蓄電池の容量の決め方は?目安の計算方法や選び方・注意点を徹底解説

編集者:【大阪ガス】Daigasコラム編集部

このページにはPRリンクが含まれています。
蓄電池の容量の決め方は?

蓄電池の容量の決め方は?
容量の目安はどう計算できる?

家庭用蓄電池は節電に効果的で、停電の備えにもなる設備です。太陽光発電と相性が良く、日中の電力を夜間にも活用することで、電気代の大幅な節約が期待できます。

しかし、家庭ごとに居住人数や電力使用量が違うため、どのくらいの容量を導入すれば良いか悩みますよね。メーカー・製品によって特徴や価格帯も大きく異なります。

そこで当記事では、蓄電池の容量の決め方をわかりやすく解説します。最適な容量を選ぶために必要な知識と計算方法も紹介するので、ぜひ容量選びの参考にしてください。

【大阪ガス】太陽光発電について相談する

目次

家庭用蓄電池の最適な容量の目安は?

蓄電池の容量は5~10kWhが目安

蓄電池は一般的に5~10kWhが目安です。住宅用蓄電池購入のメリットに関する実態調査でも購入者の43.3%がこの容量帯の製品を選んでいて、割合としてもっとも多かったです。

同調査では85.6%の方が「購入して良かった」と回答しており、一定の満足度が伺えます。実際に導入する際は、家庭の電力使用量や、備えたい電力量に応じて容量を決めましょう。

夕方から夜にかけての電力使用量は3~5kWh程度が多く、5~10kWhの容量があれば、停電時でも冷蔵庫・照明・携帯電話の充電など、生活に重要な家電の電力をカバーできて安心です。

※出典:エネがえる運営事務局調べ

kWとkWhの違いを理解して容量選びの基準を明確にする

蓄電池を選ぶ際に知っておきたいのが「kW」と「kWh」という2つの単位です。kWは「一度に使える電力の大きさ」を、kWhは「蓄えられる電力量と使用時間の目安」を表しています。

  kW(キロワット) kWh(キロワットアワー)
単位の意味 電力(出力)の単位 電力量(容量)の単位
単位の説明 1kW=1000W 1kWの電力を1時間使った際の電力量=1kWh
蓄電池での役割 一度に使える電気の強さ(定格出力) 貯めておける電気の量(蓄電容量)
具体的な
使用例
出力1kWの家電を1時間使用=1kWh消費 1kWhで出力100WのLEDを約10時間点灯可

出力(kW)と容量(kWh)の違いを把握することで、蓄電池で賄える電力量を具体的にイメージしやすくなり、製品の比較にも役立ちます。

kWhで容量を見るときは、必要な容量よりも多少の余裕がある製品が選べると理想的です。蓄電池には、使用とともに経年劣化し、容量が少しずつ減っていく特性があるからです。

サイクル数と保証期間から蓄電池の使用年数を比較する

蓄電池の寿命は、サイクル数(充放電の耐久回数)と保証期間で判断できます。2025年現在、サイクル数は10,000回以上の製品が主流で、コストを抑えると6,000回程度のモデルもあります。

サイクル数10,000回の蓄電池は長寿命で、1日に1回充放電しても単純計算で約27年は使用が可能です。サイクル数6,000回のモデルは約16年と、製品ごとに大きな差が出ます。

保証期間は製品ごとに異なり、どの程度の性能を維持できるかの基準年数が定められています。メーカーごとに保証適用のルールは違うので、購入する前に必ず詳細を確認しましょう。

  容量 サイクル数 保証内容
オムロン
(KP-BU98B-2S)
9.8kWh 11,000 ・製品保証:15年(無償)
・容量保証:15年後60%以上
シャープ
(JH-WB1621)
4.2kWh 12,000 ・製品保証:15年(有償)/10年(無償)
・容量保証:10~15年後60%以上
京セラ
(LBS-0550)
5.5kWh 20,000 ・製品保証:15年(無償)
・容量保証:15年後50%以上

考:各メーカー公式サイト(保証の詳細は各社の公式情報や保証書をご確認ください)

多くの製品は、保証期間より長く使用できる設計になっています。しかし、保証対象の故障・性能低下が発生した場合、保証期間内は無償で対応してもらえるのが一般的です。

製品保証は製造上の不具合が対象で、容量保証は蓄電容量が一定の基準を下回らないことを保証する制度です。長期間使う設備なので、保証内容が充実した製品を選ぶと安心です。

蓄電池の寿命は、サイクル数を使用日数(365日)で割ったり、保証期間を参考に推測できます。保証期間後の修理・交換や、廃棄する場合の扱いも事前に確認しておきましょう。

蓄電池の選定は専門業者への相談が確実

自宅に合う蓄電池を選ぶ際は専門業者に相談するのがおすすめです。容量や出力だけでなく、予算やライフスタイル、太陽光発電システムとの相性なども総合的に考える必要があります。

蓄電池を選ぶうえでの判断基準に目安はありますが、最終的な選定や見積もりをプロに相談することで、過剰な設備の導入や、蓄電容量が足りない失敗を防げます。

導入を検討している段階でも、太陽光発電や蓄電池を扱う専門業者に気軽に相談してみてください。予算や設置環境を伝えれば、客観的な視点で具体的なアドバイスがもらえます。

蓄電池の容量は用途や条件に応じて考える必要がある

蓄電池の容量は太陽光発電とのバランスが重要

太陽光発電の容量 発電量の目安 蓄電池の
容量目安
3kW 約4,000kWh/年(11~12kWh/日) 4~6kWh
4kW 約5,000kWh/年(14~15kWh/日) 6~8kWh
5kW 約6,250kWh/年(17~18kWh/日) 8~10kWh

※発電量の参考:太陽光発電協会

蓄電池を太陽光発電とセットで使用する場合、発電量とのバランスが重要です。蓄電池の容量が小さいと発電した電力を十分に活用できず、大きすぎると初期費用がかさみます。

仮に太陽光発電の容量が4kWの場合、年間発電量は約4,000kWhで、一般家庭の年間消費電力量の約82%を賄えます。この発電量に対して、蓄電池は6~8kWhがひとつの目安です。

蓄電池の容量に少し余裕を持たせることで、発電した電力を無理なく効率的に活用できます。蓄電池を後付けする場合も、発電量に応じて適切な容量を選ぶと費用対効果を高められます。

停電時に使いたい家電によって容量が変わる

蓄電池の容量は、停電時にどこまでの生活を維持したいかによって大きく変わります。災害による長時間停電にも備えたい場合は、10kWh以上の大容量モデルを検討すると安心です。

明かりやスマートフォンの充電など、最低限の使用であれば3~5kWhでも一晩から1日ほど凌げます。冷蔵庫やエアコン、電子レンジなども使いたい場合は6~10kWhが目安です。

以下に、容量別に使用できる家電の例をまとめました。自宅の家電や使い方をイメージしながら、適切な容量選びの参考にしてください。

  使用できる家電の例 補足
3~5kWh 冷蔵庫(300W)×5h
照明(100W)×5h
テレビ(50W)×5h
照明・テレビ・冷蔵庫などの基本的な家電を
数時間使用できる。夜間の停電でも最低限の
明かりと情報収集手段を確保できる。
6~9kWh 基本的な家電+
洗濯機(400W)×1回
エアコン(450W)×2h
基本的な家電に加えて洗濯機やエアコンの
短時間使用も可能。約半日の停電に対応できるが、
同時使用には注意が必要。
10kWh以上 基本的な家電+
電子レンジ(1400W)×2回
IHヒーター(3000W)×1h など
IHや洗濯機、掃除機などを含む、より多くの
家電を使用できる。工夫すれば長時間の停電でも
通常に近い生活を維持しやすい。

※参考:家庭の省エネハンドブック 2025年度版

実際の使用可能時間は、家電ごとの出力や使用状況によっても変わります。蓄電池の「定格出力」によって、同時に使える家電の数にも制限があるので要注意です。

家電の同時使用の限界は「定格出力」で確かめられる

複数の家電を同時に使いたい場合は、容量だけでなく定格出力(kW)も重要です。定格出力とは、蓄電池が一度に供給できる電力量の上限を示す数値です。

容量が十分でも、定格出力が低いとブレーカーが落ちる原因になります。定格出力2.0kWの蓄電池ではエアコン(0.9kW)と電子レンジ(1.4kW)を同時に使うと出力をオーバーします。

冷蔵庫・照明・テレビなどを同時に使いたい場合は、2.5~3.0kW以上の出力が目安です。「同時に何を使いたいか」を想定しておくと、実用性の高い蓄電池を選べます。

蓄電池の容量は価格とのバランスを見て判断すべき

蓄電池の価格は容量によって大きく変わります。蓄電池をどのように使いたいか、想定している用途に応じて、以下の価格帯を目安に予算を考えておきましょう。

  想定される用途 想定価格帯
3~5kWh 非常時にスマートフォンや照明、冷蔵庫など必要最低限の家電を賄う容量 約50~70万円
6~10kWh 冷蔵庫やエアコン、炊飯器などの日常的な家電をバランスよく使える容量 約70~120万円
10kWh以上 IHや洗濯機も含め、より多くの家電を長時間使用したい家庭向けの容量 約120~250万円

※メーカーや製品、工事内容によって変動します

※価格参考:三菱総合研究所 2024年度 定置用蓄電システム普及拡大検討会の結果とりまとめ(案)

容量が大きくなるほど価格も上がりますが、停電時に使える電力量が増えたり、電気代の節約効果が大きくなったりと、得られるメリットも増えます。

しかし、使い方に対して容量が大きすぎると初期投資の負担が増え、回収までの時間が長くなります。自宅の電力使用や太陽光発電の有無をふまえて適切な容量を選びましょう。

高額な買い物だからこそ、予算と必要な機能のバランスが重要です。容量やメーカーを選ぶ際の心配ごとがあれば、蓄電池を扱う太陽光のプロに相談するのがおすすめです。

関連記事:蓄電池10kWhの価格相場はいくら?容量の選び方のコツも紹介

蓄電池の最適な容量の決め方3選

家庭の電力消費量から容量を計算する
太陽光発電との相性で蓄電池タイプを選ぶ
将来の電力使用量を見越して容量を決める

家庭の電力消費量から容量を計算する

蓄電池の容量は、家庭での電力使用量をもとに計算すると無駄のない選択ができます。まずは毎日使っている家電の種類や使用時間、消費電力を把握しましょう。

【家電別】消費電力量(kWh)の計算式
  • 家電の出力(W)×使用時間(h)÷1,000

※家電の出力はワット(W)表示が多いため、単位をキロ(k)に換算しています(例:1,500W×2時間=3,000Wh→3,000÷1,000=3kWh)

以下に、1日の電力消費量の例をまとめてみました。出力の大きなエアコンや、稼働時間の長い冷蔵庫が大部分を占めることがわかります。

  出力 使用時間 消費電力量
テレビ 50W 4.0h 0.2kWh
照明(蛍光灯) 100W 5.0h 0.5kWh
冷蔵庫 250W 24.0h 6.0kWh
洗濯機 400W 0.5h(1回) 0.2kWh
エアコン(10畳) 1,000W 4.0h 4.0kWh
ドライヤー 1,000W 0.2h(12分) 0.2kWh
炊飯器 1,300W 1.0h 1.3kWh
合計 12.4kWh

※参考:家庭の省エネハンドブック 2025年度版

表では1日あたり合計約12.4kWhの電力を消費している計算になります。万が一の停電や災害時に、家中すべての電力を補いたいなら12.4kWh以上の蓄電容量があると安心です。

ただし、必ずしも全ての電力をカバーする必要はありません。「夕方から夜にかけて最低限の照明や冷蔵庫だけ使いたい」といったニーズなら、必要な容量はもっと少なくて済みます。

夜間に冷蔵庫や照明などの基本的な家電のみ賄うなら、容量5~6kWhでも最低限の備えとして十分です。重要な家電に優先順位をつけて、必要な容量を明確にすることで失敗を防げます。

▼蓄電池容量と価格の比較シミュレーション

定格容量ではなく「実効容量」で判断する

蓄電池の容量と出力のイメージ

※画像はDaigasコラムが作成

蓄電池の容量を確認するときは、カタログや仕様書で「実効容量」を確認しましょう。実効容量は、蓄電池に溜めて実際に使える電力の最大値を表しています。

定格容量しか確認できない場合は、容量を10〜20%少なく見積もると安心です。定格容量は理論上の最大値で、余裕を持たせた数値になっているためです。

定格容量に10kWhと記載があっても、実際に使えるのは8kWh前後の可能性があります。過充電や過放電は寿命を縮めるため、自動的に制御がかかる仕様の製品も多いです。

太陽光発電との相性で蓄電池タイプを選ぶ

蓄電池には大きく分けて3つのタイプがあるので、それぞれの特徴を把握して、最適なタイプを選びましょう。太陽光発電システム全体の効率や、導入コストにも大きな影響があります。

  主な特徴
単機能型 ・蓄電池としての機能に特化
・価格は安価
・太陽光発電と蓄電のパワーコンディショナ※1は別々
・電力損失が比較的高め
ハイブリッド型 ・太陽光発電と蓄電池を1台のパワーコンディショナで制御
・単機能型よりは価格が高い
・既存の太陽光発電があると工事が必要
・電力を効率的に充電できる
トライブリッド型 ・ハイブリッド型の機能に加えてV2H※2とも連携
・ハイブリッド型よりも価格が高い
・電気自動車を使いたい方向け
・蓄電池とEVの充電と活用が効率的

※1 パワーコンディショナ:家庭で使える電力に変換する装置

※2 V2H:電気自動車を家庭の電力供給源としても利用するシステム

単機能型は導入コストが安いですが、太陽光発電との連携に別途パワーコンディショナが必要です。また、電力変換の回数が多い分、電力の変換ロスが発生しやすくなります。

ハイブリッド型なら1台のパワーコンディショナで管理できて、電力変換のムダが少なく、家庭内で効率的に電気を使えます。

電気自動車をすでに使っている、または今後購入予定であれば、予算を上げてトライブリッド型を導入するのも選択肢のひとつです。

将来の電力使用量を見越して容量を決める

蓄電池は、やや余裕を持たせた容量で選んでおくのがおすすめです。家庭の電力使用量は、ライフスタイルの変化で増加することが多いからです。

今は冷蔵庫や洗濯機など基本的な家電だけで問題なくても、数年後にはエコキュートやIHクッキングヒーターを導入したり、子どもの成長によって電力使用量が増える可能性もあります。

また、蓄電池の容量は時間とともに少しずつ劣化していきます。事前に容量にゆとりを持たせておけば、使用電力の増加にも対応でき、長期的に安定した電力の活用が可能になります。

関連記事:蓄電池10kWhの価格相場はいくら?容量の選び方のコツも紹介

容量選びの失敗を防ぐための3つの注意点

POINT
全負荷か特定負荷かで必要な容量が変わる
ライフスタイルに合わせた容量のシミュレーションが必須
相見積もりを取らずに決めると容量・費用が過剰になることも

全負荷か特定負荷かで必要な容量が変わる

蓄電池を導入する際は「全負荷型」か「特定負荷型」か確認しておきましょう。選択によって、必要な蓄電容量や初期費用が変わります。

全負荷型は停電時でもすべてのコンセントが使えますが、特定負荷型は特定の回路(冷蔵庫や照明など)に限定されます。蓄電池が停電時にどこまで電力を供給するかも大事な判断軸です。

蓄電池の全負荷と特定負荷の違いを示す図

※画像はDaigasコラムが作成

どちらが良いかは、ライフスタイルや導入目的によって異なります。安心感を優先するなら全負荷、コストを重視するなら特定負荷型がおすすめです。

季節を問わず停電時も快適に過ごしたい場合は、10kWh以上の全負荷型が目安です。エアコン(消費電力500~1,500W)を5時間使用するだけでも、2.5~7.5kWhが必要になります。

冷蔵庫(約100W)や照明(約50W)、テレビ(約100W)などの最低限の家電だけなら、3~7kWhの特定負荷型で十分に対応できます。

ライフスタイルに合わせた容量のシミュレーションが必須

蓄電池を選ぶ際は、ライフスタイルに合わせた容量のシミュレーションが必須です。家庭ごとに使っている家電や生活リズムには差があり、必要な容量も変わるからです。

最近は多くのメーカーや電力会社が無料のシミュレーションツールを提供しています。自宅の電力使用量を、電気料金の明細や電力会社のマイページで確認できればすぐに試せます。

特徴の異なるシミュレーションサイトを3つ紹介します。蓄電池のタイプ・容量・経済効果の目安がイメージしやすくなるので、ぜひ活用してみてください。

  シミュレーターの特徴
オムロン 7つの質問に答えれば最適な容量やタイプ、経済効果を確認できる
京セラ 希望の容量から太陽光と蓄電池の経済効果を比較できる
サンクル 住所を入力するだけで、導入効果や補助金情報を確認できる

シミュレーション結果を最大限に活用するためのポイント

シミュレーション前に、自分の目的に合う容量の目安を把握すると比較がしやすくなります。停電にしっかり備えたい場合、10kWh程度を目安に価格や経済効果を調べるとスムーズです。

ただし、消費電力は家電やその使用頻度、生活スタイルによって異なります。シミュレーション結果に頼りすぎず、生活パターンに合わせて調整することが大切です。

例えば、シミュレーションで15kWhの容量を推奨されても、実際の消費量が12kWh未満なら過剰になる場合があります。適切な容量を慎重に見極めて、無駄なコストを抑えましょう。

相見積もりを取らずに決めると容量・費用が過剰になることも

蓄電池の容量や費用は、複数の業者から見積もりを取って比較しないと適正かどうかが分かりません。販売業者ごとに価格設定や提案の内容は大きく異なるからです。

販売業者による違い
  • 提示される蓄電池容量
  • 値引きやキャンペーンの条件
  • メンテナンスなどの付帯サービス
  • 保証・アフターフォローの内容
  • 補助金の案内や申請サポート体制 など

同じ容量でも、工事費を含めた総額は業者によって数十万円の差が出るケースがあります。複数の業者を比較すれば、提案された容量が妥当かどうかも確認できます

設備保証や補助金サポートなど、フォロー体制にも業者ごとの差があります。価格だけでなく、長く安心して任せられるかどうかも判断材料にしましょう。

相見積もりには「ソーラーパートナーズ」や「タイナビ」などの一括見積もりサイトを活用し、3~5社を比較するのがおすすめです。

家庭用蓄電池の最大のメリットは太陽光発電の効率化

家庭用蓄電池を導入するメリット3選
太陽光発電の電力を無駄なく使用できる
停電時や災害時の備えになる
蓄電池をセットで導入すると補助金の対象になりやすい

太陽光発電の電力を無駄なく使用できる

電気代の節約効果シミュレーション

※画像はDaigasコラムが作成

太陽光で発電した電力は、使いきれない分は電力会社に売電できます。蓄電池があれば日中の電力を溜めて夜に使えるうえ、充電しきれなかった余剰電力を売電に回せて効率的です。

2025年時点の売電価格は8~10円/1kWhに対し、電力の購入単価は30円前後です。夜間に自家消費できれば、1kWhあたり20円以上の節約となり、売電より経済効果が高くなります

また、夜間電力が安いプランを利用している場合、蓄えた電力を昼間に使うことで電気代をさらに抑えられます。初期投資の回収後も、節約効果は長く続くのが大きな魅力です。

※参考:東京電力エナジーパートナー 従量電灯Bプラン

停電時や災害時の備えになる

蓄電池があれば、地震や台風で停電が発生しても、冷蔵庫や照明などの重要な家電を使い続けられます。3~5kWhの容量でも、基本的な家電を動かす電力を数時間~1日程度賄えます。

非常時に使いたい家電と使用時間を事前に想定しておくと、必要な容量を検討しやすくなります。エアコンや調理家電も使いたい場合は、10kWh以上の容量があると安心です。

蓄電池の中には、停電時にすぐ自動切替できる製品もあり、電力の中断を最小限に抑えられます。非常時を想定し、停電時の動作や定格出力なども比較して選びましょう。

【容量別】使用できる家電の例
  使用できる家電の例 補足
3~5kWh 冷蔵庫(300W)×5h
照明(100W)×5h
テレビ(50W)×5h
照明・テレビ・冷蔵庫などの基本的な家電を
数時間使用できる。夜間の停電でも最低限の
明かりと情報収集手段を確保できる。
6~9kWh 基本的な家電+
洗濯機(400W)×1回
エアコン(450W)×2h
基本的な家電に加えて洗濯機やエアコンの
短時間使用も可能。約半日の停電に対応できるが、
同時使用には注意が必要。
10kWh以上 基本的な家電+
電子レンジ(1400W)×2回
IHヒーター(3000W)×1h など
IHや洗濯機、掃除機などを含む、より多くの
家電を使用できる。工夫すれば長時間の停電でも
通常に近い生活を維持しやすい。

※参考:家庭の省エネハンドブック 2025年度版

蓄電池をセットで導入すると補助金の対象になりやすい

自治体の補助金制度では、蓄電池と太陽光発電のセット導入が支給条件になっていたり、補助額が加算されるケースが多く見られます。蓄電池の導入を促進するためです。

以下は、蓄電池と太陽光発電をセットで導入した場合に補助金の対象となる一部地域の例です。

  補助金の例 条件 補助率 上限額
栃木県 個人住宅用太陽光発電
設備等導入支援事業
太陽光発電+蓄電池のセット導入が対象 ・太陽光発電:7万円/kW
・蓄電池:導入費用の1/3
・太陽光発電 28万円(4kW)
・蓄電池 25万8千円(5kWh)
群馬県藤岡市 令和7年度住宅用再生可能エネルギー
設備等設置費補助金
太陽光発電の補助はリチウムイオン
蓄電システムとの同時設置に限る
・太陽光発電 2万円/kW
・蓄電池 2万円/kWh(単体設置は1万円/kWh)
・太陽光発電 8万円
・蓄電池 10万円
大阪府高槻市 令和7年度エコハウス補助金 太陽光発電+蓄電池のセット導入 他 ・太陽光発電+蓄電池:導入費用の1/3 ・太陽光発電+蓄電池:10万円

※補助金の詳細は各自治体の公式ホームページでご確認ください

導入費用が高額になりやすいV2H対応の蓄電池や、ZEH(ゼロエネルギーハウス)に対応した住宅でも、要件を満たせば手厚い補助を受けられる可能性があります。

蓄電池や太陽光発電システムの導入を検討する際は、市区町村の公式サイトで最新情報を確認しましょう。また、補助金に詳しい太陽光の専門業者に相談するのもおすすめです。

家庭用蓄電池のデメリットとその対策

家庭用蓄電池の主なデメリット3選
初期投資の回収に時間がかかる
設置スペースを確保する必要がある
十分な容量の蓄電池を導入すると高額

初期投資の回収に時間がかかる

容量6~10kWhの蓄電池は、費用を抑えても100万円以上の初期費用がかかることが多いです。節電や売電による効果は期待できますが、元が取れるまで10~15年かかることもあります。

ただし、近年は電気代の高騰が続いており、今後は節約効果が高まる可能性もあります。特に、太陽光とセットで導入すれば、初期投資の回収期間を短縮しやすくなります。

導入コストを抑えるためには、相見積もりを取り、補助金の活用を検討しましょう。導入費用が数十万円減り、初期投資回収までの年数を2~3年短縮できるケースもあります。

設置スペースを確保する必要がある

蓄電池の写真

※イメージ

屋外設置型の蓄電池は、標準的な容量のモデルでもエアコンの室外機1~2台分の大きさがあります。容量に比例して本体サイズも大きくなるため、設置スペースの確保が必要です。

さらに、設置には建物の構造や壁面との距離など、メーカーごとのガイドラインに従う必要があります。離隔距離のルールを守らないと、保証の対象外になる場合もあります。

屋内設置型の蓄電池はやや小型ですが、住宅によっては手狭になります。追加で配線工事が必要な場合もあるので、設置場所は事前に施工業者や販売店に相談しておきましょう。

十分な容量の蓄電池を導入すると高額

夜間の電力使用や停電時の安心感を考えると、蓄電池の容量は10kWh以上が理想です。ただし、容量が大きくなるほど、製品の価格や工事費も高額になります。

高額な設備を導入する場合、ソーラーローンを利用すれば、まとまった初期費用がなくても導入でき、家計への負担を分散できます。無理のない支払いで導入したい方におすすめです。

太陽光発電とのセット導入なら「0円ソーラー」も選択肢に入れたほうが良いです。太陽光発電の導入費用が0円なので、蓄電池を導入する際の負担を大きく軽減できます。

初期投資がかからない「0円ソーラー」とは

0円ソーラーとは、事業者が太陽光発電システムを無償で設置し、利用者は発電された電力を割安な価格で購入できる仕組みです。契約満了後は、設備を無償で譲渡してもらえます。

大阪ガスの提供する「スマイルーフ」も0円ソーラーのサービスです。契約期間中に売電はできませんが、スマイルーフで発電した電気を使用することで、導入後から電気代の節約が期待できます。

15年の契約期間中は無料メンテナンスもつき、初期投資が回収できない心配がほとんどありません。興味があれば、以下リンクから詳細をご確認のうえ、大阪ガスに相談してみてください。

【家庭の用途別】蓄電池容量と価格の比較シミュレーション

蓄電池の導入目的別に、使用する家電から、容量の目安・費用感・電気代の削減効果などをシミュレーションしてみました。

太陽光発電とセットでの導入を前提に、以下に表にまとめています。購入の検討段階での参考情報として、ひとつの目安にしてください。

  最低限は備えたい 標準的な使用を想定 停電にしっかり
備えたい
使用する
家電の目安
スマートフォン充電・
冷蔵庫・照明
最低限の備え+
エアコン・炊飯器
標準的な使い方+
洗濯機・テレビ・IHなど
太陽光発電の容量 3.0kW 4.5kW 5.5kW~
蓄電池の容量 4~6kWh 7~10kWh 10kWh~
初期費用の目安 約156~161万円 約218~254万円 約284万円~
電気代の削減
(月間)
約3,000~4,000円 約5,000~6,000円 約8,000~10,000円
初期投資回収
までの目安
約13~15年 約15~17年 約18~20年
参考:シミュレーションに活用した資料とデータ
  参考にした情報
太陽光発電+蓄電池の容量 家庭の省エネハンドブック 2025年度版を参考に家電の出力(W)から目安を算出
太陽光発電の初期費用 経済産業省の資料を参考に、本体と工事の費用をkWあたり単価から計算
蓄電池の初期費用 三菱総合研究所の資料を参考に、本体と工事の費用をkWhあたり単価から計算
電気代の削減額 購入電力を1kWh/30円、売電単価を1kWh/8~10円として計算
初期投資回収までの目安 回収目標の年数をやや長めに記載

導入を検討する際は、自宅の条件に合わせてシミュレーションをするのがおすすめです。表より初期投資の回収に長い期間がかかるなら、設備の価格が相場より高い可能性があります。

蓄電池の価格は、容量や性能だけでなく、業者ごとのプランや条件でも差が出ます。同じ製品で数十万円の差がつくこともあるため、複数の業者から見積もりを取って比較しましょう。

国や自治体の補助金が受けられると、回収期間を短縮できるケースもあります。無料でシミュレーションをしてくれる業者も多いので、専門家に相談するのもおすすめの方法です。

蓄電池の容量に関するよくある質問

蓄電池の一般的な容量の目安は?

世帯人数 電力使用量(月) 電気代の目安 蓄電池の
容量目安
1人 261kWh 7,830円 5kWh前後
2人 341kWh 10,230円 5~10kWh
3人 406kWh 12,180円 10kWh~
4人 446kWh 13,380円 10kWh~

※参考:家庭の省エネハンドブック 2025年度版

家庭用蓄電池の容量は、5~10kWhがおおまかな目安です。最適な容量は、家庭の居住人数や電力使用量によって前後します。

蓄電池と太陽光発電をセットで導入する場合は、昼間の発電量や、夕方~夜間の電力消費量とのバランスも大切です。

実際の電力使用量や電気代を確認のうえ、電気代の節約効果と初期費用の費用対効果を確かめながら、自宅に最適な容量を見極めましょう。

蓄電池の容量を増やすと節電効果や売電収入も増えてお得?

蓄電池は、容量を増やす方がお得とは限りません。電気を使い切れずに余らせてしまうと、蓄電も放電もできないまま、初期費用だけがかさんでしまうためです。

実際には、家庭で使う電力量や、発電量が減る夕方から夜間の使用パターンに合わせた容量が、もっともコストパフォーマンスが優れています。

ただし、停電時の備えや季節による電力使用量の変化を考慮すると、やや大きい容量が理想的です。使い切れる容量を計算し、少し余裕を持たせた容量で選ぶと失敗が少なくなります。

蓄電池を後から増設できる?

蓄電池は、太陽光発電設備の導入後でも設置できます。ただし、パワーコンディショナの交換や配線工事が必要になる場合があり、機種やメーカーによっては後付けができません。

また、蓄電池と太陽光発電は、セット導入の方が初期費用や工事費がお得なケースが多いです。セット割引があったり、システム全体の相性や保証も揃えやすくなるからです。

蓄電池の後付けは可能ですが、これから太陽光発電システムの導入を検討する場合は、蓄電池とセットで考えておくと費用対効果の面でメリットが大きくなります。

どのメーカーの蓄電池が良い?

蓄電池のメーカーは、価格と容量のバランスや保証内容など、さまざまな視点から比較することが大切です。

住宅用蓄電池購入のメリットに関する実態調査によると、パナソニックやシャープなどの国産メーカーが多く選ばれています。

購入した蓄電池のメーカー

※出典:エネがえる運営事務局調べ

蓄電池は性能だけでなく、太陽光発電との相性や企業の信頼性も大切です。サイクル数で寿命を比べたり、製品保証の長さを比較して、長く安心して使える蓄電池を選びましょう。

蓄電池選びに困ったら、メーカーの取り扱いが豊富な業者に相談するのがおすすめです。予算や自宅の設置条件に応じた最適なアドバイスがもらえます。迷っている段階でも、まずは気軽に相談してみてください。

まとめ:蓄電池の容量は予算内で自宅に合うものを選ぼう

蓄電池は5~10kWhが一つの目安ですが、実際は電力使用量や太陽光発電設備の構成によって最適な容量は異なります。停電時にどれくらいの電力を備えたいかも考える必要があります。

購入後のサポート体制や保証内容も重要です。保証期間終了後は修理や交換の費用が自己負担の場合も多いため、保証期間や延長プランもチェックしておくと安心です。

最適な容量の設備を選ぶためには、まず太陽光発電の専門家や電力の専門家に相談してみてください。家庭にぴったりの容量や価格、保証内容を備えた製品を提案してもらえます。

■ご注意事項

本記事の情報は記事公開時のものであり、最新の情報とは異なる可能性がございます。本記事に含まれる情報のご利用は、お客さまご自身の責任において行ってください。詳しくは「サイトポリシー」をご確認ください。

【大阪ガス】Daigasコラム編集部
編集者
【大阪ガス】Daigasコラム編集部
ガスや電気にインターネット・引越しなど、みなさまの暮らしに関する便利でお得な情報をお届けします。

Daigas編集部
おすすめコラム

大阪府・関西のおすすめ引越し業者一覧!大手から中小まで安い引越し業者を紹介【2026年最新】

大阪府・関西のおすすめ引越し業者一覧!大手から中小まで安い引...

【PDFあり】引越しやることチェックリスト45個|必要な手続きの流れを時系列で解説 

【PDFあり】引越しやることチェックリスト45個|必要な手続...

引越し時の電気・ガス・水道の手続き方法や連絡先は?注意点も解説

引越し時の電気・ガス・水道の手続き方法や連絡先は?注意点も解...

【電気料金比較】新電力会社のおすすめ人気16選!料金プランをエリア別に解説【2025年最新】

【電気料金比較】新電力会社のおすすめ人気16選!料金プランを...

電気の即日開通は24時間できる?引越し当日の電気契約の方法や注意点について解説

電気の即日開通は24時間できる?引越し当日の電気契約の方法や...

引越しの見積もりで一番安い業者を選ぶ方法は?無料で一括比較するやり方を解説

引越しの見積もりで一番安い業者を選ぶ方法は?無料で一括比較す...

【242人に聞いた】ウォーターサーバーおすすめランキング!人気メーカーをタイプ別に徹底比較

【242人に聞いた】ウォーターサーバーおすすめランキング!人...

【種類別】プロテインおすすめ17選!タンパク質を摂るメリット・デメリットを徹底解説

【種類別】プロテインおすすめ17選!タンパク質を摂るメリット...

記事一覧
TOP