太陽光パネルはリサイクルできない?できないと言われる理由や現状の課題を解説
編集者:【大阪ガス】Daigasコラム編集部
「太陽光パネルはリサイクルできない?」
「リサイクル制度が普及しない理由は?」
太陽光発電の普及にともない、これから大量のパネルが寿命を迎えるといわれています。2030年以降には発電性能の落ちたパネルが大量に廃棄されることも予想されています。
しかし、太陽光パネルのリサイクルはあまり普及していません。廃棄問題に直面する前に、太陽光パネルのリサイクル事情について把握しておくことは非常に重要です。
この記事では、太陽光パネルがリサイクルできないと言われる理由や、その実態について詳しく解説します。ぜひ参考にしてください。
目次
太陽光パネルは「リサイクルできない」って本当?
【結論】リサイクルは可能だが普及していない
結論からいうと、太陽光パネルのリサイクルは可能ですが、あまり普及していません。現時点では太陽光パネルの適切な分解や、素材の回収に高度な技術が必要です。
太陽光パネルは構造の複雑さや有害物質を含む素材の影響で、リサイクルには大きなハードルが存在します。処理施設も少なく処分の仕組みとして不十分です。
そのため、正確な表現ではありませんが「リサイクルできない」と言われるケースが多くなっています。今後のリサイクルの拡大についても大きな課題があります。
リサイクルが難しいとされる理由
- 素材の分離が難しい
- 有害物質の処理が必要
- 制度が整備されていない
- リサイクルに関する情報が不足
太陽光パネルは、ガラス・アルミ・シリコン・銅などの素材で構成されています。多くの部品が強固に組み合わされるため、分離に手間とコストがかかるのがリサイクルを困難にする原因です。
また、一部には鉛やカドミウムなどの有害物質が含まれており、処理する際に安全面の配慮が必要です。正しく処理しない場合は、環境に大きな負荷がかかります。
制度や情報の不足もリサイクルの障壁です。海外や倒産済みのメーカーが製造したものは、製品情報が手に入らない関係で処理が難しくなるケースがあります。
リサイクルできないパネルの具体例
破損や汚れなどでリサイクルできないケース
火災や台風などの災害で大きく破損したパネルは、リサイクルが難しい場合があります。また、一般的な使用であっても太陽光パネルの汚れは無視できません。屋外に設置するため、どうしても砂や泥などで汚れてしまいます。
リサイクルを適切に行うにはパネルに使われているパーツの適切な分離が必要です。分離が難しいほどの損壊や、コストがかかる汚れがあると、資源としての利用は困難です。
リサイクルの対象にならないパネルは資源として利用はできずに、産業廃棄物として処理するしか選択肢がありません。
古い規格や特殊なパネルはリサイクル難易度が上がる
設置から長い期間が経過したパネルは、規格や素材が現在のものと異なっている可能性があります。また新しいものでも、あまりに特殊な規格だとリサイクルは難しいです。
古いものの場合は、リサイクルを想定していないパネルの可能性が高く、難易度は上がります。仕様書などが手に入らない場合は、分解の方法を把握するのも難しいです。
また、技術の発展によってこれまでと異なる方式で作られるパネルも、リサイクルの難易度が高い傾向があります。新しい素材の分解はこれまで培ってきたノウハウが使えないからです。
太陽光パネルのリサイクルが進みにくい理由
構造的にリサイクルの難易度が高い

※画像はDaigasコラムが作成
太陽光パネルは、部材が強固に接着されているため構造的にリサイクルが困難です。ガラスや太陽電池セル、樹脂、配線などが何層にも重ねて圧着されており、長期的な耐久性を実現しています。
特に太陽電池セルを封止するEVA樹脂※の分離は、リサイクルを難しくする大きな要因です。屋外の過酷な環境からセルを守るために使われるもので、簡単には分解できません。
高度な技術でなければ部材を綺麗に分離できず、リサイクルできる資源の品質が低下してしまいます。無理に分解しようとすると、ガラスが破損したり、セルが損傷したりする恐れがあります。
※EVA樹脂とは:太陽光パネルの封止に使われる熱に強い接着素材。20年以上の屋外使用にも耐えられる高い耐久性を誇る。
リサイクルのコストが高い
太陽光パネルのリサイクルは、処理費用が回収できる資源の価値を上回る点も障壁です。複雑な構造のパネルを分解するには、専門の設備や多くの手間がかかり、高いコストが発生します。
パネルから回収できるアルミや銅は価値がありますが、ガラスやシリコンの売却益は限定的です。リサイクルによって得られる利益では、処理にかかる費用を賄えないのが実情です。
採算が取れないため、ビジネスとして成り立たず、結果的に廃棄物として処分する方法が選択されがちです。経済的な合理性の観点から、リサイクルが敬遠される傾向にあります。
制度や仕組みが整っていない
太陽光パネルには、使用後の回収やリサイクルを義務付ける全国的な法制度がまだ整備されていません。そのため、パネルの利用者や処理業者に対応が委ねられています。
例えば、テレビや冷蔵庫には「家電リサイクル法」がありますが、太陽光パネルには同様の制度が存在しません。法的な枠組みがないため、処分の責任が曖昧になっています。
一部の自治体や事業者が独自に回収やリサイクルに取り組んでいますが、全国的な仕組みは発展途上です。国や業界全体で統一されたルール作りが、直近の大きな課題になっています。
リサイクルとは別に「リユース」という選択肢も存在する
使える太陽光パネルをリユース(再利用)する
リサイクルとは別に「リユース(再利用)」で廃棄量を減らす動きも存在します。太陽光パネルをそのまま再利用することで、中古製品として市場に流通します。
リユースを進めることはリサイクルとは異なるアプローチで廃棄量を減らす効果があります。また、新品よりも安く出回ることから初期費用を抑えられる点もメリットです。
もし、利用していた太陽光パネルをリユースしたいなら、専門の業者に見積もりを依頼するのがおすすめです。リサイクルなどの可能性も含めて、幅広いアドバイスを受けられます。
リユースが進みにくい理由と注意点
中古の太陽光パネルは性能に個体差があり、品質の保証が難しいためリユースは限定的です。長期間の使用による劣化具合が不明確で、購入後に期待した性能を発揮しないリスクがあります。
性能の検査や設置工事にも費用がかかり、経済的に新品を購入する方が合理的と判断される場合があります。制度的にもFIT※による売電契約ができないため、敬遠されやすいです。
また、日本国内では新品パネルが安価に流通していることも、中古品の需要が伸び悩む一因です。市場の状況から、現状ではリユースという選択肢が積極的に選ばれにくいといえます。
※FIT(固定価格買取制度)とは:再生可能エネルギー由来の電力を一定価格で買い取ることを国が約束する制度。買取価格は毎年度検討され、経済産業大臣が決定する。
太陽光パネルの困りごとは専門窓口へ相談
太陽光パネルの処分やリサイクルは、制度が発展途上なこともあり、多くの専門知識が必要です。所有しているパネルの状況や、お住まいの地域によっても最適な選択肢は異なります。
気になることがあれば、太陽光発電のプロに相談してみましょう。現在の状況整理から将来の計画まで、第三者視点から、最適なアドバイスをしてくれます。
太陽光パネルのリサイクルは専門の業者に依頼するべき
安全に処分できる可能性が高いから
太陽光パネルをリサイクルする際は、専門の業者に必ず依頼しましょう。
太陽光パネルの収集や運搬、処理・処分は、廃棄物処理法により定められており、産業廃棄物収集運搬業と処分業の許可がなければ対応できません。
もし、許可を取得していない業者に依頼してしまうと、環境対策が不十分なまま処理され有害物質が環境中に放出されてしまったり、不適正管理によって火災が発生したりと、さまざまなリスクがあります。
太陽光パネルは有害物質も含むため、正しく処分されないと環境破壊に繋がります。
業者に依頼する際は、必ず認可を取得している業者か確認(※)しましょう。
※「優良産廃処理業者ナビゲーションシステム」から許可を取得している業者を探すことができます。
参考:環境省|いらなくなった家電製品は正しくリユース・リサイクル!
参考:公益財団法人産業廃棄物処理事業振興財団
太陽光パネルの処分に関する将来的な問題
近い将来に大量廃棄が問題になる可能性がある
2030年代後半から、FITが終了した太陽光パネルが寿命を迎え、大量に廃棄されると予測されています。環境省などの推計※によると、排出量が急増し、産業廃棄物の最終処分場が不足する事態が懸念されています。
また、太陽光パネルには鉛やセレンなどの有害物質が含まれており、不適切な管理は環境汚染の原因になりかねません。破損したパネルが野ざらしにされると、有害物質が土壌や地下水へ流出するリスクがあります。
この問題に対処するため、国はリサイクルの義務化に向けた法整備を進めています。将来の大量廃棄時代に備え、政府と民間が連携してリサイクルできる仕組みの構築が進んでいます。
※参考:環境省「太陽光発電設備のリサイクル制度のあり方について」
利用者として設置前にリサイクルまでの道筋を意識するべき
将来の処分を見据え、契約時からリサイクル体制の整ったメーカーや施工会社を選ぶことが重要です。事業者の環境に対する方針や、撤去・リサイクル費用の取り扱いについて事前に確認しておきましょう。
定期的なメンテナンスでパネルの性能を維持し、製品寿命を延ばすことも廃棄量の抑制につながります。適切な管理は、長期的な発電効率の安定化だけでなく、環境負荷の軽減にも貢献します。
処分方法や費用の相場に関する情報をあらかじめ集めておくことで、将来的な負担を軽減できます。いざという時に慌てないよう、信頼できる相談先を見つけておくなど、今から準備を進めることが大切です。
まとめ:リサイクルは今後拡大する可能性が高い
太陽光パネルのリサイクルは現状あまり普及していません。しかし、現時点でも問題意識は持たれていて、今後国の法整備などが進み拡大する可能性が高いです。
特に2030年以降の廃棄問題は大きな問題になっていて、リサイクルも含めた資源の活用は大きく注目されています。利用者としても、ただ設置するのではなく環境にも配慮した処分を検討する必要があります。
長期間利用するためにも、設置後のメンテナンスまでワンストップで対応できる大阪ガスにご相談ください。大阪ガスでは、太陽光発電の専門家から安全性を重視した導入・運用プランを提案してもらえます。
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