瓦屋根に太陽光パネルは設置できる?施工方法や費用・注意点について解説
編集者:【大阪ガス】Daigasコラム編集部
「瓦屋根に太陽光パネルは設置できる?」
「施工方法や設置費用が知りたい」
瓦屋根の住宅にお住まいで、太陽光パネルの導入を検討している方は少なくありません。近年、電気代の高騰をきっかけに自家発電を始めたいと考える方が増えています。
しかし、瓦屋根へのパネル設置は雨漏りや火災のリスクがあると聞き、不安に思う方もいますよね。導入を決める前に、施工方法や設置費用を把握することが重要です。
本記事では、瓦屋根における太陽光パネルの施工方法について解説します。あわせて、設置費用や導入時の注意点についても紹介するので参考にしてください。
目次
【結論】瓦屋根に太陽光パネルは設置できる
結論として、瓦屋根に太陽光パネルを設置することは可能です。屋根への設置負担を抑えた、専門的な施工技術が確立されています。
また、近年では発電機能を備えた瓦屋根も開発されています。設置済みの瓦と差し替えることで、屋根の見た目を損なわない設置方法も選べるようになりました。
ただし、パネルを安全に設置するには、瓦屋根の特性を熟知した業者を選ぶ必要があります。施工がずさんな場合、雨漏りや瓦の破損といったトラブルを招く危険もあります。
- ※瓦屋根の仕組み
瓦の種類と特徴
| 特徴 | |
|---|---|
| 粘土瓦 (陶器瓦など) |
・粘土を材料とする瓦 ・経年劣化しにくい ・塗り替えが不要 |
| セメント系 屋根材 (セメント瓦/ 化粧スレート) |
・セメントを主成分とする屋根材 ・カラーバリエーションが豊富 ・定期的な塗装メンテナンスが必要 |
| 金属瓦 | ・金属を材料とする瓦 ・耐火性に優れる ・サビにくい |
| 瓦一体型 パネル※ |
・瓦型の太陽光パネル ・屋根の見た目を損なわずに設置できる ・既築の場合は屋根の葺き替えが必要 |
- ※瓦一体型パネルとは
瓦には粘土瓦やセメント系屋根材、金属瓦、瓦一体型パネルなど複数の種類があります。それぞれ耐久性や重量が異なるため、設置時は瓦の特性に応じた施工方法を選ぶことが大切です。
粘土瓦は重さに強く劣化しにくいため、長期間にわたり安定した運用が可能です。一方、セメント系屋根材はデザイン性に優れるものの、十数年ごとの塗り替えが必要となります。
金属瓦は耐火性と防錆性に優れる、頑丈な点が特徴です。また、瓦一体型パネルは瓦自体に発電機能を持たせる製品で、屋根の景観を損なわずに設置できます。
瓦屋根と太陽光パネルの相性は良い
瓦屋根は、太陽光パネルと相性の良い屋根材です。高い耐久性を備えており、パネルを設置しても防水性や断熱性などの機能を損なわずに活用できます。
さらに、瓦屋根は太陽光パネルの寿命を上回る耐用年数を持つのが特徴です。太陽光パネルの寿命が25~30年※1に対して、瓦屋根の耐用年数は34~38年※2とされています。
瓦屋根の施工に精通した業者に依頼すれば、屋根の耐久性を損なうことなく太陽光パネルを設置できます。業者選定の際は、太陽光発電の専門家が在籍する大阪ガスにご相談ください。
※1 参考:Daigasコラム「太陽光パネルの寿命は?劣化原因や長持ちさせるコツを解説」
※2 参考:国税庁(法定耐用年数は税法上の資産価値を示す年数であり、実際の寿命とは異なります。瓦の種類や設置環境、メンテナンス状況によっては、さらに長期間にわたり使用できる可能性があります)
瓦屋根に太陽光パネルを設置する5つのリスクと対策方法
- 重量負荷による耐震性低下のリスク
- 瓦のひび割れやズレが発生するリスク
- 住宅の見た目に影響を及ぼすリスク
- 火災発生のリスク
- 取り外し後の修繕に手間が掛かるリスク
重量負荷による耐震性低下のリスク
瓦屋根に太陽光パネルを載せると、重量負荷により建物の耐震性が低下する恐れがあります。屋根の荷重が増えることで、住宅への負担が大きくなるからです。
さらに、パネルの設置位置によって住宅の重心が変化し、地震時の揺れ方に影響する可能性があります。特に、屋根の片面にパネルが集中すると建物に負荷が掛かりやすくなります。
設備導入の前には、専門業者による詳細な現地調査が欠かせません。さらに、耐荷重を想定したシミュレーションを実施し、安全性を確認したうえで施工を進めることが重要です。
瓦のひび割れやズレが発生するリスク
太陽光パネルを瓦屋根に設置した場合、瓦のひび割れやズレが発生するリスクがあります。長い期間特定の場所に重量負荷が掛かるため、経年劣化によって破損する可能性があるからです。
万が一瓦が破損すると、雨漏りの発生や断熱性能が低下する原因となります。また、破片の落下による事故・怪我の恐れもあるため非常に危険です。
不具合を防止するには、耐久性に優れた粘土瓦や金属瓦への葺き替えが有効です。また、専門業者による定期点検を必ず実施し、瓦やパネルの状態を継続的に確認しましょう。
住宅の見た目に影響を及ぼすリスク
瓦屋根に太陽光パネルを設置すると、屋根のデザイン性が損なわれる可能性があります。屋根全体がパネルで覆われるため、外観の印象が大きく変化してしまうからです。
デザイン性を重視する場合は、発電機能を備えた瓦一体型パネルを選ぶのがおすすめです。瓦屋根の見た目を変えることなく太陽光発電を導入できます。
また、施工イメージのズレを防止したい方は、事前に業者へ完成イメージ図の作成を依頼すると安心です。複数のパターンを比較することで、納得のいく外観を実現できます。
火災発生のリスク
瓦屋根に太陽光パネルを設置した場合、火災発生のリスクが高まります。特に、屋根材に延焼すると消火活動が難しくなり、被害が拡大する恐れがあります。
リスクを抑えるためには、適切な施工ができる設置業者を選ぶことが重要です。配線トラブルや発熱による出火を未然に防げます。
また、パネルの下に落ち葉やホコリが溜まると出火の原因となります。定期的にメンテナンスを実施し、パネルや配線に汚れ・不具合がないか確認しましょう。
取り外し後の修繕に手間が掛かるリスク
瓦屋根に太陽光パネルを載せる際、取り外し後の修繕に手間が掛かるリスクがあります。パネル撤去後の瓦屋根には穴や傷が残っているため、雨漏りが発生する可能性が高いです。
また、瓦に穴を開けて太陽光パネルを設置した場合、新しい瓦への差し替えが必要です。瓦の購入や設置工事の実施には、高額なコストが掛かる恐れがあります。
取り外し後のリスクを避けるなら、将来のパネル撤去を見据えて施工業者を選ぶことが重要です。これから太陽光発電を導入する方は、運用プランについて専門業者に相談しましょう。
瓦屋根への太陽光パネル設置におすすめの施工方法
- アンカー工法
- 差し込み金具工法
- 支持瓦工法
アンカー工法
※画像はDaigasコラムが作成
アンカー工法は、屋根材に穴を開けて支柱を固定し、その上に架台と太陽光パネルを設置する方法です。屋根に直接支柱を取り付けるため、他の施工方法と比べて頑丈な点が特徴です。
アンカー工法で設置した太陽光パネルは、耐荷重性に優れ、台風や積雪に強いのが大きなメリットです。自然災害が多い地域でも、安心して太陽光パネルを設置できる施工方法と言えます。
一方、瓦や屋根材に穴を開けるため、雨漏り発生のリスクが伴います。施工時には、穴あけ箇所への適切な防水処理が必要です。
差し込み金具工法
※画像はDaigasコラムが作成
差し込み金具工法は、専用の金具を使って太陽光パネルを固定する施工方法です。瓦の形状に合わせて金具を設置できるため、幅広い種類の瓦屋根に対応できます。
施工の際は、屋根材に補強板を取り付けて専用の金具を固定します。さらに、瓦の側面を加工して金具を屋根面に出し、その上に架台とパネルを取り付けます。
瓦に穴を開けないため、雨漏りのリスクを抑えられるのがメリットです。ただし、瓦の加工が不十分だと雨水が侵入する恐れがあるため、高い技術力を持つ施工業者を選ぶことが重要です。
支持瓦工法
※画像はDaigasコラムが作成
支持瓦工法は、既存の瓦の一部を「支持瓦」と呼ばれる専用の瓦に差し替える工法です。支持瓦には架台を支えるパーツが付いているため、瓦に穴を開けずに太陽光パネルを設置できます。
施工の際は、屋根材に補強板を取り付けた上に支持瓦を設置します。屋根材への穴あけが最小限で済むため、耐久性を長期的に確保できる点が大きな強みです。
ただし、専用の瓦を導入するため初期費用は高くなる傾向があります。支持瓦工法は、屋根への穴あけを避けたい方におすすめです。
瓦屋根の太陽光パネル設置に掛かる費用
| 工事の内容 | 費用 | |
|---|---|---|
| 太陽光発電の 設置費用※1 |
28.6万円/kW | |
| 瓦屋根の 工事費用相場※2 |
差し替え (1枚あたり) |
5,000円~3万円 |
| 瓦の 並べ直し |
5,000円~5万円 | |
| 漆喰の 詰め直し |
3~40万円 | |
| 雨漏り対策の 工事費用相場※2 |
コーキング (防水処理) |
1~5万円 |
| 屋根材の 部分的な交換 |
1~20万円 | |
瓦屋根に太陽光パネルを設置する場合、費用は容量1kWあたり約28.6万円※1が目安です。設置規模が大きくなるほど費用が増えるため、家計に合わせた容量の選定が重要です。
加えて、瓦屋根の状態によっては追加費用が発生します。瓦の差し替えや並べ直しには5,000円~5万円程度、劣化が進んでいる場合は1~20万円の工事費用※2が必要です。
正確な費用を把握するには、専門業者による現地調査が欠かせません。複数社から見積もりを取り、費用の内訳や追加工事の条件を比較しましょう。
※1 参考:資源エネルギー庁「太陽光発電について」
※2 参考:カインズリフォーム
瓦屋根に太陽光パネルを設置する際の3つの注意点
- 瓦の材質や劣化状態を確認する
- 瓦屋根の施工実績が豊富な業者を選ぶ
- 保証内容やフォロー体制を確認する
瓦の材質や劣化状態を確認する
瓦屋根に太陽光パネルを設置する際は、瓦の材質や劣化状態を確認しましょう。屋根の状態によって適切な施工方法が異なるため、業者による事前調査が欠かせません。
特に築年数が古い住宅では、瓦が割れやすくなっていたり、屋根材が傷んでいる可能性があります。補修工事を実施すれば、長期間不具合なく設備を運用できるため安心です。
事前調査なしにパネルを設置した場合、住宅の耐震性を損なう可能性があります。劣化が見つかった場合は補修工事を実施し、屋根の強度と耐久性を確保しましょう。
瓦屋根の施工実績が豊富な業者を選ぶ
瓦屋根に太陽光パネルを設置する際は、施工実績が豊富な業者を選ぶことが重要です。瓦屋根の施工に精通しているため、自宅の屋根に合った施工方法を提案してもらえます。
業者選定の際は、公式サイトで施工事例を確認しましょう。瓦屋根の工事写真が多いかどうか、自宅と近い施工事例があるかをチェックすることで、信頼性を見極めやすくなります。
一方、実績の少ない業者に依頼すると、瓦の破損や雨漏りのリスクが高まります。施工技術が不十分だと後々の補修費用が増加する可能性があるため必ず確認しましょう。
保証内容やフォロー体制を確認する
瓦屋根に太陽光パネルを設置する際は、施工業者の保証内容やアフターフォロー体制を必ず確認しましょう。保証の手厚い業者と契約すれば、万が一の際も迅速に対応してもらえます。
また、設置後の定期点検やメンテナンス対応の有無も確認すべきポイントです。瓦のズレや破損を早期発見できれば、雨漏りや設備故障などのリスクを大幅に減らせます。
保証やサポートが手厚い業者を選べば、瓦屋根特有のリスクに備えながら運用できます。業者選定にお困りの方は、太陽光発電の専門家が在籍する大阪ガスにご相談ください。
瓦屋根に太陽光パネルを設置する際によくある質問
太陽光パネルの重さはどれくらい?
太陽光パネルの重さは、1枚あたり約15~20kg※1が目安です。容量4kWの太陽光発電を導入した場合、屋根に150~200kg※2の重量負担が掛かります。
パネルの設置場所が偏ると、住宅の重心が変化するため耐震性に影響を及ぼす可能性があります。安全性を確保するなら、パネルをバランスよく分散して設置するのがおすすめです。
設備導入の際は、必ず専門業者による屋根の状態確認が実施されます。耐震性や屋根材の劣化状況を調査したうえで、設置環境に適した施工方法を選定してもらえるので安心です。
※1 参考:Daigasコラム「太陽光パネルのサイズ一覧と選び方!メーカー別に大きさ・重量・性能を徹底比較」
※2 太陽光パネル1枚あたりの出力を400Wとした場合
古い瓦屋根でも太陽光パネルを設置できる?
太陽光パネル設置の可否は、築年数によって判断されます。特に、建築基準法が改正される1981年以前に建てられた住宅は、設備を導入できない可能性が高いです。
また、築年数が浅い住宅でも、瓦のヒビ・ズレや屋根材の腐食がある場合は修理や葺き替え工事が必要です。
自宅に発電設備を導入できるか不安な方は、専門業者に現地調査を依頼しましょう。屋根の状態に合わせて、補修やリフォームを含めた最適な導入プランを提案してもらえます。
瓦屋根の太陽光パネル設置に補助金は使える?
瓦屋根に太陽光パネルを設置した場合、各自治体の補助金が使える可能性があります。補助金の交付条件として、屋根材の種類が指定されるケースは少数です。
ただし、各自治体によって申請期間や必要な書類は異なります。補助金を申請する際は、公式サイトで必ず申請可能な期間や交付条件を確認しましょう。
一部の販売店・施工業者では、補助金の申請サポートを実施しています。コストを抑えて太陽光発電を導入したい方は、太陽光発電の専門家が在籍する大阪ガスにご相談ください。
まとめ:瓦屋根に太陽光パネルを設置するなら業者選定が大切
瓦屋根でも太陽光パネルを設置することは可能です。適切な施工方法を選べば、屋根の耐久性を損なわずにパネルを設置できます。
業者選定の際は、瓦屋根の特性を熟知した施工実績が豊富な業者を選ぶことが重要です。施工不良による事故や不具合の発生リスクを軽減できます。
業者選定にお困りの方は、大阪ガスにご相談ください。太陽光発電の専門家から、ご自宅の瓦屋根に適した施工方法や運用プランの提案を受けられます。
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