エコキュートの電気代が高い|安く抑えるコツとガスとの比較シミュレーション
編集者:Daigasコラム編集部:給湯器担当
エコキュートは省エネで環境にも優しいと人気ですが「思ったより電気代が高い」「本当にガス給湯器よりお得なの?」と疑問を持つ方も多いのではないでしょうか。
エコキュートの電気代は、選び方や設定、使い方によって大きく変わります。
本記事では、エコキュートの電気代が高くなる原因から、ライフスタイルにあった選び方や設定のコツ、冬場の電気代対策までをわかりやすく解説します。
さらに、ガス給湯器との比較シミュレーションもご紹介しますので、エコキュートの電気代をできるだけ抑えたい方は、ぜひ参考にしてください。
【シミュレーション】エコキュートの電気代はどれくらい?ガス給湯器とも比較

エコキュートは、使用状況や家族の人数によって給湯にかかるランニングコストが大きく変わりますが、ガス給湯器と比較すると「光熱費を大きく抑えられる」ケースが多いです。
ここでは、シミュレーションデータをもとに、両者の給湯光熱費を比較します。
ダイキンのシミュレーションでは、関西電力エリア(大阪府)における年間給湯光熱費は以下のようになります。
|
家族の人数 |
高効率エコキュート |
標準エコキュート |
|---|---|---|
|
1〜5人(370L) |
43,900円/年 |
46,200円/年 |
|
4〜7人(460L) |
43,900円/年 |
46,400円/年 |
参照:DAIKIN|どこでもパートナー|給湯器光熱費提案ツール
|
【シミュレーションの条件】
370L省エネタイプ:EQX37ZFV 370L標準タイプ:EQA37ZFV 460L省エネタイプ:EQX46ZFV 460L標準タイプ:EQA46ZFV |
ガス給湯器の給湯光熱費の目安は、以下のとおりです。
|
家族の人数 |
エコジョーズ(都市ガス) |
エコジョーズ(LPガス) |
|---|---|---|
|
2人 |
60,000円/年 |
96,000円/年 |
|
3人 |
70,000円/年 |
112,000円/年 |
|
4人 |
79,000円/年 |
128,000円/年 |
|
5人 |
89,000円/年 |
144,000円/年 |
参照:三菱電機|給湯光熱費かんたんシミュレーション | はじめてのエコキュート
|
【シミュレーションの条件】
|
上記の表の料金はあくまで目安であり、実際の使用量やプランにより変動します。
これらのシミュレーション結果から、エコキュートは初期投資が必要なものの、特にプロパンガスエリアでは明確な経済的メリットがあるといえます。
エコキュートの仕組み|電気代が安くなる時間帯は?

エコキュートの電気代を最も安く抑えられるのは、電力会社が設定する「夜間の時間帯」です。
エコキュートは「夜間の安い電気でお湯を沸かし、昼間はそのお湯を使う」ことで、電気代を節約できるシステムだからです。
電力会社が設定する夜間電力は昼間に比べて割安な料金設定となっています。
エコキュートは電気料金が安い夜間の時間帯にまとめてお湯を沸かし、給湯にかかる光熱費を抑えます。
電気代が割安になる夜間時間帯は「23時から翌朝の午前7時頃まで」が一般的です。
ただし、この夜間時間帯の電気代が安くなるのは「オール電化向けプラン」や「深夜電力割引プラン」など、特定のプランの契約が条件となります。
電力会社やプランによって夜間時間帯の定義(22時~翌朝8時など)や料金単価は異なりますので、ご自身の契約内容を確認しておきましょう。
オール電化の電気代については、以下の記事で詳しく解説しています。
エコキュートの電気代が高くなる主な3つの原因

エコキュートを導入したものの「思ったより電気代が安くならない」「むしろ高くなってしまった」というケースは少なくありません。
エコキュートの電気代が高くなってしまう主な原因として、以下の3つがあげられます。
それぞれ解説します。
原因①電気料金プランがライフスタイルにあっていない
エコキュートの電気代が高くなる原因のひとつが、適切な電気料金プランを選択できていないことです。
たとえば、時間帯による料金変動がない、従来の「従量電灯プラン」のままエコキュートを使っているケースがあげられます。
従量電灯プランだと昼も夜も同じ料金単価で電気が使われるため、夜間の安い電力を利用するエコキュートの利点が生かせません。
また、深夜料金プランに加入していても、在宅ワークや専業主婦世帯など日中の在宅時間が長いご家庭では、昼間の割高な電気料金がかさんで電気代が高騰する傾向にあります。
まずは自宅の検針票や電力会社のWebサイトで契約プラン名を確認しましょう。
「オール電化向けプラン」や「深夜電力割引プラン」など、エコキュート向けのプランやライフスタイルにあったプランの再検討が大切です。
原因②電気代が高い日中に沸き増ししている
日中にエコキュートの沸き増しをおこなうと、昼間の電気料金が高い時間帯にお湯を沸かすことになるため、電気代が高くなります。
沸き増しとは、夜間に沸かしたお湯が不足しそうなときに、追加でお湯を沸かす機能です。
多くのオール電化向けプランでは、日中の電気料金は夜間の約1.5〜2倍に設定されています。
たとえば、関西電力の「はぴeタイムR」の場合、リビングタイム(日中)の電気料金はナイトタイム(夜間)の約1.5倍です。
つまり、日中に沸き増しをおこなうと、最も割高な電気を使ってお湯をつくることになり、電気代が跳ねあがる原因になるのです。
日中の沸き増しを減らすには、お湯の使い方を工夫するほか、エコキュートのタンク容量が適切かどうかを見なおす必要があるでしょう。
詳しくは「家族構成やライフスタイルにあったタンク容量を選ぶ」で解説します。
原因③エコキュートの節約機能を活用できていない
エコキュートにはさまざまな節約機能が搭載されていますが、これらを活用していないと非効率な運転が続き、電気代が高くなる原因になります。
多くのエコキュートには省エネモードや自動おまかせ設定など、電気代を節約するための機能が標準装備されています。
これらの設定を見なおせば、同じ使用量でも電気代を大幅に削減できる可能性があるのです。
節約機能のチェックリストを、以下の表にまとめました。
|
チェック項目 |
確認ポイント |
推奨設定・対策 |
|---|---|---|
|
①沸き上げモード |
「おまかせ多め」や「毎日満タン」になっていないか? |
「おまかせ」または「おまかせ省エネ」に変更する |
|
②ピークカット(沸き上げ停止)設定 |
電気料金が最も高くなる昼の時間帯に沸き上げていないか? |
ピークカット機能をONにする |
|
③不在設定(沸き上げ休止) |
旅行や帰省で家をあける際に設定し忘れていないか? |
1日以上家をあけるときは必ず設定する |
沸き上げモードの設定が「おまかせ多め」や「毎日満タン」になっていると、常に最大量のお湯を沸かすため無駄が多くなります。
「おまかせ」または「おまかせ省エネ」に変更することで、過去1〜2週間の使用湯量を学習し、毎日の沸き上げ量を自動で最適化してくれます。
また「ピークカット」とは、電力料金が最も高くなる昼間の時間帯の沸き上げを強制的に停止させる機能です。
万が一湯切れしそうになっても、電気代が高いピークの時間帯を避けて沸き増しをおこなうので、無駄な電気代をカットできます。
さらに、旅行や帰省で1日以上家をあける際には「不在時設定(沸き上げ休止)」をおこないましょう。
設定し忘れると、誰も使わないお湯を毎日沸かし続け、無駄な電力の消費につながります。
ただし、これらの機能はメーカーや機種によって名称や操作方法が異なります。
お使いのエコキュートの取扱説明書を確認し、節約に役立つ機能を把握しておきましょう。
冬にエコキュートの電気代が高くなるのはなぜ?

「冬になるとエコキュートの電気代が急に高くなる」と感じる方も多いのではないでしょうか。
なぜ夏よりも冬の方がエコキュートの電気代が高くなるのか、主な理由は以下の3つがあげられます。
それぞれ解説します。
理由①お湯を沸かす効率が悪くなるから
冬にエコキュートの電気代が高くなる1番の理由は、外気温の低下によって「お湯を沸かす効率が悪くなる」からです。
エコキュートは「ヒートポンプユニット」で空気中の熱を集め、その熱でお湯を沸かす仕組みです。
夏場のように外気が温かければ少ないエネルギーで熱を集められますが、外気温が下がる冬場は、空気中から十分な熱を集めるのに多くの電気エネルギーを消費しなければなりません。
その結果、夏場と同じ温度・同じ量のお湯を沸かす場合でも、冬場は機械への負荷がかかるため、電気代が高くなりやすいのです。
理由②お湯を使う場面が増えるから
2つ目の理由は、単純にお湯を使用する頻度や量が増えるからです。
寒い冬は、お風呂での使用量が増えるだけでなく、日常生活のあらゆる場面でお湯が必要になります。
たとえば、朝の洗顔や歯磨き、キッチンでの食器洗いなど、夏場なら水ですませていたところでもお湯を使う機会が増えます。
また、寒い季節は湯船に浸かって温まる日が多くなり、シャワーの使用時間も自然と長くなりがちです。
お湯を多く使えば、その分翌日に沸き上げる量も増え、結果として電気代がかさんでしまうのです。
理由③お風呂のお湯が冷めやすく追い焚きするケースが増えるから
3つ目の理由として、冬は夏に比べてお風呂のお湯が冷めやすく、追い焚きなどの追加加熱をおこなうケースが増える点があげられます。
冬場は浴室や給湯配管自体が冷えているので、夏に比べて浴槽のお湯が冷めやすいです。
お湯を適温を保つため、頻繁に「追い焚き」や「高温さし湯」をおこなうことになりますが、この追い焚き機能もタンク内の熱を利用するので、エネルギーを消費します。
追い焚きによりタンク内のお湯が急速に減ってしまい、夜間にためた湯量では足りず、日中の割高な電気で「沸き増し」せざるを得ない状況が発生し、結果的に電気代が高くなるのです。
対策として「家族の入浴時間をなるべくあけずに続けて入る」「入浴しないときはこまめに浴槽のフタをする」などの工夫が効果的です。
エコキュートの電気代が安くなる選び方や設定のコツ

エコキュートの電気代を効率よく抑えるには、導入前の「選び方」と、使いはじめてからの「設定」が重要です。
ここからは、電気代を安く抑えるためのエコキュートの選び方や、各種設定についてのコツを7つご紹介します。
- 家族構成やライフスタイルにあったタンク容量を選ぶ
- 電気料金のプランを見なおす
- 「節電モード」や「おまかせモード」などの設定を見なおす
- ピークカット設定を活用し余分な沸き増しを抑える
- シャワーを出しっ放しにしない
- 湯船の湯量を少なめに設定する
- 追い焚きよりも「高温足し湯」機能を使う
家族構成やライフスタイルにあったタンク容量を選ぶ
エコキュートの電気代を安く抑えるには、家族構成にあったタンク容量を選ぶことが基本です。
エコキュートのタンク容量は「大きすぎても、小さすぎても」電気代に悪影響を及ぼします。
|
タンク容量 |
問題点 |
電気代への影響 |
|---|---|---|
|
大きすぎる場合 |
毎日使い切れないほどのお湯を沸かすことになる |
|
|
小さすぎる場合 |
お湯が足りなくなる |
割高な昼間電力での沸き増しが頻発し、電気代がかさむ |
家族の人数にあわせた適切なタンク容量の目安は、以下のとおりです。
|
家族の人数 |
推奨タンク容量 |
|---|---|
|
3〜5人家族 |
370L |
|
4〜7人家族 |
460L |
※メーカーによって推奨人数は異なります
ただし、以下のようなケースでは、目安よりワンサイズ大きいものを選ぶと安心です。
- 来客が多い
- 子どもが成長してシャワーの時間が長くなった
- 将来的に家族が増える予定がある
初期費用は少しあがりますが、日中の沸き増しの防止によって、長期的な電気代の節約ができるでしょう。
電気料金のプランを見なおす
エコキュートのメリットを生かすには、適切な電気料金プランの選択が不可欠です。
以下の3つの手順で、最適なプランを見つけましょう。
|
電気料金見直しの手順 |
|
|---|---|
|
STEP① |
現在のプランを確認する |
|
STEP② |
電力会社のWebサイトでシミュレーションする |
|
STEP③ |
新電力も選択肢に入れる |
まずは関西電力の「はぴeタイムR」など、夜間電力の割引があるプランに加入しているか確認しましょう。
各電力会社のWebサイトでは、日中や夜間の電気使用量など、自分のライフスタイルを入力して、最適なプランを診断できるシミュレーション機能があります。
これを活用して、現在のプランが本当に最適かどうか確認することが重要です。
さらに、選択肢を広げるなら、大手電力会社だけでなく、よりお得な深夜料金プランを提供している新電力会社も比較検討してみましょう。
新電力会社の中には、よりお得な深夜料金プランや、エコキュート利用者向けの特典を提供している場合があります。
「節電モード」や「おまかせモード」などの設定を見なおす
エコキュートの「節電モード」や「おまかせモード」を活用すれば、余計な電気代の削減につながります。
これらのモードは、過去のお湯使用量をエコキュートが自動で学習し、必要最小限の湯量だけ沸かすため、無駄が出にくい設定です。
対して「多め」「満タン」設定は、常にタンクいっぱいになるまで沸かすため、湯切れの心配がないものの、電気を多く消費し電気代がかさみます。
たとえば、以下のような使い方がおすすめです。
- 普段は「おまかせ省エネ」もしくは「節電」モードにしておく
- 来客や大量にお湯を使う日だけ、一時的に「多め」「満タン」モードに切り替える
この機能はメーカーによって名称や設定内容が異なる場合があるため、取扱説明書で確認しましょう。
ピークカット設定を活用し余分な沸き増しを抑える
エコキュートの「ピークカット設定」の活用により、昼間の高い電気料金時間帯に余分な沸き増しを防ぎ、効率よく電気代を抑えられます。
「ピークカット」とは、昼間の電気料金が最も高い時間帯に、自動沸き増し運転を強制的に停止させる機能です。
万が一お湯が足りなくなっても、電気代が割高になる時間帯を避けて追加加熱をおこなうため、湯切れのリスクを減らしながら、電気代も節約できます。
使い方や設定方法は、メーカーや機種によって異なるため、詳しくは取扱説明書でご確認ください。
シャワーを出しっ放しにしない
シャワーの使用方法を見なおすだけで、お湯の使用量と電気代を削減できます。
一般的なシャワーの湯量は1分間で約10Lです。
シャワーを約18分流し続けた場合、浴槽1杯分(約180L)の水量になる計算です。
毎日5分だけシャワーの時間を短縮すると、1ヶ月で約1,500L(浴槽約8杯分)もの節約ができます。
また、シャワーヘッドを節水タイプに替えることも効果的です。
手元でON・OFFできるタイプや、水圧を保ったまま使用水量を30~50%カットできる製品を導入すれば、さらなる節約が期待できます。
湯船の湯量を少なめに設定する
湯船の設定湯量を控えめにするだけで、1回ごとの給湯量が減り、トータルで電気代の節約につながります。
4人家族の標準的な湯量は180~200Lとされていますが、実際は140~160Lの湯量でも十分に快適な入浴が可能です。
湯量を毎回20~40L減らすだけでも、大幅な省エネになります。
無理のない範囲で、湯船の湯量を減らしてみましょう。
追い焚きよりも「高温足し湯」機能を使う
お風呂の温度が下がったときは「追い焚き」より「高温足し湯」機能を使う方が、効率的に電気代を抑えられます。
追い焚き機能は、ぬるくなった浴槽のお湯をエコキュートに戻し、タンクの熱で温めなおして浴槽に戻すシステムです。
この過程では配管の熱損失や熱交換の際にエネルギーロスが発生します。
一方、高温足し湯(さし湯)機能は、60~80℃に達するタンク内の熱いお湯を直接浴槽に足して全体の温度をあげる仕組みで、エネルギーロスが少なく効率的です。
ただし、お湯が極端に冷えてしまった場合や大量のお湯を温めなおす必要がある場合は、追い焚きの方が効率的なこともあるため、状況に応じて使い分けましょう。
まとめ

エコキュートの電気代は、使い方や選び方、日々の工夫によって安く抑えられます。
ライフスタイルにあわせ、タンク容量や電気料金プランを見直し、節電モードやピークカット設定など便利な機能を活用しましょう。
さらに、シャワーやお風呂の使い方を変えることで、毎月のランニングコスト削減につながります。
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