開始している方は、スムーズな売却・引き渡しを実現するためにも、ハウスクリーニングを入れたり、引き渡しに向けた引越しを手配したりしましょう。

また、不動産売却をする上で重要な税金について下記で紹介しています。ご参考ください。

 

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