初心者でもできる!NISAの始め方完全ガイド

監修者:FPオフィスAndAsset代表 前田菜緒

編集者:【大阪ガス】Daigasコラム編集部

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「NISAを始めたい」と思いながら、何か月も経ってしまったということはないでしょうか。情報収集しているうちに、かえって迷子になってしまう人は多いものです。しかし、NISAを始めるために必要な作業は「証券口座を開く」「積立を設定する」、大きく分けて2つのみです。この記事では、口座開設から積立設定までの具体的なステップと、投資を長続きさせるための「資産運用のコツ」を丁寧に解説します。 

 

【簡単】NISAの始め方4つのSTEP

NISAをするために、最初にすべきことはたった一つ、「NISA口座を開くこと」です。投資する商品も金額も口座を開いてから決めても遅くありません。「もっと勉強してから始めよう。」と考える人は多いですが、投資の経験がないまま勉強しても理解に限界があり、いつまで経っても勉強を終えることはできません。その結果、何ヶ月も経ってしまった・・・と、なるのです。 

投資は、実際に始めてみることで理解できることも多いものです。だからこそ、少額からスタートしてみることが大切です。難しく考えず、まずは仕組みを作ってしまいましょう。あとは資産が育つのを待つだけです。 

  1. 証券口座を開く 
    ①証券会社ホームページから申し込む 
    ②口座開設の情報を入力する 
    ③NISA口座、その他口座の申し込み選択 
    本人確認書類をアップロードする 
    口座開設完了通知が届いたら初期設定 
    ⑥NISA口座開設完了 
  2. 投資の基本を理解する 
  3. 投資信託の選び方 
  4. 初心者は“つみたて投資”を選ぶ 
  5. 積立設定をする 
  6. 積立スタート後にやること 

1.証券口座を開く

まずは、証券会社でNISA口座を開設します。ネット証券なら、オンラインで申し込みができ、2〜3営業日で口座は開設できます。NISA口座は一つの金融機関でしか開設できません。

口座開設に必要なのは、以下の通りです。 

  • 本人確認書類(マイナンバーカード、あるいは、通知カード+運転免許証など) 
  • スマホ

マイナンバーが最もスムーズであるため、マイナンバーカードがあれば手元に準備しましょう。口座開設手順は、証券会社によって多少順番は異なりますが、入力内容は基本的には同じです。ここでは、SBI証券の開設手順をお伝えします。 

 証券会社ホームページから申し込む

証券会社のホームページからNISA口座開設のボタンをクリックして申し込みます。メールアドレスを登録すると認証コードが届くので、届いた認証コードを入力し、申し込み画面へ進みます。ちなみに、各証券会社では、NISA口座開設キャンペーンがよく開催されているため、キャンペーン適用条件に該当するならエントリーしておくと良いでしょう。 

 口座開設の情報を入力する

生年月日や住所などの個人情報を入力します。入力の内容はマイナンバーカードと一致している必要があるため、この点だけ注意してください。 

総合口座(メイン口座)の開設 
NISA口座を開設するには、ベースとなる「総合口座」も一緒に開く必要があります。(定期預金をするために、普通預金口座が必要なのと同じイメージです)ここで初心者がつまずきやすいのが、「総合口座の税金の納め方」を選ぶ項目です。NISA口座での利益には税金がかかりませんが、総合口座での取引には税金がかかるため、あらかじめ設定しておく必要があります。  

選択肢は下記の3つです。 
・源泉徴収あり(確定申告が不要な特定口座) 
・源泉徴収なし(確定申告が必要な特定口座) 
・自分で損益を計算(確定申告が必要な一般口座) 

「源泉徴収あり」は、証券会社が税金を計算して、納税してくれる口座のため自分で税金を納める必要はありません。それ以外の口座は、自分で確定申告をして税金を納める必要があります。確定申告が手間だと思う人は「源泉徴収あり」を選ぶと安心です。 

③NISA口座、その他口座の申し込み選択

総合口座開設の手続きの中で、NISA口座を開設するかどうかの質問項目がありますので「開設する」を選びます。そのほか、FX口座や信用取引口座など、証券会社によっては口座開設を希望するかどうかの質問項目があります。これら取引がどのような取引かわからない、取引をするつもりはない場合は「申し込まない」を選びましょう。あとから申し込むこともできます。 

 本人確認書類をアップロードする

スマホでマイナンバーカードや自分の顔を撮影してアップロードします。これで申し込み完了です。 

口座開設完了通知が届いたら初期設定

証券会社で審査が完了したら、口座開設完了通知が届きます。記載されているIDとパスワードでログインし、職業や勤務先の情報を登録します。勤務先の入力が必要なのはインサイダー取引を防止するためです。上場会社や金融機関に勤めている場合、一般には公開されていない内部情報を知っている可能性があるため、あらかじめ確認が必要なのです。ただし、それら企業に勤めているからといって、NISA口座の開設ができないことはありませんので安心してください。 

また、初期設定では暗証番号の設定を求められるかもしれません。暗証番号とはログイン暗証番号と取引暗証番号です。ログイン暗証番号は、名前の通り、ログイン時に使用する暗証番号です。取引暗証番号は、金融商品を売ったり買ったり取引するときに求められる暗証番号です。 

⑥NISA口座開設完了

税務署での審査が完了すると、今度はNISA口座開設のお知らせが届きます。これで、NISAでの取引が可能になります。 

NISA口座が開設したら、次は積立設定です。どの商品を積立するか決める必要がありますが、商品選びは多くの人が悩みます。まずは商品選びに大切な投資の基本を理解しておきましょう。 

2.投資の基本を理解する

NISAで商品を選ぶと言っても、何百、何千という商品があります。そのため、初心者は「何を選べばいいのかわからない」「難しそう」と感じてしまいがちですが、実は、「何を買うか」より大切なことがあります。 

それが、資産配分(アセットアロケーション)です。資産配分とは、自分の資産を「株式・債券・現金」などにどう分けて持つかを決めることです。難しい言葉に聞こえるかもしれませんが、毎日の食事で野菜、魚、米、などどのような割合で食べるかと同じです。たとえば、米を「コシヒカリ」か「あきたこまち」か「ひとめぼれ」か、銘柄を選ぶよりも、そもそも米をどのくらいの量を食べるかの方が健康に大きく影響する、ということと同じです。 

1991年にアメリカの研究者らが、運用リターンの9割が資産配分によって決まるという論文を発表しました。この考え方は、今でも資産運用の基本です。「どの投資信託を買うか」を考えるより前に株・債券などにどう配分するかを決める方が、長期的な運用成果を大きく左右するというわけです。 

資産配分が「投資の基本」である理由

資産配分の核心にあるのが、「分散投資」という考え方です。分散投資とは、資産を複数の種類・地域に分けて持つことで、一か所での損失が全体に大きく影響しないようにする戦略のことです。 

たとえば、日本の株だけに集中投資していた場合、日本経済が好調な時はリターンも大きいですが、経済が停滞してしまうと、自分の資産全体もダメージを受けてしまいます。 

一方、日本の株だけでなく海外株や債券にも分散していれば、どれかが下がってもほかの資産がその下落を補ってくれることがあります。 

分散の方法は大きく分けて2種類です。 

①資産の分散(何に投資するか) 
株式:値動きが大きいが、長期では高いリターンが期待できる可能性が高い 
債券:値動きは比較的マイルドで、利子がつく 

一般的に株式と債券は逆の動きをすると言われており、株式市場が上昇すると債券市場は下落し、株式市場が下落すると債券市場は上昇する傾向があります。常に逆の動きをするとは言い切れませんが、両方の資産を合わせ持つことで、互いの値動きを補完し合うことができます。 

②地域の分散(どこの市場に投資するか) 
日本だけでなく、米国・欧州・新興国など複数の国や地域に分けて投資することで、特定の国の経済状況に左右されにくくなります。 

「株式・債券・国内・海外……全部考えると複雑すぎてわからない」と思った方もいるかもしれません。しかし、そもそも投資信託は、それらがパッケージになった金融商品のため、初心者でも選びやすくなっています。そこで、次は、具体的にどのような投資信託を選べば良いか解説します。 

3.投資信託の選び方

投資信託とは、投資家から集めたお金をひとつにまとめ、運用のプロが株式や債券などに投資して運用してくれる商品のことです。いわば「投資の詰め合わせパック」です。 

現在、日本には数千本もの投資信託がありますが、NISAのつみたて投資枠対象商品は約350本に絞られています。これは金融庁が「長期・分散・積立」に適していること、かつ、コストが一定水準以下であることなど基準をクリアした商品に限られているからです。それでも、数百本の中から選ぶのは迷うものです。ここでは、失敗しない選び方の基準をお伝えします。 

失敗しないための3つの基準

①分散されているか 
投資の基本は分散です。どこに投資されているかは投資信託の名前から、ある程度判断できます。「全世界株式」「先進国株式」「新興国株式」など投資先が名前に入っていることが多いためです。 

  • 全世界株式:日本を含む先進国から新興国まで世界中の株式を対象とした投資信託です。これ一本で世界中の企業に分散投資ができます。この商品の多くは、アメリカへの投資が約6割、アメリカ含む先進国への投資が約9割と、実質的には先進国中心の構成となっています。 
  • 先進国株式:アメリカ、ヨーロッパなど先進国の株式を対象とした投資信託です。 
  • 新興国株式:インドや台湾など新興国の株式を対象とした投資信託です。 

 「新興国株式」は、値動きが大きく一般的にハイリスクハイリターンな傾向があるため、「全世界株式」か「先進国株式」から始めると大きな値動きを避けやすくなります。 

なお、NISAの「つみたて投資枠」には、債券のみに投資する商品は現状ありません。(2026年以降に追加される方針が示されています)。そのため、株式だけでなく債券も組み込みたい場合は、両方に投資する「バランス型」の投資信託を選びます。「バランス型」とは、1本で、株式・債券・不動産などの複数の資産に投資をしている投資信託です。 

たとえば、全世界の株式と全世界の債券にまとめて投資するバランス型の商品もあります。分散効果が高く、債券も組み入れられているため株式100%の投資信託と比べ値動きが穏やかです。資産配分を自分で考えるのが難しい、まずは安定運用から始めたい人は、バランス型を取り入れるのも選択肢の一つになるでしょう。 

②純資産総額が一定規模以上か 
「純資産総額」とは、そのファンドにどれくらい資金が集まっているかを示す数字です。この金額が大きければ大きいほど、多くの投資家に支持されており、運用が安定していると言えます。 

目安として、純資産総額が30億円以上あり、かつ右肩上がりで増えている商品を選ぶと安心です。あまりに規模が小さいと、運用が途中で終わってしまう(繰上償還)リスクがあります。 

③手数料(信託報酬)を比較する 
投資信託を保有している間は、資産残高に応じて信託報酬という手数料を払います。この信託報酬は、安ければ安いほど良いわけではありません。なぜなら、高くても良い成績を出してくれるなら、支払う価値はあるからです。ただし、投資内容が同じであれば、安いに越したことはありません。たとえば、「全世界株式」に投資するなら、同じカテゴリの商品を複数比較して、最も信託報酬が低いものを選ぶ方法でもよいでしょう。厳密には、「全世界株式」の投資信託すべてが同じ投資内容というわけではないのですが、初心者のうちは、名前で判断しても大きな問題ではありません。 

たとえば、過去の利回りが5%の投資信託で信託報酬が0.5%の場合、実質的な利回りは4.5%になります。信託報酬は、わずか数パーセントですが、10年、20年と運用を続け、資産が増えれば増えるほど手数料の金額も大きくなるため、最終的な受取額に大きな差が出ることがあります。証券会社によっては、信託報酬の低い順に並び替える機能もありますから、この機能を使って確認するとわかりやすいでしょう。 

4.初心者は“つみたて投資”を選ぶ

投資信託の選び方がわかったところで、次は「どうやって買うか」という購入方法について考えましょう。投資には大きく分けて「一括投資」と「つみたて投資」という2つの方法があります。結論から言えば、初心者の方には「つみたて投資」が圧倒的におすすめです。 

なぜつみたて投資が初心者に向いているのか

①価格を気にすることなく買える(時間分散の効果) 
投資商品を購入するときに考えがちなのが「今が買い時なのか?」です。しかし、「今が買い時か」「今が安いか」は、誰にもわかりません。しかし、長期運用を前提にすれば、時間をかけて経済が発展するにつれて株価は上昇し、自分の資産も増えていく可能性が高まります。 

つみたて投資であれば、毎月決まった日に機械的に購入するため、「安いか、高いか」という悩みから解放されます。値段が高いときには少なく買い、安いときには多く買うことで、購入価格を平準化する効果があります。これを「ドルコスト平均法」と呼びます。 

下の表をご覧ください。例えば、ジュースを3ヶ月で合計3,600円分購入するとします。1ヶ月目は1本200円、2ヶ月目は120円、3ヶ月目は240円でした。最初に3,600円分をまとめて購入すると、1本200円で18本購入することになります。 

一方、毎月1,200円ずつ購入すると、2ヶ月目は安いためたくさん買え、3ヶ月目は高いため少ししか買えません。その結果、合計で約21本購入でき、平均購入価格は約171円になります。 

 

ジュース1本の価格 

一括購入 

(1ヶ月目に3,600円分購入) 

毎月1200円分購入 

1ヶ月目 

200円 

18本 

6本 

2ヶ月目 

120 

購入なし 

10本購入 

3ヶ月目 

240 

購入なし 

5本購入 

合計購入金額 

 

3,600円 

3,600 

購入本数 

 

18本 

21 

1本あたり平均価格 

 

200円 

171 

このように、つみたて投資では、価格が高い時は少なく、安い時は多く買うことになり、購入価格を抑える効果があります。日々「安い?」「高い?」と価格を気にすることなく淡々と続けられるのが大きなメリットです。 

②一度に大きな金額を用意しなくていい 
投資を始めたいと思っても、すぐに数十万円、数百万円も準備するのは難しいものです。つみたて投資なら、毎月数千円〜数万円、証券会社によっては100円からでもスタートできます。生活費を圧迫することなく、無理のない範囲で続けることができるのです。 

③心理的な負担が小さく長続きしやすい 
投資で最も怖いのは「大きく下落したらどうしよう」という不安です。もし100万円を一括で投資した翌日に市場が10%暴落したら、一気に10万円の含み損を抱えます。精神的なダメージは大きいものです。一方、毎月1万円ずつ積み立てているなら、10%暴落しても、損失は限定的ですし「今月は安く買えるチャンス」と前向きに捉えることもできます。下落時でも平常心で積立ができるこの心の余裕こそが、投資を長く続けるための最大の武器になります。 

時間」が最大の味方──初心者こそ早くスタートすべき理由

積立投資は毎月、少しずつ投資をしていくため、一気に利益が増える手法ではありません。しかし、時間が経つほど、複利効果が積み重なり、資産の成長が加速していきます。 

複利とは、「利益がさらに利益を生む」仕組みのことです。元本だけでなく、得られた利益にも運用益がつくため、時間が経つほど雪だるま式に資産が増えていきます。 

たとえば、毎月1万円を年利3%で積み立てた場合、以下のようになります。 

積立期間 

積立元本 

資産額(元本+運用益) 

資産運用益 

10年 

120万円 

約139万円 

約19万円 

20年 

240万円 

約328万円 

約88万円 

30年 

360万円 

約582万円 

約222万円 

 元本は10年ごとに120万円ずつ増えていきますが、運用益は10年で約19万円、20年で約88万円、30年で約222万円と、時間が経つほど加速度的に大きくなっていることがわかります。 

だからこそ「早く始めること」が最大の武器になります。「もっと勉強してから」「もっとお金が貯まってから」と先延ばしにすると、その分だけ複利の恩恵を受けられる時間が減ってしまいます。完璧なタイミングを待つより、少額でも今すぐ始めるほうが、長期的な資産形成には大切です。  

5.積立設定をする

積立の重要性がわかったところで、早速積立設定をしましょう。 

①商品を選ぶ 
前章で解説した基準をもとに投資信託を選びます。証券会社によっては、「つみたて投資枠対象商品」に絞って純資産額の多い順に並び替えできます。選びやすくなりますから活用してみてください。投資信託の説明ページに「積立」ボタンがありますから、ボタンをクリックして次に進みましょう。 

②積立額を決める 
次に「いくら積み立てるか」を決めます。最低金額は証券会社によって異なりますが、ネット証券の多くは月100円から設定可能です。無理のない金額でスタートし、慣れてきたら増額することもできます。大切なのは「続けられる金額」であることです。 

③引き落とし方法を設定する 
積立資金の引き落とし方法を選びます。主な選択肢は以下の3つです。 

証券口座からの引き落とし:証券口座にあらかじめ入金しておき、そこから自動で買い付ける方法 
銀行口座からの自動引き落とし:指定した銀行口座から毎月自動で証券口座に入金され、そのまま買い付ける方法 
クレジットカード決済:クレジットカードで積立額を支払う方法 

特におすすめなのは、クレジットカード決済です。カードによって、積み立てるだけでポイントが貯まります。対応しているカードや還元率は証券会社によって異なるので、事前に確認しておきましょう。

④積立サイクル・積立日を決める 
証券会社によっては、毎日・毎週単位で積立ができる会社もあります。時間の分散という点では、毎日が最も分散できますが、毎月でも十分な分散効果はあります。積立サイクル・積立日は自分が管理しやすいものを設定しましょう。 

⑤設定完了 
最後に口座区分を「NISAつみたて投資枠」を選んで、パスワードを入力して申し込みボタンをクリックすれば、積立設定完了です。  

変更はいつでも可能

積立設定が完了した後も、商品や金額・引き落とし方法などはいつでも変更可能です。最初は月100円や1,000円から始めて、慣れてきたら徐々に増額する方法でもかまいません。投資する商品も、いつでも変更できます。 

積立投資は「一度設定したら変えられない」ものではありません。途中で調整しながら、自分のペースで続けられます。ただし、頻繁に金額や商品を変えると運用効率が下がることもありますから、変更するとしても1年に1回以内が無難です。

6.積立スタート後にやること

積立設定が完了したら、あとは基本的に「ほったらかし」でOKです。ただ、余裕があれば定期的にリバランスを行うと良いでしょう。 

リバランスの考え方──バランスが崩れたら調整

 長期間投資を続けていると、当初決めた資産配分が、市場の値動きによって崩れてくることがあります。これを元の配分に戻す作業を「リバランス」と言います。 

例えば、全世界株式90%、日本株10%を積み立てているとしましょう。この割合が全世界株式70%、日本株30%になった場合、日本株の増えた20%分を売却して全世界株を20%買い増すことで、元の配分に戻すことができます。これにより、リスクをコントロールしながら運用を続けることができます。 

ただし、難しければ無理にリバランスをする必要はありません。特に投資を始めたばかりの方や、「全世界株式型」1本で運用している方は、放置していても問題ありません。積立投資における一番の敵は、やめてしまうことです。

よくある質問

 ここまで読んで、まだ疑問や不安を感じている方もいるかもしれません。初心者の方からよく寄せられる質問にお答えします。

Q1.いくらから始めればいい? 

 できれば、将来必要な金額から逆算して積立額を設定するのが理想です。そのためには、何のためにNISAをするのか、目的を明確にしておくことが大切です。目的や目標額がはっきりしていると目標達成しやすく家計管理もうまくいきます。 

しかし、目的を明確にするのが難しかったり、将来必要な金額が分からなかったりする場合は、まずは家計に無理のない範囲で始めましょう。 

Q2.下落したらどうする? 

 いつも通り積立を続けるのが正解です。いつの時代でも、必ず「市場が荒れる」タイミングがやってきます。世界経済の不況、株価の暴落、政治的な混乱……こうした出来事が起きると、資産が一時的に大きくマイナスになることもあります。そんなとき、不安になって「もう売ってしまおう」「積立をやめよう」と考えてしまう気持ちはよく理解できます。しかし、ここで売却してしまうのが最大の失敗です。 

下落したからといって慌てて売却したり、上昇しているほかの銘柄を購入したりすると「安く売って高く買う」という利益を出すパターンとは逆の行動になっています。市場が荒れたときこそ、「何もしない勇気」を持つことが大切です。淡々と積立を続けましょう。 

Q3.成長投資枠は使うべき? 

 初心者の方は、まず「つみたて投資枠」から始めるのが無難です。つみたて投資枠の年間投資上限額は120万円のため、この金額以上投資をしたい場合は成長投資枠も活用すると良いでしょう。成長投資枠でもつみたて投資枠の商品を購入できますし、積立投資をすることもできます。 

Q4.NISAで買った商品はいつでも売れる? 

 NISAで購入した商品はいつでも売却できます。急な出費が生じた場合など、必要なときに売ることが可能です。 

ただし、注意点があります。積立投資は長期運用してこそ効果を発揮します。できる限り短期的な売却は避けられるよう、緊急資金は手元に置いた上で、使う予定のない資金で積立をして、基本的には長期保有を前提に考えましょう。 

なお、売却した分のNISAの非課税枠(生涯投資額1,800万円のうちの利用枠)は、売却した翌年に復活し、再利用できるようになります。このとき復活するのは、売却した金額ではなく、購入時の金額(簿価)です。たとえば、100万円で買った商品が120万円になり、120万円で売却した場合、復活する非課税枠は100万円となります。

まとめ

 NISAで積立投資を始める方法についてお伝えしてきました。資産形成には時間がかかるからこそ、少額からでも早く始めることが何より大切です。最初から資産運用についてすべて理解する必要はありません。 

まず押さえておくべきは、このコラムでお伝えした「資産配分の重要性」と「なぜ初心者は積立投資が向いているのか」という2点です。リスク分散のための資産配分と積立投資の仕組みを理解しておけば、下落時でも慌てることなく長期運用を達成できます。まずは証券口座を開くところから始めてみましょう。 

 

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FPオフィスAndAsset代表 前田菜緒
監修者
FPオフィスAndAsset代表 前田菜緒
大手保険代理店での勤務を経て独立し、子育て世帯向けに住宅購入、教育費準備、資産形成を中心としたライフプラン相談を行う。家計の黒字化支援を得意とし、「経済的理由で進学をあきらめる子をなくしたい」という想いのもと、離婚に迷っている人のライフプラン相談にも取り組んでいる。 ■保有資格・認定職業 1級ファイナンシャル・プランニング技能士、公的保険アドバイザー、夫婦問題診断士 ■著書 書けばわかる!わが家の家計にピッタリな子育て&教育費のかけ方(翔泳社)
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